大学職員から聞いた話。
今年4月、
4年ぶりにサークル活動の新入生勧誘が
自由に行えるようになった。
しかし勧誘する上級生たちは、
こんな戸惑いを見せたという。
「自分たちのサークルに興味のある者を勧誘することはできる。
でも、興味のない者を勧誘するにはどうしたらいいのだ?」
現在の上級生たちがみな、
勧誘活動が厳しく制限される中、
自ら望んで入った者ばかりだからである。
興味のない者にどうしたら興味をもってもらえるのか。
そもそも興味のない人間を勧誘する必要があるのか、
そう思った者もいるかもしれない。
だが、強引な勧誘が新入生にとっては時には、
新しい世界への越境をもたらしてくれる。
事実、僕もそうだった。
そして越境者の存在は、
集団が存続していくためには大切だ。
新型コロナ禍の影響は、
こんな場所にも出ている。