山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

Sulawesi スラウェシ島センカンの水上生活の家

2008-08-30 | めぐる季節と自然
今回の雨も東海豪雨と呼ばれるらしい。日本中が豪雨に覆われ、各地で洪水が発生、特に岡崎市の被害はひどかった。2000年の東海豪雨後河川改修を行った天白川では被害がなかったとのこと。
災害に遭われた人はほんとうに気の毒だし大変だと思う。
家の中のすべてのものがダメになってしまうのだから。そして家自体も。
わが身におきかえると、自宅はともかく、事務所のモノがすべて水浸しになったらどんなことになるのか! ぞっとする。
28日から29日にかけて、そして今もまだ雨が降っている。

28日から大台ケ原に行く予定だったのを断念。25日から調査に入っている高田先生の一行に遅れて合流するはずだった。しかし、大雨の中、一人で初めての登山道を4時間も歩いて山頂に向かうなどというアホなことはしていられない。先発隊と電話連絡がとれず、それはそれで大変な心配をかけた。
いずれにしてもこの日ひどい頭痛だったので、まだなぐさめられたというもの。

朝出かけるとき、三重県地方では警報が出るくらいの雨が降りそうとテレビが言っていた。だから行くのをやめたのだが、結果的には全体的に三重県よりも愛知県の方がひどい雨になった。

まったく、7月にスラウェシにいたときも大雨が降り続き、目的地に行く途中の道路が土砂崩れで通行止めになり、バスが止まっている、という事態に遭遇した。それだけでなく川が決壊し、あたりが洪水になっているということだった。バス会社はバスが足止めになる場所から船で乗客を渡すということを始めた。なかなか気が利いていると感心したが、船が転覆しないか心配だったのも事実である。
現地の人たちがそんな「大災害」に遭っているところをのんきに「観光旅行」などしてはいけないのではないか、という気分に襲われ、そのほかの事情もあって、結局そこには行かなかった。
しかしながら、この国あるいは島の人々は「洪水」なるものと非常に親しいところで暮らしていることを後になって知った。

続きは次回。


写真は、スラウェシ島センカンの湖の岸辺の水上生活の集落。これは災害による洪水のようすではありません。

Tana Toraja ヤシ砂糖

2008-08-29 | 植物利用
ヤシから作った砂糖です。
山登りをするとき、ヤシ砂糖だけ持っていく、と言っていた現地人がいました。ヤシ砂糖さえあれば水もなくてもいいそうです。
ヤシ酒をつくるヤシ樹液を煮詰めるとヤシ砂糖になるということ。

NPO設立総会をしました

2008-08-25 | なんとなく報告
2003年からなんとなくやってきました山里文化研究所も、ついに重い腰を上げNPOにすることになり、設立総会を行いました。

日ごろからお世話になり、指導していただいたり、一緒に歩んでくださった、大好きな人たち10人にお集まりいただき、濃~~い設立総会となりました。うちの大切なスタッフのショーコさんとアイさんにも来てもらいました。

細々とやってきましたが、すばらしい皆さんにご支援いただき、今後もともに歩んでくださることとなったのは、感無量であり、感謝してもし足りないものです。


皆様今後もよろしくお願いいたします。

防水カメラを買いました

2008-08-23 | なんとなく報告
防水・耐衝撃・防塵コンパクトデジカメを買いました。
スラウェシ島でリコーのカメラを壊してしまったので。
旅行傷害保険で2万円ぐらいは出るのではないかと予想しているのだけれど、保険をかけたお金は1万円以上しています。
カメラは落とした拍子に一緒に入れていた水のパックが壊れたという「落下&水ぬれ」です。
防水・耐衝撃ならどちらにも耐えられそうです。
写真を撮るのに雨の日っていうのはとても多いものだから、便利そうです。

本日はビッグイベントがあります。

メールソフト不調

2008-08-21 | なんとなく報告
私のメールを受け取っていない、という事故が頻発しています。
変に思われる方は連絡ください。
受け取るほうは問題がないようです。

こういうのって、メールアドレスとかプロバイダーに依存する事故なんでしょうか。
それともメールソフトのせいなのでしょうか。

ヤシ酒 つづき

2008-08-20 | 植物利用
昨日の記事の続きです。
このヤシは、ほうきを作るヤシです。下の方の葉はほうきのためもあり、ヤシ酒採取のためもあり、高いところまで切り取られなくなっていました。ずいぶん高いところまで、竹に穴をあけてつくった階段というかはしごというかを使ってするすると登っていきます。

花房を切り取ったところからしたたる液を採ってそのままおいておくと、空気中の酵母をつかまえるのか、1日でお酒になってしまうそうです。後で本で読んだところでは、竹筒の中に木の皮が入れてあるそうですが、説明してくれた人からはその話はなかった気がします。

