経費節減の折、
バイク便の使用が制限され、
資料の類をADが持ってくる、
というケースが増えている。
実は番組スタッフが家に来るのはいいなんとなく嫌で、
同じことを言っている放送作家は多いが、
番組制作費が削られている中、
ぜいたくは言えまい。
それはさておき。
先日も編集上がりのVTRをADが届けに来た。
僕は留守にしていたので、
ポストに投函してもらう手はずになっていた。
途中一度、住所を確認する電話があった。
我が家があるのは「世田谷の迷路」の中なのだ。
それでもその後、連絡がなかったので、
無事届けられたと思い、夜更けに帰宅すると、
ポストの中は空。届いていない。
急いで電話をする。
「まだテープ届いてないんだけど」
「ちゃんとポストに入れましたよ」
「でも、入ってないんだよ」
「入れました。なんか会社の名前が書いてあるポストに」
「会社の名前なんて書いてないよ。自宅なんだから」
「2つ並んでるポストですよね」
「いや、ウチのポストはひとつだよ」
間違ってよその家のポストに入れてしまったようだ。
一刻も早くVTRが手元に欲しかったので、
再度バイク便で送ってもらえるよう頼んだ。
一時間後。
ADから電話がきた。
「今、テープを回収して届けに来たんですけど、どこですか」
外に出ると二軒隣の家の前に、
電話をかけてきたADと彼女を車に乗せてきたAD、
2人のADがいた。
バイク便の費用を節約するのはいいが、
そのためにADを2人稼動させるのはどうなんだろう。
そう思いながらテープを受け取ると、
「バイク便も送ったみたいなんで、後で着くと思います」
2時間後、バイク便がやってきた。
同じVTRを持って。
いろいろと間違っていると思う。