山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

森林の話、山里の話、積もる話でいっぱいいっぱい

2009-02-26 | 山里
昨日は、これからスタートする新しい聞き書きプロジェクトの説明会兼キックオフミーティングを名古屋で行った。新しい人が数人加わり、嬉しい限り。
今回はあまり広く募集をかけていないのだが、これだけの人が集まり、聞き書きの魅力が口コミでちょっとずつちょっとずつ広まっているような気がする。
日中は三河湾の島へ、夜は聞き書きミーティング、その後さらに別の打ち合わせ、とまるで売れっ子のようなスケジュールだった(実は全然違う)。

今日気づいたのだけど、名古屋から中野方に行くより日間賀島に行く方が近い感じ……。
いいんだろうか、これで。

今日は岐阜県立森林文化アカデミーの卒論発表会へ。その後、卒業する(予定の)Eちゃんとその友達のNさんと昼食しながら卒論の内容のことで盛り上がっていたら、あっという間に2時になってしまった。

夕方にはYさんと会って、山里文化研究所の未来と新しいプログラムの話をしていて、気がついたら5時間経っていた……
面白すぎて。
とにかく次から次へと魅力的でスゴイ(でも妙な?)プログラムを思いつくので困ってしまう。
とにかく始めるのは、山里ふぁんくらぶのまったりした活動継続と月1定例化、そして山里のこたつプロジェクト(干し柿プロジェクト)。
それとは別に、聞き書き。

やりたいことはどうしてこんなにたくさんあるのだろう。

タナ・トラジャの村の子ども

2009-02-24 | 山里
インドネシアのタナ・トラジャ地方の山の中の村で、超かわいい子どもたち。
石臼でコーヒーを粉にしているおばあちゃんの写真を撮らせてもらっていたら、「撮って撮って~」って感じで大喜びで画角に入ってくれた。
すっごいかわいい目で、私の愛読ブログ「はっちゃん日記」のはっちゃんに勝負を挑んでいる。

タナ・トラジャのコーヒーは、日本でもよく知られていて、日本に輸入されているものはほとんど、トアルコトラジャという会社がプランテーションで生産しているものだが、村では各家庭で小規模にコーヒーを育てていて、出荷したり自家用にしたりしている。出荷するものは豆のままで、コーヒー屋さんがミルでガーーッと挽いているのだが、家庭には動力を使ったミルなどないので、こうやって石臼で搗いて粉にしていることがわかる。

よく日本で言われるのは、手でハンドルを回して挽くタイプのミルは、摩擦熱が生じてコーヒーがまずくなるということ。けれどもトラジャではそんなことは構っていない。
ちなみに、トラジャ語で、搗いて粉にすることをマランブという。コーヒーを搗く、は、マランブ・コピ。
ちなみに背後の石臼では米を搗いている。それは、マランブ・パレ。

米を木の舟に入れ竹の棒で搗いて音を出す行動を音楽化したものを、マランボックといい、最高ランクの貴族のお葬式で遺族の女性たちが演奏する。
すばらしい音楽だった。それは、その貴族がとても豊かで、米を人々に十分にふるまい、人々を養って豊かな村を築いていることを表しているのだという。

石臼でも、木の舟でも、竹の棒で米やコーヒーを搗く音は、遠く村の外にまで響いて、山道を歩いていると、近くに村があることが分かる。ポン、ポン、ポン、という、なんともいえないやわらかないい音である。

白梅も紅梅も

2009-02-24 | 山里
2月上旬から咲き始めた白梅に引き続き、かわいい桃色の梅もその在り処をあらわして山里を彩り始めている。
日に日に暖かく。今朝の雨も春の雨。
飛騨の山奥ではまだ雪だろうかと思ったら、上宝でも今日は雨だったという。

上宝からはるばるやってきた林業クラブの人たちが、中野方の山を見学。上宝9人に中野方8人が出迎え、山主さん同士の交流会となった。
上宝では雪害が重大な課題であることが、皆さんの質問からよくわかった。
こちらは最近独立開業した佐藤林業の佐藤さんと、クライアントの直さんがいろいろ現場で説明。地元のいまえさんなども頑張っていて、中野方の人達の熱くときどき悲しい気持ちは伝わったのではないかと思う。

