楽屋を訪ねる

2012年10月02日 07時45分35秒 | 業界のかけら

仕事柄、芝居を見終えた後に楽屋を訪ねることがよくある。

この時、出演者になんと言っていいのか、いつも困ってしまう。

古い知り合いならばまだいいが、
仕事がらみで知り合った方の舞台の時は、
本当に困ってしまうのだ。

手短になんと言えばいいのか。

その正解はいまでもわからないのだが、
先日、親しい役者から「これは言わない方がいい」という言葉をいくつか教えてもらった。

「いい役でしたね」
僕はよく言ってしまうのだけど、これはよくないそうだ。
役者の演技を褒めているのではなく、
戯曲上の人物造形を褒められているように感じるからだという。
要は「私じゃなくて、作家を褒めてるだけじゃん!」
ということである。

そういうつもりで言っているわけじゃないんだけど・・・。
でも、そう取られてしまうのであれば、避けた方がいいだろう。

「熱演でしたね」
これも言われても嬉しくない言葉の1つだそうだ。
理由は忘れてしまったが、なんとなくわかる気もする。

とりあえず上記の二つは避けることを心がけ、
楽屋を訪ねて、短く印象的な言葉を残しさっと去っていく、
そういう人に私はなりたい。