オーストリアでは、「新月に伐った木は虫がつかないし、長持ちする良質な材ができる」と言われています。
そして、オーストリアのエルヴィン・トーマ氏という方が「新月伐採」を紹介し、日本でも実践する方が増え、NPO法人新月の木国際協会が起ち上げられたり、「新月の木」と商品の差別化を図られたりしています。
一般的な木の伐採時期は、木の成長が緩やかになった秋から冬が適しており、中でも”11月~12月の頃の下弦の月から新月までの1週間の期間に伐採された木”は、「最高の新月の木」だそうです。
そもそも、「新月伐採木」とは、どういう木をいうのか?
①冬期(10月~翌年1月31日まで)に伐採
②新月期(下弦~新月の間)に伐採
③葉枯らしを4ヶ月以上
(だったと思います・・・。他にもあったら、ゴメンナサイ)
人によっては、「葉枯らしすれば、良質な材ができる」という方もいると思います。
個人的にも、一番のポイントは「伐倒木に枝葉をつけたまま、山で枯らす」ところだと思います。
枝葉を付けたままにすることで、材の水分が抜け、疑似的に心材化されることで抗菌物質が生成され、腐れにくい・虫やカビがつきにくい木材になると思います。
でわ、なぜ、新月なのか?・・・科学的なことは解明されていないようです。
ただ、満月に伐採した杭と新月に伐採した杭を地中に打ち込んで、2年間放置したところ、満月の杭がシロアリにやられ、新月の杭は無事だったという事例もあるそうです。
あと、考えられるのは「重力」・・・かな
満潮にも関係すると言われているし、満月よりも新月の方が潮汐力が強いとか言われているし、出産も満月や新月に多いというし・・・ちょっと、強引な考えですが
ちなみに”NPO法人新月の木国際協会”では、「新月伐採木」を証明・認証するシステムがあるようです。
※詳しくは協会のホームページへ http://shingetunoki.com/main-index.html
さて、新月伐採の効果は謎多きですが、「商品の差別化を図る」ことは大切だと思います。
これから新築住宅着工戸数が減少すると中で、新たな木材の需要先として1つは「企業」が考えられます。
そして、「企業が求める木材」は「環境に配慮して伐採された木材」ではないかと思います。
それを証明するためには、FSCやSGECといった認証制度があります。
木材は様々なルートを通じて、消費者の手元に届けられるわけですが、「環境に配慮して伐採された木材」を証明するためには、認証制度を活用するしかありません。
個人的に、認証制度は木材の付加価値を高めるツールではなく、優先的に購入してもらえる営業ツールではないかと考えています。
認証を取得すれば、「うちの木材を買うて」という営業が有利にできると思います。
また、一般の方にも「うちの山は認証されてます」と誇れ、観光や教育面でも優先的に選定されるのでは?
木材需要の先細りが予測される中、認証制度を取得し、早いうちに購入先を確保することも、これからの林業経営には必要ではないかな~と思います。
そういう意味では、新月伐採木も計画的に伐採されたことを証明するシステムを取っているようです。
企業を相手に木材を販売するには、数多ある認証制度を組み合わせた独特の営業方法を展開することも重要ではないのか・・・と、今日もそんな妄想を抱いています。