この様子を見た次の日、なぜ長い竹筒を樋として使って地上で採取しないのか気になってたまらなくなり、ガイドのたまり場まで聞きに行ったところ、
「そんなことをしたら簡単に酒が盗まれるだろー、ガハハハハ」だそうです。
なるほど……たしかに……、でもそんなもんなんですかねぇ。

いずれにしても、スラウェシではビールは高いけれどヤシ酒は比較的安くて、ヤシ酒好きの人はいいなぁと思いました。おかげで私はほぼ1カ月禁酒しました。

ヤシ酒

2008-08-19 | 植物利用
高いヤシの木の上でヤシ酒を採っているところです。
1日2回、朝と夜、竹筒にたまったヤシ酒を回収します。
ヤシ酒は1日でできてしまいます。

新しいヤシ酒は比較的飲みやすいですが、ちょっと古いのは酸っぱくて
慣れるのにかなり時間がかかりそうでした。
一口でやめました。

ヤシかご団子

2008-08-15 | 植物利用
ヤシの葉を編んで蒸した食べ物。
実は中身は未確認です。この食べ物と一緒にあった、細長い形の方を食べてしまったので。そちらは、米の粉らしきものに薄い塩味をつけて練って蒸したものでした。
中身を食べるよりも、編んでみたかった。

このヤシかご団子は、あとから本で読んだところによると、ヤシでんぷんを使っているとか。
どっちにしても、食べてた人はあまり多くなかった。

この写真はデンパサール(バリ島)の空港で撮ったけど、スラウェシのパロポという街ののターミナルの食堂街でも見かけました。
トラジャでは見なかった。

ヤシ屋根 Tana Toraja

2008-08-13 | 植物利用
なんだかかすんだ写真ですが、これはヤシでふいた屋根を裏から(下から)見たところ。
屋根材にするヤシは海辺でしかとれない、トラジャには生えていないそうです。

この屋根は、まずヤシの葉を、細長いひも(これもヤシの葉を裂いてできているように見えた)でぬいとめて、長細い板状に組みます。畳をたて半分にしたようなサイズです。そのヤシパネルは、市場で売っています。
それを買って帰って、屋根をふくのです。

ボネというところに向う途中に、ヤシ屋根づくりの村がありました。
どの家でもみんな女の人たちがヤシ屋根を作ってました。

タナトラジャの市場でも盛大にヤシ屋根を売っていました。
トラジャではお葬式のたびに、ゲストを迎える建物を作り、そのために屋根材が要るから、需要が多いだろうと思います。

こういう屋根なら、地震で家が倒れても、死なないですむだろうなぁ、と
インドネシアの家を見るたび、地震のことばかり考えていました。

サゴヤシ学会

2008-08-13 | 植物利用
ネットで「ヤシ」で検索してみたら、おおなんと、サゴヤシ学会なんてのがあるのですね。
何でも学会あるんだ……
  もちろん棚田学会もある。
ヤシでんぷんのこと発表してる人もいる。
学会誌を入手して読んでみたいですよ!

国際サゴヤシシンポジウムなんてもの筑波でやっていた。
20人ぐらいの参加者のうち、インドネシア人は1人だった。
旅費高いんだからインドネシアでやってあげたっていいのに……

インドネシアはサゴヤシの本場みたいです。

ところで、このブログで「植物利用」カテゴリーにはいっている40件ぐらいを改めてみてみたら、おおなんと、7、8割が食べる話でした。
そんなつもりは全然なかったのですが、
植物利用のこと頑張ってるはずが、実は書いてはない。
いけません、以後心して取り組みます。

雨、ほうきヤシ Tana Toraja

2008-08-11 | 植物利用
今夜もまた雨。

7月のタナ・トラジャでは、一般に乾季だというのに、全く日本の梅雨と同じように毎日シトシトと雨が降り、その頃日本では、梅雨だというのに全く降らず、毎日暑くて、知らない間に梅雨が明けていたとか。

要するに、私が雨雲と共に移動しているというか、
雨雲を連れて歩いているのだと
言われてしまった。

それで結構です、ハイ。雨が好きですから。
おかげで涼しいし。
とはいっても蒸し暑い。

近頃は自宅の近くでも、毎日のようにクマゼミが鳴いて
温暖化を耳から感じます。


写真は、ほうきを作るヤシの葉。
ふちがひらひら波打っているのが特徴です。
インドネシア スラウェシ島 Tana Toraja で。

夕立ちと、コーヒー Tana Toraja

2008-08-08 | なんとなく報告
ここのところ毎日夕方から雨が降り、涼しくなる。
昨晩は窓を閉めなければ寝られなかった。
雷が来るので、ときどきPCの電源が落ちてしまうし
局地的に雷の通り道らしい私の自宅&事務所では、
電化製品のコンセントを抜かなければならないこともちょくちょくある。

