山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

これではいけない午前4時

2007-07-26 | めぐる季節と自然
4時10分です。もうすぐヒグラシが鳴き始めます。
こんな時間までぐずぐずと仕事をしている。
最近ますますその日ぐらしな私。
これではあまり山里っぽくないではないか。
今日はもう始まっている。

4時25分に始まる

2007-07-24 | めぐる季節と自然
ヒグラシが鳴き始めると、4時25分です。
日が短くなるに従い、この時間もだんだん遅れてくるでしょう。
日曜日に梅雨が明けたようです。
真夏になりましたが、比較的すごしやすい日が続いています。

先週は火曜日にまたドクガにやられました。
頭の上から全身に毒毛を浴びたようで、今までで一番ひどいものでした。
これまでの反省が生かされず、全く無防備でした。
長袖Tシャツでチャノキの間を歩き回ってはいけないということです。

コケと針葉樹の実生

2007-07-13 | 山里

なんともまあ、きれいではありませんか。コケの中に、今年芽を出したらしい、ウラジロモミのようです。なんだかとても快適そうです。

こんなに小さな芽が、やがて大きな木になるなんて。しかも誰もえさをあげないのに。太陽と水の力です。どちらも自然に、ただで得られる資源です。当たり前すぎて、誰も資源だと思っていないものです。最近はレタスも日光ではなくて発光ダイオードの光で育てたりしているらしい。

そして、こんな芽も、ほとんどすべてが生長しないで終わります。自然とはそういうふうにできています。

切り株とコケと好相性のウスギヨウラク

2007-07-13 | めぐる季節と自然

木祖村の奥にある水木沢という国有林です。コケ天国がたくさんありました。
いろいろな種類のコケが一緒に暮らしていました。
思いがけず迷い込んだ別世界、それはコケの天国、てな感じで、
よその国に行ったかのようでした。

みずみずしく、うるおっています。

切り株にコケがつくと、そこには水がたっぷり含まれるので、種子たちは大喜びです。水だけでなく、ペーハーや菌類との関係など、さまざまな要因で、このコケのベッドが大好きな植物たちがいます。
ウスギヨウラク(ツツジ科)はその代表選手のようでした。土の上なんて下々のものの暮らすところよ、といいたげでした。森の中には見事な盆栽状ウスギヨウラクがたくさんありました。

ウスギヨウラクは、クリーム色で品のある釣鐘型の花を5月ごろぶら下げます。私の大好きな木の花です。

ブナ人形

2007-07-13 | めぐる季節と自然

先日行った木曽の山で、ブナ人形を発見。友人のキコリンが好きそうなので記念撮影してきました。

ブナ人形なんて誰も呼んではいないけど、仲間内で土人形と呼ばれるものがあります。丸いヒノキの実の入れ物の下だけ土が流出せずに残って照る照る坊主の形になったもので、林床に落ち葉がなくて貧しい状況になっている場合にできます。
このヒノキの実の代わりに、ブナの葉がその役割をしていました。ブナの落ち葉の下だけ、土が残っているのでした。

岩が風化しやすく土が流出しやすい崖っぷちでした。近い過去に山腹崩壊が起こったところでした。

雑木林の音、田んぼの音

2007-07-13 | 山里
カラスが鳴いている。
昨夕のヒグラシの後、カエルが大声で鳴き出し、夜中には雨の音がしていた。
夜が明けて、またヒグラシがかすかに鳴き、スズメ、そしてカラス。

今週2度目の徹夜をしてしまった。
昨年までと比べて思いっきりヒマなこのごろであったが
ヒマしていたツケが回ってきて……
しかしながらそれなりに、納得の作品が出来た気がして
少しうれしい(喜ぶのはきっとまだ全然早い)
なんせ、どっかりした仕事は夜にならないと始める気がしないから。

事務所は田んぼに近く、雑木林からは少し離れている。
自宅は雑木林に囲まれていて、田んぼからは少し離れている。
その距離は200mぐらいか。
わずかな違いだけれども、聞こえてくる音が違う。
都会の人からしたら、みんな同じに聞こえてしまう程度の
微妙な差かもしれないが、
真っ先に聞こえるのがホオジロではなくスズメであると、
気分はずいぶん違う。

スズメが聞こえるとなんだか庶民的な気分になるわ。
てか、庶民なんですけど。気分は山の人だから。

そういえば、ホトトギスがいつの間にかいなくなった。
今年はどういうわけか長逗留していた。
例年なら1週間ほどの滞在で、北へと旅立ってしまうのだけど、
今年は1カ月以上いた気がする。
毎日毎日、空をあっちにいったりこっちにいったりしながら
ほとんど叫んでいた。

今年はカッコウも何度か聞いた。

遠くでコノハズクのようなキョッキョッキョッという声が聞こえて
ひとときドキドキ緊張したが、
犬だった……
まぎらわしい鳴き方はしないように!