夜はえなの森林づくり委員会があり、久しぶりに森林に浸った一日であった。

美しい村の家から

2009-02-20 | 山里
前の前の記事のジャワ島の村の、とある古民家の中から外を見ると、強いコントラストで景色が切り取られ、額縁に囲まれたようになっていた。

日本の古民家の中から、5月の終わりの明るい昼に見るシーンに酷似。
なんだかとても懐かしく、ずっと昔からその家のその場に自分が座っていたような気がした。

最近建てられた日本の家に、こういう光景はあるだろうか。

美しい村~日本の里

2009-02-17 | 山里
朝日新聞&森林文化協会によって、日本の里百選が定められた。
その中身を見ると、「おお、これは!」とうれしくなるような、私のお気に入りの里がいくつか入っている! センスいいですっ! とほめてしまう。
私がほめる立場じゃないです。すいません。

100の中で漁村といえるところは20に満たない。それは、漁村にいいところが少ないわけじゃなくて、きっと応募が少ないのだと思う。漁村のみなさんはもっと頑張ってください。

2003年に「山里の美しさに見出し、かかわる」をスローガンに、わが山里文化研究所をやりだした頃は、山里の美しさのことになど言及する人はいなくて、だからこそそれに興味をもつ私と一緒にやりたいといってくれた人もいたわけだけど、
とにかく、美しさを口にすることがどこかはばかられるというか、なんだか遠慮がちだったのだけど、今では多くの人が、景観のことをいうようになった。
急速に来た、という感じである。

山里が美しいのには、理由があるのです。

美しい村~ジャワ島 Bantul

2009-02-17 | 山里
インドネシアというと、なんとなく雑然としていたり、散らかっていたり、というイメージを持っていた(ごめんなさい)。でも、地方にいくと、びっくりするぐらいきれいな集落がある。

インドネシアでは、都市に行けば行くほど汚くなる傾向があり(もちろん都市にもよる)、田舎の村に行けば行くほど美しくなる傾向がある。

ときどき山の中にひょっこり桃源郷のように村があらわれることもある。
日本みたいにどこにもかしこにも立派な道路が通っているということはないから、その村に行くには歩くしかなかったりすることも多くある。

そんなところの村は、整然とした一定の秩序の中にあり、ゴミもほとんど落ちてはいなくて、すがすがしく、しっとり落ち着いて、いかにも暮らしやすそうに見える。
日本のように暑くもなく、もちろん寒くもなくて、楽園なのではないか。

写真は、ジャワ島のジョグジャカルタという大都市の隣のバントゥル市(市なのか?)の中の小さな集落。そんなに田舎ではない。長く続いている集落なのか、木々が生い茂って、その中に碁盤の目状に小径が通り、小さな家々が立ち並ぶ。
大きな道路からはずれているので、車がびゅんびゅん通ることも無く、関係ない人は訪れない。

タナトラジャの乾いた感じの村とは全く違う、しっとりしてこじんまりとまとまっていて、初めてこの村を見たとき、美しくてびっくりした。
いつまでもここにとどまっていたいような居心地のよさだった。

ジョグジャカルタ周辺には、こんな集落がたくさんある。

ジャワ島の台所

2009-02-16 | 山里
前の記事の続き
材料はあっという間にどろどろにつぶされていきました。
これは、その同じ物ではないですが、すでにできていたもの。
トマト的なものがたくさん入っているようです。
これがすべて赤唐辛子だとしたら……、怖い。

ボゴールには、ボゴール植物園という有名な植物園があります。

ジャワ島料理のベース 香辛料材料

2009-02-16 | 山里
前の記事の続き。
おばあちゃんがこれからつぶそうとしている材料です。
紫色のはにんにく。白にんにく(バワン・プティ)と赤にんにく(バワン・メラ)があり、私には皮の色の違いだけに見えてしまいますが。
これだけ入れば辛いに決まってます。

冬がなくても春が来る?