7月の終わりには本当に暑かったけれど、今はかなり助かる。
それにしても、この湿度は、すごい。
ヒグラシがあまり鳴かなくなって、
代わりにツクツクボーシとバッタ系の虫の音がする。
いつの間にか立秋が過ぎ
サルスベリの盛りが来た。
間もなくタカサゴユリ、そしてすぐにユウガギクなんかが咲き出すのだろうか。


タナ・トラジャをネットで検索していたら、日本人も結構書いていますね……
サイトがたくさんありました。
お墓の頭蓋骨を手にとって顔のよこに掲げ
ニコニコしながら写真撮っているヤカラというのは
一体どういう神経なのだろう。
感受性がないのか……
はっきりいってそういう日本人とは友だちになりたくない。
でもきっとトラジャ人は気にしていないだろう。
観光でもうかればうれしいのだから。
そうやって大切なものがときどき壊れても、
お金のために感覚が麻痺していくのでしょうねぇ。

まるでバリのリゾートに行ったみたいな華麗な旅をしている人もいて、
(その人の泊まったホテルは7000円ぐらい、私のは1000円)
それは私の体験したトラジャとはまったく違う景色と空気のように感じたりする。
そういう味わい方もあるのかと感心した。

とにかく、トラジャで買ってきたコーヒーがもうすぐなくなりそうで
惜しみながら飲んでいる。
おいしいと感じたのは旅のせいかとおもったけれど
日本に持ち帰ったら、さらにひっくり返るくらいおいしかった。
多分日本では紙フィルターで濾して飲んでいるからだろう。

元々トラジャコーヒーは大好きだったけれど
こうまでおいしいとは知らなかった。
地元の人の行く市場で買ったものだけど。

カフェオレにしている。すると、
コンビニに行くたびつい買ってしまうというほとんど中毒的に大好きな
マウントレーニアのカフェオレと良く似た味がして
これもまたびっくり、そしてうれしい。

なくなったら、どうしよう。
トラジャに買いにいくのが理想ですが
誰かに送ってもらおうか……
ネットで見たら100グラム840円
現地では65円。


Sulawesi , Sengkan  湖のヤシ

2008-08-07 | 植物利用
インドネシア スラウェシ島
センカンというところにある湖のヤシです。
この湖はとても浅いため、雨季と乾季で岸辺が大きく前進・後退します。
この水中ヤシは乾季には完全に地上に現れるとのことですが、7月には多分1メートルぐらい水没していました。しかし何の問題もなく育つようです。
水際に近い幹には鮮やかなピンク色の貝の卵がたくさんついていました。

このヤシで作ったヤシ砂糖は最も甘いと地元のガイドが言っていました。

Tana Toraja  ヤシスターチのヤシの葉包み

2008-08-07 | 植物利用
インドネシア スラウェシ島・タナトラジャの市場で
ヤシの葉で包んだヤシスターチです。
ストラップは竹です。

なんともまあ、かっこいいものです。

竹ストラップはいたるところで使われるものです。
モウソウチクよりも太い竹で
裂いたものですが、裂き目の縦筋が滑り止めの役割を果たすこともあって、意外にしっかり縛れるのです。

tana Toraja  サゴヤシ

2008-08-05 | 植物利用
ヤシのことを書いていた昨日、奇しくも岐阜新聞で「サゴヤシ」の有用性が大きな記事になっていました。

本日坂折棚田に行き、直さんの家を久しぶりにごあいさつに訪ねたところ
インドネシアはどうだったんだ、との話になり
直さんが新聞記事を見せてくれた。
ヤシの幹がデンプン源として、それ以外の部分も、屋根材やら、さまざまなものに利用できるため大変注目されていると。

インドネシアの市場では「ヤシスターチ」(ヤシでんぷん。ヤシで作った片栗粉のようなもの)が売られています。
これを料理のとろみ付けにしたり、団子にして日本でいうすいとんみたいに汁物に入れたりして食べます。
毎日食べるようなものでもなく、週に2、3回そのような料理に出会うのだとガイドは言っていました。

ヤシスターチの作り方は、幹を粉砕して水に入れ沈殿させて集めるという、要は子どもの頃理科の実験でじゃがいもでんぷんを取ったのと同じ方法です。
「幹を粉砕?」と少々わが耳を疑ったのですが、新聞にもそのように書いてありました。

このヤシスターチは、レンガ状に固められていたり、ヤシの葉にくるまれて売られていました。

ちなみに、写真のヤシスターチが「サゴヤシ」のものなのかどうかは私には分かりません。
いろいろな種類のヤシから、ヤシ酒、ヤシ砂糖が作れると聞いたので、多分ヤシスターチもそうなのでしょう。