皆伐した伐採跡地に隣接するヒノキは、しばらくすると枯れる。なんてことは良くあります
突然、日当たりが良くなったため、強い光にストレスを感じたり、土壌が乾燥したりと、環境の変化が原因で枯れているのだと思います。
もちろん、林縁のヒノキ全てが枯れているというわけではありませんが・・・。
ある日、植栽地とヒノキ林の境を歩いていると・・・
樹皮が剥がれ、虫が穿孔した痕が多数あるヒノキに出会いました。
かなり高い(約3m)ところから樹皮が剥がれており、獣による外傷でもなく、周囲の伐採で受けたわけでもなく、原因は分かりませんが、とにかく酷く剥皮していました
完全に枯死していると思い、梢端部を見てみると・・・
生きてた
ここまで剥皮し、虫害に穿孔されても、まだ生きている
この生命力に驚き
さらに、枝が、光環境が悪い林内ではなく、光環境の良い林縁に向かって成長しているぅ。
このヒノキの生命力にちょっと、感動
このように樹皮が剥がれると、「養分が行き届かなくなるから枯れる」、「樹皮が剥がれ、形成層が死んだから枯れる。」という風に思われるかもしれませんが、剥皮によって枯れる原因は、「辺材が乾燥するから枯れる」です。
辺材は水分を運ぶという役割を持っており、樹皮が剥がれることで、辺材が乾燥し、その役割を十分に発揮できなくなり、枯れてしまいます。
なので、樹皮が剥がれても、辺材が乾燥しなければ、残された健全な樹皮(正確には形成層)が、剥がれた部分を修復しようとします。
しかし、ここのヒノキは、植栽地に隣接し、日も当たる、のに、生きている
ということは、あれだけの樹皮が剥がれても、わずかに生き残った辺材部分が水分を運んでいると・・・。
実に、立派な生命力をもったヒノキです。
挿し木したら、生命力の強いヒノキになるんかな?