山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

小値賀島 カワハギ漁と豊穣の海

2008-11-03 | 
土曜日にNHKで「トビウオ街道をゆく」を、昨日は「ダーウィンが来た」でトビウオをやってました。
トビウオなんて気にもとめていなかった(というかあまりなじみがない)魚ですが、いるところには大漁にいるらしく、網でざくざく獲っていました。あのように無数の魚が海の中に泳いでいるなんて、考えてみればスゴイことで、普段その光景に接することがないからますます、海の底力を感じます。
あのような魚の数の前では、人間なんてふっとびます。
まるで獲っても獲ってもとれるという感じですが、どうやらそうではないらしいと最近では言われているようです。

それにしても、海は、放っておいても魚を生産してくれるのだから、そんなすごいことはありません。

地面だって放っておけば植物を生産してくれる場所です。とりわけ熱帯雨林や日本では。
それが自然というものであり、本来自然は豊穣で、人間なんかが壊そうにも簡単には壊れない偉大なものであったはずです。
それを壊しかけている人間は、バケモノです……

というわけで、九州平戸諸島の小値賀島の朝、カワハギ漁から帰ってきた父ちゃん母ちゃんと息子らしき若者でした。
巻き網っていうのでしょうか、長~~い網で獲っているのですが、網から魚をはずす手間は気が遠くなりそうです。

小値賀島 海に向かって干すかんころ

2008-11-02 | 
さつまいもも、海に向かってほしています。
下は水です。
正確には、海に面した河口です。

これは2005年ですが、さつまいもを干すために、こんな竹のすだれをみんな手作りしていると聞いて、驚いたものです。
竹ってエライ! し、それを当然のように作る山里の人もエライ! と感じた瞬間でした。

小値賀島柳集落 かんころの季節

2008-11-02 | 
いきなりですが、日本です。
スラウェシ島で竹すだれに干された魚を見ていたら、どうしたって小値賀島のさつまいも干しがありありとよみがえってしまったのでした。

九州の西の北の方、五島列島のすぐ北、平戸諸島に小値賀島(おぢかじま)はあります。
五島からこのあたりは「かんころ」つまりさつまいもが産物です。昔はお米ではなくさつまいもを主食としていたとこのとです。
お米を毎日食べるようになった今でも、大量のさつまいもを盛大に干して保存する習慣が残っています。そんなにさつまいもを食べないのに、この仕事をまだまだみんなやめないのです。人間って、ほんと不思議なものです。
さつまいもを干さないと、年が暮れていかないのでしょう。
ちょうど今の季節です。

さつまいもを粉にして練って作ったおもちはかんころ餅といわれています。

現代になって日本人がものすごく失ってしまったのは食品の保存技術です。
冷蔵庫ができたせいです。
塩漬けも、乾物も、必要なくなりました。
たくさんあると冷凍して保存するので、「おすそわけ」もしなくなりました。

食品保存は人間の生死を分ける技術であります。
風や太陽や凍る寒さという自然のエネルギーを利用して、保存するのですから、
保存された食品の中にはエネルギーがいっぱい詰まっているという理屈になります。

こんな保存食品はどんどん失われていきますが、もっと見直さないと。てか、おいしいんですから。ふかしたさつまいもより、干し芋のほうがおいしいし、生魚の塩焼きより干物のほうがはるかにおいしいと私的には思います。

スラウェシ島 湖畔の水上ハウスで魚を干す Sulawesi

2008-11-02 | インドネシア
インドネシア・スラウェシ島センカンには広大な湖があります。湖というより、湿地帯です。
そこには水に浮かんだ家があります。雨期と乾期で岸辺が前進したり交代したりするので、それにあわせて家を移動させ、漁をしています。
家の床や壁は竹でできていて、竹テラスの上で魚を干して干物をつくり、出荷するそうです。

この地方には元来竹がないので、山岳地域から竹のいかだを組んでその上に人が乗って竹を運んできて、ここで売るのだそうです。

そんな話がものすごく面白く感じられたのでした。