タバコを吸わないので、
ライターなどで火をつける機会がめったにない。
火をつけるのは、
秋と春のお彼岸、そしてお盆、
墓参りの時だけだ。
その時は、
ライターではなくマッチを使う。
もう十数年前になるが、
下馬の一人で住むにはやや広すぎる部屋に引っ越した時、
なぜかお香を焚いてみようと思ったのだ。
そう話すと、
古い知人が「必要でしょ」と引越し祝い代わりにくれたのが、
パイプ印のマッチだった。
かなりの量だった。
お香を焚くのにはすぐに飽きてしまい、
大量のマッチが手元に残った。
それを今でも使い続けている。
年に多くて7~8本。
このペースだと僕が死ぬまでに使い切れそうにない。
僕が死んで火葬する時の最初の火は、
このマッチでつけてもらおうか。