この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

山スキーは登山

2012年03月10日 | 山岳救助

P1080358 過去の四ッ岳北面の写真。もちろんカチカチ。向こうは猫岳。

先日の猫岳はやはり、森林限界より上部はカチカチ斜面だった。僕もスキーを脱いでアイゼンに履き替えようか迷ったが結局山頂までスキーで登り上げた。

まさか、目の前の四ッ岳で滑落事故が起こっているなんて思いもしなかった。

この時期乗鞍は2500mを越え風も強く、斜面はカチカチになる。登りで少しでも不安を感じたら早めにスキーを担ぎ、アイゼンに履き替えなければならない。下りの滑りでもスキーの技術に自身がなければある程度アイゼン、場合によってはピッケルも持ってくだったほうが良い。

あのカチカチ斜面で転倒すればまさに滑り台を滑っているようなもので命取りである。

P1080363 岩の間を縫っての登り下りだが、滑落すれば岩に激突は必至。

山スキーは今回のように滑落や雪崩のリスクが高い。

ゲレンデスキーの延長ではなく完全な冬山登山という意識でやらなければならない。