長い実も・・・

イヌガラシ［犬芥子］（アブラナ科）
道端の草むらでは、イヌガラシも黄色い花をつけていました。
まだ蕾も多いですが、既に細長い長角果も見られます。よく似たスカシタゴボウは果実は短く短角果です。

アブラナ科の花は4弁花、十字に咲きます。
雄蕊は6個で、そのうち4個が直立します。これを四強雄蕊と言って、アブラナ科の特徴の一つだそうです。この写真ではよく分かりませんね。
イヌガラシは子房上位、花被片の付け根より上に子房が見られます。受粉すると細長く生長するようです。
イヌガラシの花、小さな花ですが魅力的です。

2014年のスカシタゴボウ

５月上旬　横浜市内にて

黄色い花咲く・・・

オオジシバリ［大地縛り］（キク科）
林から流れ出た小川の脇で、オオジシバリも黄色い花を咲かせていました。
タンポポと同じように、舌状花だけからなる頭花をつけますが、疎らな感じがしますね。
当然、白い冠毛を付けた果実の姿もタンポポよりも寂しい感じです。
でも、柔らかな感じの葉の色とこの黄色い花の組み合わせは、春から夏へ移り行く季節も感じられるでしょう。
珍しくもない花ですが、心惹かれる花でもあります。

５月上旬　横浜市内にて

恋の季節か・・・

ニホンカワトンボ（カワトンボ科）
先日載せたアブラハヤの棲む川では、トンボの姿もよく見られます。
この日はニホンカワトンボと出会ったのです。
右が雄で左が雌、キショウブの葉の上で懸命に雄がアピールをしているようでした。
雌は警戒しているのかどうかわかりませんが、頭を低くして雄と向き合います。両者の距離は一定以上に詰まることはありませんでした。

時折吹く風で葉が揺れると、トンボたちは一瞬飛び立ちすぐに葉にとまります。
雌は少し距離を置き、お尻を雄に向けてしまいます。
しばらくこう着状態が続きますが、風に揺られて飛び立つ動作を何度か繰り返していました。

違う葉に止まった雌を追いかけるように雄も同じ葉にとまります。
ここにいるぞ、と言わんばかりに雌の目の前にとまる雄。いい加減見飽きてしまってその場を離れました。
この後どうなったことでしょうね。

2012年のニホンカワトンボ

５月上旬　横浜市内にて

大した根性・・・

クサノオウ[瘡の王]（ケシ科）
コンクリートの壁の隙間から生えているクサノオウ、今年もまた花を咲かせていました。
ここで初めて出会ったのは8年前、こんな所から生えていて、相変わらずの根性ものです。
以前にも載せましたが、クサノオウにはアルカロイドの一種、Chelidonine（ケリドニン）やProtopine（プロトピン）、Berberine（ベルベリン）、Sanguinarine（サンギナリン）等が含まれる有毒植物です。皮膚病に外用することはありますが、決して口にしてはいけない物なので注意が必要です。
こうして見ているだけならば害はないので、触らずにそっとしておきましょう。

2008年の花

５月上旬　横浜市内にて

清き水か・・・

アブラハヤ[油鮠](コイ科)

青森～岡山の河川の上流～中流域に生息します。体長13～15cm程で食性は雑食性だそうです。
神奈川県レッドデータブック2006web版では、準絶滅危惧種に分類されています。
いつも歩く林縁を流れる川で、珍しく魚影を認めました。静かに立ち止まってみると、流れの淀みに結構な数の姿を見ることができました。
昔は普通に見られた魚のようですが、生息域の谷戸などの減少により生息数も減少しているようです。
多分アブラハヤでいいと思うのですが、確信はいつものようにありません。
この場所は、この川のほぼ源流域ですので、綺麗な流れだと思われます。
この環境がいつまでも残ることを望みます。

５月上旬　横浜市内にて