このごろコジュケイもいつも以上にハッスルして
アッチイケヨ、アッチイケヨ、とけたたましい。
※チョットコイ、と言っているのだと子どもの頃父から教えられたが、それは名古屋のコジュケイだけであろう。
昨日うちの庭を散歩していた。
あの人たちは人を恐れず散歩する。うちの庭はいい散歩場所らしい。
いつも家族仲良くしている。昨日は夫婦と雛2羽だった。
鳴かなければ大変かわいい。
父親も子育てに参加する鳥である。
木の上に棲まない鳥は、子ども時代に散歩をするのか。
木の上に棲んでいるヒナと比べると、ずいぶん楽しい子ども時代を送っていると思う。

どんなに忙しくとも、自由の身でありますので
本日しばし休ませていただき、
また夜まで、山積する仕事をこなす予定である。

ヒグラシが遠い……

2007-07-12 | 山里
雨がほぼやんで、ヒグラシが鳴いている。
自宅では耳の横で聞こえるヒグラシも、事務所からはちょっと遠くて淋しい。
早起きして自宅で聞けばいいのですね。
ヒグラシは、日が沈むころからと、日が昇る1時間ぐらい前から鳴き始める。
今なら5時前から。

愛知県の東大演習林で聞いたというのは、瀬戸の演習林。沢の横の道を歩いていたら、昼でもしきりに聞こえてきた。ほかのセミよりも湿り気のあるところにいるような気がする。

ヒグラシを聞くと夏の終わりを感じる、という人が多いことに驚く。
こちらでは6月終わりか7月初めから鳴くから、盛夏の始まりを告げる音である。
最初のセミ。
次がニイニイゼミで、次がアブラゼミ。そしてツクツクボウシ。
2年前からクマゼミもわずかに聞く。ミンミンゼミは昨年から。

今日はお昼前に大雨洪水警報が出て、市内の小学校が続々と子どもたちを帰宅させていた。危なすぎ! 何で警報が出ているとき外に出すんだろう。よく分からない。

今はカエルは鳴いていない。

かなかなとヒグラシ、しきしきと虫の声、そして雨

2007-07-10 | めぐる季節と自然
7/7の土曜日あたりから、ヒグラシがかなかなと鳴き始めました。
同時に、シキシキシキシキ、と虫も鳴き始めました。何という虫なのでしょう。
これから晩秋にかけ、いろいろな虫が変わりばんこに鳴きます。
名前は分からなくても、無意識に声を聞き分けています。そして、それによって季節を感じています。
シキシキシキ、は7月の音です。

12年ぐらい前に雑木林に包まれた今の家に来て初めての夏が来たとき、その小さな家を「かなかな山荘」と名づけました。毎夕毎朝、ひぐらしが実にうつくしく鳴き、その声を聞くと夏の幸せを感じるのです。
どことなく物悲しい幸せなのですが。
私が初めてヒグラシの声をうつくしいと意識して聴いたのは、東大愛知演習林で今から25年前のことでした。

山里はうつくしい音に満ちています。風が林のこずえをさわさわと揺らす5月の音や、小鳥のさえずり、蛙の合唱など。

今は雨の音がしています。そんなに急いで行かないで、と語りかけているように聞こえる。あるいは、さがしものをさがすのも、ひと休みしたらと。そして静かに問いかけなさい、けれども問いかけるのもやめなさいといっているように。
雨の音もまた、うつくしいものです。

自然の音は都会では得られない資源であります。

あと10日ぐらいすると梅雨も明けてしまう。その日が来るのはあまりうれしくありません。
ギラギラした太陽は強すぎ明るすぎ何も隠してくれませんが、雨はうんとやさしいのです。

アズマヒキガエル

2007-07-06 | めぐる季節と自然

先日載せた「ヒキガエルの赤ちゃん」は、アズマヒキガエルだそうです。
一緒に行った小林さんが、茶臼山のカエル博物館の館長さんに問い合わせてくれました。

誤解のないように言っておくと、ヒキガエルの赤ちゃんがアズマヒキガエルなわけではなくて、「アズマヒキガエルの若いの」です。

またドクガ

2007-07-05 | めぐる季節と自然
今年最初にドクガにやられた1週間後、また攻撃されました。
ちょうど最初のがすっかりきれいに治って、意外に早く治るもんだと喜んでいたところでした。
ネットで調べるとどこにも2~3週間苦しむと書いてあるのですがそれほどでもありません。

しかし2回目は1回目よりひどくなって、翌日は熱まで出ました。
夜はかゆくて眠られず、もうろうとしながら患部を冷やしていると、われながら、熱を出した病人が、かゆくて大変な病人を手当てしている、という二重の人格みたいなものが感じられ、変でした。

