山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

花々咲き乱れ

2015-03-31 | 植物

あと数分で3月が終わり、新しい年が始まります。
毎年のことながら、焦る。

学校の前の桜が満開になりました。その桜はいつもほかのよりも1週間ぐらい早く咲きます。
ほかの桜はまだ咲いておらず。

シデコブシも木によって差があり、よその庭にあるこの木はいつも早く咲き、すでに満開近くなっています。


逆光で見るのがきれいです。

うちから歩いて30分ぐらいのところにあるスーパーに、樹々のあいまや田んぼの小径をたどって、買い物に行きます。いやむしろ、散歩の言い訳に買い物するのか。
この1、2週間で、驚くほど一気にいろいろな花が咲き乱れてきました。
これから6月ぐらいまでが一番楽しい季節。



野の花たちの姿はどうしてこんなにリズミカルで整っているのだろうかと、どの花を見ても驚きます。花一つ一つではなく、株や群落としての姿が無駄のない美しさとでもいうのか、とても勝手に生えているとは思えないのです。
そうです、多分、勝手に生えているわけではないから美しいのでしょう。一見勝手なようだけど、それぞれに光の取り合いや土壌中の水分の取り合い、空間の取り合いなど、さまざまな条件に統制されて生育していて、そのルールがあって美が生まれているのではないかと思います。



白いタネツケバナの、同じように上を向いてすっと伸びる姿。群落の丸いまとまり。
そしてその隣の赤紫のホトケノザの花との調和。
こんな雑草をきれいと思うかどうかは人によって違うと思いますが。



ちょっとくすんだ赤紫色のヒメオドリコソウもこの時期まだまだだらけた感じまではいかず、リズムミカルな間隔で生え、合間に見えるオオイヌノフグリの鮮やかな緑が引き立っています。オオイヌノフグリの水色の花が咲いていればまた違うかわいさがあるでしょう。

いちいちその造形に感心しながら歩きます。
道草をくうのではなく、道草を見るのです。


写真/岐阜県中津川市で

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早春の河川堤防の楽しみ方 イネ科の草たち

2015-03-05 | 植物

川原のイネ科の話の続き。

メリケンカルカヤはその名のとおり外来植物で、今では日本中あちこちで見るようになった。
頻繁に草刈りされる畑の法面や道端に多く、秋になるときれいな赤い草紅葉になる。

カルカヤと名のつくものにはメガルカヤやオガルカヤがあり、かつてはたくさんあったのだろうけど、今、あまり出会うことはない。メリケンカルカヤのほうがメガルカヤやオガルカヤより細くやさしい感じがする。
メリケンカルカヤは綿毛もきれいで、ふわふわしている。
草の姿自体はそう悪いものではないが、「外来植物が蔓延している」という一点において、困ったもんだという思いを抱く。



株元の葉は冬にはちりちりした感じで、見るときれいにカールしている。
イネ科の植物で葉がカールしたり裏返ったりするものはよくある。
それは、偶然曲がっちゃったとか裏返っちゃったというのではなく、必ずそうなるというもので、その植物の特徴としてちゃんと図鑑に書いてある。
ウラハグサ(裏葉草)という種は、どの葉もみんな一回裏返った状態ですました顔をしている。よく庭に植えられているし園芸店でも売っている。

メリケンカルカヤは赤い色素が多いのか、紅葉が終わった後の枯葉も赤っぽい。



河川堤防の、赤っぽい薄茶色なのがメリケンカルカヤ。遠くの焦げ茶色っぽいのはヨモギ(キク科)。
手前の少し明るい色のはチガヤ(だと思う)。



メリケンカルカヤの足元でしなだれているのはシナダレスズメガヤ。白髪のよう。
同じイネ科の枯葉でもこんなに色が違う。

写真/矢田川(名古屋市内)で

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イネ科の草の冬姿

2015-03-02 | 植物利用

2日前から花粉症。今日はとくにひどい。よく晴れて、風が強い。
名古屋では風が吹く。昔はそれを普通だと感じていたけど、長く中津川に住んでいると、この風に少し驚く。中津川ではめったに風は吹かない。しかし神戸にいたときは本当に風の強い日がよくあったものだ。
そして名古屋では空が青く澄み、空気が乾いている。この空の青さも名古屋のもの。
スギの木なんて見ないのに、花粉症はしっかりやってくる。どこから飛んでくるのだろう。

河川堤防でノガリヤスのような感じのイネ科の草を発見。最初、よく見るチガヤかなにかだろうと、気にもとめていなかったのだけど、よく見たら穂がチガヤではなかった。
ノガリヤスは涼しげないい草で、ポール・スミザーさんは庭づくりに取り入れている。自生はそんなにざらにあるものでもない。希少というほどでもないけど。この草はノガリヤスだとそのとき思ったのだけど、ノガリヤスは株になる。そして、生育中は直立する。倒れない。この草は株になっていないようだし、倒れかかっているので、違うように思えてきた。
いずれにしても、涼しげできれいな草だと思う。葉の光沢が白く光るのも浅い春が感じられていい。

漢字で書くと野苅安。野のつかない苅安、カリヤスはススキを小型にしたようなもので黄色の染料になる。八丈苅安というのもあり、それはコブナグサの別名でやはり黄色の染料になる。野苅安ももしかして黄色が出る? あるいはカリヤスが野にある感じだからノガリヤス?

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