数日前、すごい雷雨があった。
落雷の影響で、世田谷区内も停電になったほどだ。
我が家のミニチュア・シュナウザーは雷に弱い。
遠くに雷の音が聴こえてきた頃から、
仕事部屋にやってきて、僕の足元から離れようとしない。
触れると、体がかすかに震えている。
そんなに怖いのか。
やがて雨と雷が近づいてきた。
稲光と雷鳴。
次々と落雷している。
すると足元でうずくまっていた犬が起き上がり、
椅子に座る僕の膝に登ってこようとし始めた。
普段は抱き上げようとすると唸って拒むほど嫌がるのに、
自分から膝に乗って来ようとするとは。
どれだけ怖いんだと思うと同時に、
だから主人の膝に乗ろうとする、
その時、犬の中でどんなふうに感情が動いたのかと思うと、
なんとも不思議な気持ちになった。
僕たちが思っている以上に、
犬の心の動きというのは複雑なものなのではないか。
そんなふうに思う出来事だったのだ。