JR9RVKの雑記的業務日誌

HF帯のモービル運用をメインに行うアマチュア無線局と、その免許人の備忘録。

視差を減らす試みpart1

2019年10月06日 06時38分31秒 | 測定器系

前記事のラストに書いた“製作した同軸ケーブルの周波数チェック”の前に、その精度に大きく関わるネタに触れておきたい。

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今行っている“使用周波数に対応した同軸ケーブル”を製作する際、避けることが出来ない作業の1つにアンテナアナライザーによる測定がある。正にカット&トライなので、その回数は10回以上になることもある。測定なので毎回指針が指している値を読み取る(ボトムインピーダンスだと判断する)作業が発生するのだが、何とこのアンテナアナライザーの文字盤には視差を防ぐための鏡が無いのだ。正直これは辛い。思わず「国産モデルなんやから、そのぐらい何とかせーよ~。」(←富山弁?)と口走ってしまった。

視差とは測定値を読み取る際に、その位置(文字盤)に対して視線が直角でない時に発生する読み取り誤差のことだ。今回の場合は文字盤から指針が浮いていることと、目盛りが放射状(弧を描いている)ために、視線が文字盤に対して直角でないと何かしらの視差が発生する。更に文字盤には前述した鏡が無いために、視差の抑え込みは非常に困難だ。

そこで「何か対策は無いか?」と考えた結果、文字盤のフレーム正面から側面にかけて“ケガキ線”を入れることにした。作業は機械工作作業で行う“ケガキ作業”そのものだ。

ただし事前準備として、定盤の必要な範囲を脱脂して、アンテナアナライザーを置く際の着地面を養生テープで保護した。そして定盤の上でハイトゲージを用いて下面から130mm、140mm、150mmの高さ(ただし養生テープの厚さを含む)にケガキ線を入れた。UP写真はインピーダンスメーター側だけだが、同じ高さでSWRメーター側にも入れた。

さて「このケガキ線をどう使うのか?」だが、①どのケガキ線を使うのかを決める。②各メーター側にある正面側のケガキ線と側面側のケガキ線が一直線に見える視線位置を探す。③一直線に見える状態をキープしながら文字盤に対して直角になるように視線を移動する。④指針が指した値を読み取る。という流れに持ち込む。

ケガキ線を引く前に久々にアンテナアナライザーを使ってみて思ったことは「繰り返し視差(←とでも言えばいいのかな?たぶん造語。)によるバラツキを防ぐのは大変だな~。」だった。これに対してケガキ線が有ると、視線の動かし方をある程度揃えることが出来た。

どちらかと言えば視差を防ぐというよりも、バラツキを防ぐ効果が有るのかもしれない。だから満点の策ではないが、視差による誤差を抑えられずに迷子になる展開は避けられると思う。まぁ見た目にはメーターの左右に計6本のひっかき傷?を付けたものの、投資額ゼロで一定の安定感?再現性?を得ることが出来たので、OKとしたい。


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