しかしながら、1回目の2割がけぐらいの遅いスピードで、そこそこ治ってきています。
ドクガはアレルギーなので、2回目、3回目とだんだんひどくなっていくということで、恐ろしい!
ドクガは7月はちょっと小康状態になるようですが、今年はほんと、怖いです。

というわけで、今年よく実った梅の実をこわくて採ることができずにいたら、知り合いの人が自分で開発し特許までとった「梅採り器」を持参して採ってくれました。

ドクガに汚染された衣服は捨てるしかないと書いてあるものもありましたが、洗濯機で2度洗いしたら大丈夫でした。

刺されて一番ひどくなるのは、私の場合は蚊です。ブヨやハチは腫れますが意外にきれいに治ります。スズメバチには刺されたことはありません。今後もそういう体験はしなくていいと思います。

なので常に山では蚊取り線香を携行していますが、先日黒井沢では、私の周りだけ異様に小さな虫が飛び回ってました。香水とか厚化粧もしてないんだけど。蚊取り線香って蚊にしか効かないのか? 理屈では除虫菊の成分と同じものを化学的に作っているはずで、その除虫菊成分とはあらゆる昆虫を麻痺させてしまうもののはずなんだけど。ちなみに蚊取り線香をほかの人に持ってもらったら、虫はやっぱり私に寄ってきた。念のためにいっておくと、前の晩飲みすぎてお酒のにおいをさせてたとかではありません。言っておかないとそう思う人が多そうだから。

私は虫を寄せ付けるフェロモンを出しているんだろうか? てことは私は虫なんだろうか。そういうものはできれば出したくないと思います。

ひとりぼっちのホウネンエビ

2007-07-05 | めぐる季節と自然
可動式ミニ水田(つまりプラスティック容器に土入れてお米が植えてある)にホウネンエビが1匹います。

もともとつかまえてきたカブトエビとホウネンエビを住まわせていたのですが、どちらも水道水が気に入らなかったのか家が気に入らなかったのかそれとも寿命だったのか移動途中で弱ったのか、すぐに他界してしまいました。

その後10日ぐらいしてホウネンエビが現れた。
田んぼの土をもらってきて入れてあるのだけど、土の中に卵があったのだろうか。

元気よく泳ぎ回っていますが、いかんせん、1匹しかいないのでかわいそうです。申し訳ない気がします。たわむれる相手を連れてきてあげたい。と思いながら見ていますが、勢いよく脚みたいなものをバタバタさせているホウネンエビは、そういうふうに思っているのだろうか。それとも「人生こんなもんでしょ、満足」と思っているのだろうか。どうも後者のように思われます。

ほかにもミジンコみたいなものや貝も生まれてよろこんで生きているようです。

バイカツツジは可愛い

2007-07-01 | 植物

 

バイカツツジもたくさんあるのですが、花は少ししか付いていません。でも出会えてうれしい花です。真ん中の赤いところが口紅のようで可愛いのです。

この花は葉の陰で下向きに咲くので、普通の人はなかなか気づかないようです。


恵那山黒井沢で

2007-07-01 | めぐる季節と自然

黒井沢登山口からの登山道は、国有林でもあり、わずかに唐突にヒノキ人工林(やせやせの)がありますが、ほとんど天然林で自然度が高いのです。そのため、シダやコケが多種類あります。私がちょっと数えただけでもコケは15種類ぐらいありました。コケの分かる人が数えればもっと多いと思います。シダも同様。

樹木ではオヒョウがあるのが珍しい。昨年アイヌの女性に話したら驚かれて、「ぜひ樹皮を採りに行きたい」と言われました。案内はするけど、樹皮は採らないでねとお伝えしたところですが、オヒョウがとてもたくさんあります。※オヒョウはアイヌの伝統的な着物を作る材料です。

コハクウンボクの花。木は大きいのに花は少ししかついていません。

コハクウンボクはなぜか中高年女性に人気があります。名前を聞いただけでみなさんうっとりされるようです。

エゴノキの仲間なのでやはり似ていますが、ちょっと品がありますね。


ヒキガエルの赤ちゃん

2007-07-01 | めぐる季節と自然
ヒキガエルの赤ちゃんは、おたまじゃくしです。でも、やっぱり赤ちゃんと呼びたくなってしまうカエル。仲間の一人は、カエルから直接カエルの形で生まれてきたのではないかという大胆な仮説を立てた。

あまりに小さくて最初は虫かと思ってしまった。真っ黒でピカピカ光っていました。それが水たまりのなかにうじゃうじゃいました。
なかなかかわいいヤツです。

ヒキガエルは生まれた池に戻ってきて産卵するそうです。こんな小さな水たまりに大きなヒキガエルがいろいろ戻ってきたら、けっこうややこしいことになります。