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デフレ化するセックス

2014-06-09 21:52:47 | 本・映画・テレビ
                

デフレーション(デフレ)
ここで言うデフレは「物やサービスの値段が下がっていくこと」
と、定義づけができるだろう。

過去に比べ、女性の性風俗産業で得られる対価が下がっていること。
現在では、普通(?)に生活する女性も、その業界に足を踏み入れていること。
生活のために自らの体を切り売りしてしまっている。
そうしなければ生活できない現状があること。
学費をねん出するために体を売る大学生の話し。

本書の中では、実際の生活費などを数字で出し、
相対的貧困率や実質消費可能額など、一般的なものに当てはめて基準を判別している。

一人暮らしの女性が、生活を続けていくのに容易でない現実。
それを避けるために、性風俗産業へ手を伸ばす。


経済的に生きにくくなっているのは、なにも女性だけではないだろう。
私自身、貧困と紙一重の生活をしているといえる。
可処分所得なんて、十分とはとてもいえたものではない。
しかし、それほど荒んだ気持ちでいないのはなぜだろうか。
あくまで私の場合ではあるが「好きなことをして生活している」
その実感を持てていることが強みなのではないかと思う。
好きでもない仕事をしていて、なおかつ給料が安く生活に困窮しているならば、
気持ちなんて簡単に荒んでいくだろう。
その部分で、私は幸せといえる。


1つの手段として、体を売って対価を得ることはダメだとは思わない。
しかし、
本書の話しに出てきている学費を稼ぐために体を売る大学生の話しを読んで、
未来がないような気持ちになってしまった。
彼女の目標は、大学を卒業し大手企業に就職すること。
その後は・・・どうするのだろうか。
体を売って対価を得ることを続けてしまっていると、
恋人との関係がふつうに成立することは難しいのではないだろうか。


私の周りや知り合いにそういう人はいないのだが、
過酷な現状がこの日本の中にあることを知ることのできる本である。


「生きにくい国日本」
その一言に尽きる

「気の持ちよう」だけで解決できない問題が山積している。

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