中華鍋を振るって炒飯を作るのは、
なかなかの重労働だ。
でも、まだまだ大丈夫。
街の中華料理屋の店主はそう思っていた。
「炒飯ください」
ランチタイム。
炒飯の注文だ。
早速、支度を始めると、
「大盛りにして下さい」
炒飯大盛り。
大丈夫。
大盛りになったぐらいでは、影響はないはずだ。
すると、次の客が、
「炒飯、大盛りで」
都合、二人前の大盛り炒飯を同時に作ることになった。
「すごい顔して作っていたよ」
と語ってくれたのは、
最初に大盛り炒飯を頼んだ男だ。
「あの顔見たら、大盛りにしなきゃよかったと思ったよ」
この大盛り炒飯が関係あるかどうかはわからないが、
翌日、その店は臨時休業したのだった。