ある仕事で原発を観に行った。
北海道・積丹半島にあるほくでん・泊発電所。
正確にいうと、この泊原発の位置関係を確かめに行ったのだ。
行って驚いた。
周囲から原発そのものはまったく見えないのだ。
原発は日本海にへそのように突き出した岬の先端の窪んだ部分にある。
だから岬の付け根を走る国道からは見えないし、
近くに高い場所もないため上から見ることもできない。
原発に至る道は堀株海水浴場脇から入っていく道と、
国道から直接入る2本の道だけ。
もちろん、入口には警備員がいる。
周囲の目から隠れた場所に作られているのは、
やはり外部からの侵入などを含む「万が一」を考えてなのだろうか。
泊原発の全容は、
近くにある「ほくでん原子力PRセンター・とまりん館」で知ることができたが、
せっかくきた以上、
この目で実物を見てみたかった。
国道を行ったり来たりして、
堀株川河口あたりに海岸へ続く道を見つけた。
荒地の中を行く未舗装の道路だ。
しばらく走ると目の前に日本海が開けた。
そしてその先に泊原発が見えた。
おそらくここが泊原発のベストビューポイントではないか。
ちなみにその崖下の浜は、
地元サーファーたちの人気スポットだという。
昨日も大勢のサーファーたちが波を待っていた。
波の上を滑るサーファーたちの向こうに見える原発。
それは不思議な光景だった。