2009-02-15 | 山里
ガソリンスタンドに行って、水道を借りて、車を自分で洗った。考えられないことだが、水遊びをしたくなるぐらい、暖かかった。
2月中旬という一年で一番寒い時期に、水遊びだなんて。今からこの暖かさだと、4月、5月にはどうなるんだろう……と心配になってしまう。
車の中ではギラギラしているし。
でも暑くなりすぎないなら、寒くないのは歓迎。
昨晩はストーブも要らなかった。

今日の道路の温度表示は16度だった。恵那山は4月の終わりのような顔をしている。
今年は冬はあったんだろうか。
いつまでも寒くならないわと思っているうちに、もう春になっていた。
今さら冬にはならないだろう。
黒っぽいセーターももうしまいたくなくなってきた。

夕方、あ~日曜日がおわってしまうんだなぁ、と思った。
会社勤めをしなくなってから、そんなふうに思うことはなかったなぁ。
早、15年以上……
サラリーマンの皆さんは、毎週こんなふうに感じてるんだなぁと、
同情のような、変な気分。

最近前のように忙しくなくなったせいで、土日はお休みモードになっている。とはいっても完全に丸々休んでしまえないところが、私の貧乏性なんだけど。
普通の人のようにお休みがあるのはいいようだが、その分平日は緊張して働かなければならないと思うと、それもなんだか。
毎日休みがいい!
というと、みんなから、あんたは毎日休みでしょう、といわれる(ような気がする)。
実際自営業者というものは、人に雇われていないから、休みと仕事の区別はつかないものである。

写真は、ジャワ島のジョグジャカルタの屋台で、お兄さんがすりつぶしていた唐辛子。チリ、なんだけど、インドネシアにはチリが何種類もある。小さいトマトだと思っているものがチリだったりする。色もいろいろ。
石臼と石棒でつぶすのが普通のよう。さすがにこれは買って帰ろうとは思わなかった。

カレーの素

2009-02-13 | 植物利用
「カレー粉」というものはもともとなくて、いろいろなスパイスを混ぜ合わせたものをそう呼んでいるということは噂には聞いていた。

生姜、胡椒、八角、コリアンダー、ナツメグ、唐辛子、にんにく、ターメリック、という暑い国にありそうな香辛料で、野菜のごった煮に味をつけて食べてみた。ふと気づくと、それはまさにカレーそのものだった。
これらは全部、インドネシアにあったもの(とはいっても、今回使ったのは大部分、行く前から買ってあった大手メーカーのスパイスを消化したのだけど)。
クローブ入れるの忘れた。

ナツメグやクローブやシナモンが熱帯のものとは全然知らなかった。タイムやセージと同様、西洋料理に使うという認識だったから、そっち方面に生えているのかと思っていた。
考えてみれば、タイムやセージはシソ科のハーブだけど、ナツメグやクローブは全然違う姿をしている。

八角はシキミの仲間だから、きっと同じようなクリーム色のきれいな花を咲かせるんだと思うけど、日本の木というイメージを持っているので、それがインドネシアに咲いているところを見てみたい。

写真は、ジャワ島の市場の香辛料屋さん。この市場には香辛料やアロマオイルや植物から作るあやしい健康飲料(ジャムーのことです)のお店が結集していた。

スラウェシ島のかわいい家

2009-02-05 | 山里
立春です。
1月半ばごろから、日差しがキラキラ明るく、春っぽいなぁと思っていた。
毎日朝が白っぽくなる感じです。
いよいよ春なんですね。
アセビのつぼみも膨らんでいます。
本日、坂折の直さんのところの紅梅も、それが紅梅だと分かるくらい、つぼみが色づいていました。

なんだか穴ごもりのような日々でしたが、ようやく車輪がぐるぐる回りだしたようです。

ここ数日、家と事務所の問題で、ぐるぐる回っています。
写真は、スラウェシ島西部の、海から10キロぐらい離れたところの田んぼの横の、かわいい家。ここには数軒のこんなかわいい家が並んでいました。
家と庭との調和が、なんともいえないメルヘンチックな雰囲気をかもしだしているのです。
この家にはドアがないようです。
インドネシアにはドアがない家がよくあります。