代々木上原駅の下りホームで、
千代田線から直通の準急を待っていた。
準急の前に、
代々木上原止まりで回送になる千代田線が一本来ると、
アナウンスが流れる。
さらに電車が入ってくるのに先立って、
駅員が並ぶ人の前を走りながら、
「次の電車は回送電車です。ご乗車にはなれません」
と告げていった。
間違える人が多いのだろう。
電車が到着し、乗客が降りていく。
すると僕の目の前に立っていた、
OL風の女性とスーツ姿の男性、
どちらも二十代と思しき二人が、
何の迷いもなく誰もいなくなった電車に乗り込んでいった。
え?
乗り込んでからしばしの間があって、
二人は自分たちの誤りに気づいたようで、
電車から降りてきた。
その姿を見て、彼らがが過ちを犯した理由がわかった。
ヘッドフォンで音楽を聴いていたのだ。
あれだけ念入りに注意されていたのに、
スタスタと電車に乗り込んでいく姿はマヌケだったなあ。