上写真、アサツキ。
まず初めに、ネギ科という科はありません。あしからず。(*注:後述)
みんなユリ科ですが(*注:後述)、
ユリ科の中からネギ的なものたち(アリウムの仲間)を分離したほうがいいという考えもあるようです。
分けると何か不都合があるだろうか……、としばし考えてみるも、何も不都合は思い当りません。
ネギの仲間たちと、ササユリやチゴユリたちと、連続的に似ているということもないし、サルトリイバラやシオデと似ているということもない。サルトリイバラやシオデがササユリと同じユリ科っていうのも、大きな心で受け入れ過ぎではという気がしないでもない。
やっぱりネギの仲間たちは独立してもらったほうが、その存在が際だって人の注目も浴びやすくなるので、ネギたちにとってはいいことかもしれない。
しかしその場合、名前は何になるのだろう。ネギ科なのかニラ科なのかニンニク科なのかラッキョウ科なのかヒル科なのか。たたかいが起こるかもしれない。ヒトモジ科っていうのはどうだろう。
そもそも野生のネギはないと思うので、ネギ科や玉葱科は却下だろう。
注:ネギ科はない……と昔は言っていたのですが、
最近主流の分類(APG体系)ではネギ科を立てています(2017年6月追記)
と思ったら、2009年からのAPGⅢ分類では、ヒガンバナ科に組み込まれ、ネギ亜科になっていました(2019年5月追記)
のはずだったのだけど、今読んでいる本ではAPGⅢ分類ではヒガンバナ科ネギ属だそうな。一体何が何なんだか。(2020年5月追記)
とにかくネギ属ということで。
とんでもなく前置きが長くなった。今日はここで終わりそうな勢いだけど
もう少し頑張って、一気にアサツキとラッキョウの特徴を羅列しささっと終わらせよう。
上の写真は、アサツキ。
数日前、起き抜けに畑に行き、ラッキョウとアサツキの前に座り込んでさんざん悩んだ結果は下の通り。
★アサツキ
今の時期(正確には2週間ぐらい前が一番わかりやすい)、株になって、細い茎がまっすぐ上を向いて群立っている。若い葉は少し黄色の強い緑。古い葉は白青がかった緑。
葉は円筒形で、陵がない(角がない)。のだけど、上の写真で分かるように、たまに陵のある葉が混じるのでややこしい。
★ラッキョウ
この時期、葉が弧を描いて少し垂れる。白青がかった色。葉に陵がある! 要するに、角がある。断面が三角形である! って発見したが、そんなことはとっくに図鑑に書いてありましたよ。この三角形の角は、かなりゆるい角度。やわらかい三角形とでもいうのか。
下の写真、ラッキョウ
そして、匂いも味も大差ない。
アサツキにもたまに陵のある葉があるので、陵のあるなしなんて決定打にならない……。
と悩んで観察した結果、突然発見したこと↓
★アサツキ
引っ張ると、地下3センチぐらいのところから抜けてくる!
★ラッキョウ
引っ張ると、地際で切れる。ちなみに地際は紫色がかっている。
↑これはアサツキ。白いところが3㎝ぐらある。
これは判り易い特徴です。決定打!
地面がやわらかいと、アサツキはラッキョウ型をした球根部分から抜けてきます↓
アサツキ
さて。アサツキとラッキョウは分かったけれど、こうなるとラッキョウとノビルはどう違うのかということになる。ノビルをみればすぐノビルと分かるのだけど、口で説明してみろと言われると自信がなくなる。
と思っていたら、1週間ほど前、うちのすぐ近所にノビルの群生地を見付けたのでした。
おかげで昨日はノビルをたくさん食べました。
っていうオチで終わりそうでしたが真面目にやりますと、
★ノビル
葉が地面から10センチぐらいまっすぐ上に立ち上がった後、弧を描いて葉先が地面に着くほど横に流れています。
一見して、野原や畦にバラバラ生えている、という印象。これ大事。で、立ち上がったところから葉が左右に何枚もだんだんと出ています。これが大きな特徴。
そして、葉にはっきりした陵がある。鋭角な陵です。葉が平べったいという感じに近いほど、断面がひしゃげた三角形になっている。
その点で、ニンニクに似ています。
引っ張ると、地下数センチのところで切れます。とある本に、引っ張ると球根(鱗茎)が抜けてくると書いてありましたが、抜けて来ません。それを書いた人はよほどやわらかいところのもので運がよかったのでしょう。葉を引っ張ると鱗茎が地面に取り残されるので損した気になります。そして鱗茎は結構奥深くに入っているので、しっかり深くまでスコップを入れないと、鱗茎が真っ二つになったりします。
だんだんノビルを食べる話になってきました。
*土がやわらかいと、鱗茎もうまく抜けてくることが分かりました。うちの近所のその地面が堅すぎるということ(後日記)
下の3枚、ノビル。
で、味のことですが
★アサツキ
葉を刻まずにそのまま(ゆでて)食べるとすじすじしている。あまりおいしくない。
一般には刻んで赤味噌の汁なんかに入れる。
★ラッキョウ
葉を食べた覚えがないので知らないが多分アサツキ同様。
普通は鱗茎を食べるもの。
★ノビル
葉をゆでて食べると甘くてやわらかくておいしい。
鱗茎は普通生で食べる。ピリッと辛い大人の味。居酒屋では結構高い。
葉と鱗茎と両方食べられるえらいやつ。
↑酒の肴のノビルと、ノビルのぐるぐる。
この話題はまだ続くかもしれません。
ひともじとバワンメラの問題も残っていますし。
3月下旬のアサツキ。地面に貼り付いた真っ白な死体と、若い緑色の新しい葉。
アサツキは12月頃地上部が真っ白になった後、春までに消えます。
ラッキョウは冬も青白い緑色のまま元気に葉を立てて生きています。
(岐阜県の中山間地域の場合)
*夏から秋のラッキョウとアサツキについて
成長しきった葉はかなり色が違い、ラッキョウは青みがかっています。
*ラッキョウ・アサツキ・ノビル・ひともじ等 アリウム科に関する記事
佐渡のアサツキ花畑の風景
■おまけ(YouTube)2021/10/29
秋の道端 鮮やかなヤマラッキョウの花と、とりまきの野菊たち
#wildflower #countryside #田舎道 撮影 Japan 中部地方太平洋側山地帯 10月中旬 20211018 Tha...
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