10日ほど前、表面がピンク色になっていた豆乳ヨーグルトは、そのまま暖かいところに置きっ放しにしていたら赤カビが生えてきたので捨ててしまった。捨てながら、捨てるのは表面だけでよかったと後悔。下の方はしっかりしていたのだ。
ピンク色の部分は赤カビの若いものかとそのとき思ったけれど、今は他人であると思っている。
色は同系色だけれど、姿が全然違う。
ピンクの部分は無味無臭、無害で、つるつるすべすべしている。
それでまた新しい豆乳ヨーグルトを買ってきて、それを種に仕込んだところ
1回目でもう上の方がピンクがかっている。
これを私は「ももいろ娘」と呼ぶことにした。
きれいな優しい色だ。
ももいろ娘を丁寧に取って(そこは食べて)、また豆乳を入れて仕込んだ。
かたまりかけてすぐに冷蔵庫に入れたり、いろいろ苦心したのだけど、
どうしても、何度やってもほのかにももいろになる。
ももいろの下の部分は、真っ白ではなく少し黄色い、いわばバニラ色でかなり酸味がある。乳酸菌がいっぱいいるに違いない。
もともと真っ白(ややアイボリー)だったものが、ももいろとバニラ色に分かれてしまうという行動を取っているようだ。
思うにこれは、「春のももいろ祭り」である。
空気中でそのような仕業をするものがこの季節に現れてきて、豆乳を見るや、すぐにももいろ祭りを始めてしまうのである。(仮説)
もともと日本では乳酸菌といえばぬかみそ漬けであったり、木曽のすんき漬けであったり、味噌だったり
いろいろ食文化の中にはあるのだが、ヨーグルトというのは聞かない。
ただし、奈良時代だか平安時代だかには、チーズ様のものを作っていたという記録はあるにはある。
日本の菌環境では、ヨーグルトのための乳酸菌を長く育てることはできないのではないか。(仮説)
と・こ・ろ・が。
友人の母が、30年もヨーグルトを育てていることが判明。おお、灯台もと暗し。
母は日本人なのかと聞いたら、正真正銘の日本人でありブルガリア生まれとかではないそうだ。
やればできるのである。
私だって、どうしたってこのももいろ娘に退散していただいて、真っ白なヨーグルトを作りたい。
それでまた別のヨーグルトを買いに行った。今度は牛乳ヨーグルト。
そこで、ヨーグルト業界ってすごく発展していることに驚く。
各社が実にいろいろな乳酸菌を研究して、各社独自の乳酸菌でヨーグルトを作り発売している。
ここ数年、乳製品を極力避けている関係で、ヨーグルトなどまず買わなかったから知らなかったのだ。
思わずカスピ海ヨーグルトを買いそうになったが、パッケージに「家庭でヨーグルトを作る際の種菌にはなりません」などと憎たらしいことが書いてあった。本当かどうかは知らない。やりようによってはできるに違いない。
で、とりあえず、明治の1073R-1乳酸菌というのを買ってきてやってみた。菌は牛乳由来の乳酸菌だけど、入れるのは豆乳だ。
お昼に仕込んで、陽の当たる場所に置いておいたら、夕方4時頃には早くも固まっていた。
で。
乳酸菌は嫌気菌だということを思い出した。だから空気にあまり触れないように、小さい瓶に入れていっぱいまで豆乳を入れて育てることにした。
今はその小さい瓶(びん)が、遮光のために大きい瓶(かめ)の中に入っている。
どうなることやら。
写真/岐阜県飛騨地方・山ノ村の寒干し大根づくり 2009年2月
もう春だから仕方ないのではないでしょうか。
とはいえ、ヨーグルト自作は素晴らしい。ぜひ豆腐のような真っ白のヨーグルトを目指してください。
報告、楽しみにしています。
5月ごろ、カスピ海ヨーグルトを買って挑戦したんですが、うまくいきませんでした。
ヨーグルトって、微妙な何かに左右されますね。