スーザン・ボイルをあらためてよく見る

2009年04月23日 08時55分25秒 | エンタメのかけら

先週話題になった、
スーザン・ボイルの映像を、
あらためて見直してみた。

あの映像の爽快感は、
会場に満ちていた見下した空気が、
彼女が歌い出した途端に、
一気に反転するところだ。

そのためには、
歌い出すまでの、
冷ややかな空気は、
なるべく濃厚な方がいい。

そこの作り方がうまい。

審査員が冷笑しているのは、
そういう役どころだからだろうが、
「将来の夢?」と聞かれた彼女が「プロの歌手になるところです」
と答えた後にワンカット、客席の女性の顔がインサートされるが、
その露骨に「ありえない」といった表情が、
いい感じに効いている。

あれが日本の番組ならば、
そもそも観客はあそこまで露骨な表情しないだろうし、
たとえそんな観客がいたとしても、
ちょっと使いづらいと躊躇するところだろう。

しかし、会場を包んでいたあの見下した空気は、
彼女のパンチの効いた容姿と年齢だけが理由なのだろうか。

以前、聞いた話だが、
イギリスには今なお階級社会が現存し、
そのあたりをネタにしたコメディもある。

ここからは想像だが、
彼女の見た目は、ある階級の典型的な姿だったのではないか。

あるいは、彼女が住んでいる
「ウエストロージン州・ブラックバーン」
という土地も気になるところだ。

今度、イギリスやスコットランドの事情に詳しい知人に、
そのあたり聞いてみようと思う。