すっぴんの酒

2011年11月20日 21時55分59秒 | 旅のかけら

秋田の大曲に行ってきた。

『刈穂』という酒の酒蔵を見学するためである。

いろいろと興味深い話を聞いたり作業を見せてもらったが、
その中の一つに「蔵付きの酵母」による酒造りの話があった。

通常、日本酒を造る際は、
仕込みの段階で酵母を入れる。

しかしそれをしないのだ。
あくまで蔵の中にいる酵母が増えるのを待つのだ。

目に見えない連中が相手だ。
かなりの博打な気がする。

リスクを犯してまでそんな試みをするのは、
蔵本来の酒の味を求めてだという。

たしかに蔵が始まった明治初期には、
酵母を入れるなんてことはなかった。
酒が酵母によって作られているは知らなかったのだから。

こうして作る蔵付きの酵母で作った酒を「蔵の素顔」と言っていた。

わかる気がする。

それはいわば「すっぴんの酒」である。