3回目になる今回は、備長炭原木の搬出技術「野猿(つるべ)」について。
スギやヒノキの搬出で言う架線集材ですが、動力不要のシンプルな構造になっています。
使用するワイヤーの直径は2ミリ程度で、主索が2本あり、その上に搬器がそれぞれ乗っており、2台の搬器は別のワイヤー(直径は1ミリ程度だったり、それぞれらしいです)で繋がっています。
図にするとこんな感じ。(たぶん、合ってると思います・・・)
先柱は、鳥居のような櫓を組み立てて、ガイライン(控索)を設けています。
ちなみに、真ん中のホイールに付いている棒がブレーキ。
そして、何と言っても面白いのが元柱の仕組み。
この板に搬器が当たると、搬器に乗せられた原木が自動的に落ちます。
左下写真に注目。左端に「止め具」から突き出した金具が、上写真の板にあたると、右下写真のように「止め具」が解除され、原木が降ろされるという仕組みになっています。
流れは、以下の通り。
先柱から原木を乗せて、降ろします。
元柱で搬器の止め具が解除され、原木が自動的に落とされます。
一方の搬器を降ろすと、もう一方の搬器が昇ってきます。
なので、下に降りたり、上に登ったり、人が行き来する必要はありません。
また、原木も自動で落ちるので、荷降ろしの人もいりません。
当然、これも択伐林で十分に活用できる搬出技術の1つです。
と、文章で書いてもイメージが掴みにくいので、こちらも動画をご覧ください。
見所は、「搬器が行き来する瞬間」と「原木が自動的に降ろされる瞬間」です。