山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

初盆の極楽鳥

2015-07-31 | めぐる季節と自然

初盆の提灯に、かわいらしい「極楽鳥」が停まっています。
ハトのようです。

極楽鳥といえばニューギニアですが、
こんなところにいるなんて、という感じです。

初盆には白い提灯を飾るところが多いようなのですが、うちはこういう派手なものです。
お盆はカラフルできれいです。
昨日、桃とバナナとメロンを飾りました。



ほかにも回転灯篭があります。秋の七草の繊細な柄の灯篭のほかに、今年は夏椿の柄のが増えました。
光にもすかし柄が入って、それが回るのがとてもきれいで、見飽きません。
お盆の提灯を飾ると嬉しくなります。
お盆の3日だけでなく、もっと前から飾ってもいいそうです。
そのあたり、クリスマスツリーのようです。
そういえば子どもの頃、雛飾りのぼんぼりが、人形よりずっと好きだった。
というか、人形は嫌いだったのですが。

おっさま(和尚さん)は毎年暑いのにちゃんと道行という着物を着て袈裟を着て
お経を上げてくれます。
決してTシャツと短パンなどと省略したりはしません。
今日はおっさまに着ているものをいろいろと説明していただきました。

夕暮れのヒマワリ畑

2015-07-28 | 山里

秋の虫が鳴き出しました。
田んぼのイネも出穂しています。
イネ科の植物たち、イネやメヒシバが出穂を始めると、秋の虫が鳴きはじめます。
その声を聞くと、ちょっとだけ涼しくなった気分がする。

けれど毎日ムシムシします。
梅雨明けのカラリとした感じがありません。
ただ、夜になると窓を開けっ放しでは寒いぐらい。それが救いです。


写真/一昨日の夕焼け エルニーリョ現象の活発な年は夕焼けがきれいだと聞きました

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用水のある集落 鳥取県智頭町那岐

2015-07-27 | 山里

家の前を用水が駆け抜けています。
緩いながらも傾斜地なので、かなり速い流れです。



多分、昔この水を洗濯に使っていたときの名残で
いまもここに洗濯機があります。



別の場所。
ところどころに園芸植物の花が根付いて彩りを添え
家の庭と一体となった景色を作っています。



写真/鳥取県智頭町那岐 2015年7月中旬

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白いドアのある倉

2015-07-26 | 山里

開いた戸の向こう側にグラジオラスが鮮やかに咲いているのに気を取られて
立ち止まって見ていた。
その写真はうまく撮れず。
倉をのぞくと、中は3室に分かれている。
毎日誰かがここで何らかの働きをしている気配がある。



誰か、、、と言っても誰だか知っている。この家と、周りの田んぼ、山、下の小さなハス池など、広い敷地を所有して手入れしている人。確か5代目で、近くから分家してきたと言っていた。
その山や田んぼが、このあたりの美しい風景の何分の一かを作っていて
その人が手入れをやめたら、景色は一変するだろうと思う。
サラリーマンとして働いていたときも、朝5時から田畑や山の手入れをして会社に行っていたという。
あの面積を管理するというのは、とてつもない仕事量だ。



昨日は倉の戸が閉まっていて、初めてそれが洋風のものであることに気づいた。
昔の医院からもらってきて付けた、といった風情の戸。
本当の由来は聞いていない。

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4日後のヒマワリ

2015-07-25 | めぐる季節と自然

蒸し暑い日でした。梅雨明けらしいギラギラの暑さではありません。
相変わらずホトトギスが啼いています。
そして今日は恵那峡の花火でした。1時間も続いていました。

夕暮れ時、ヒグラシの声がカナカナとしきりに聞こえる中、田んぼの中の道を歩きます。
ヒマワリは、わずか4日で花びらが大部分消えて、頭をうなだれていたのです。
もう少し花保ちがするものだと思っていたので、驚きました。



昨日に続き、今日も夕焼け。
昨日はうろこのような細かい雲が輝いていましたが、今日はうっすらと固まった雲です。
本当はこんな色ではありません。もっと明るいのです。
笠置山はいつ見ても穏やかで美しい線を描いています。



道ばたのアラゲハンゴンソウ。ここを通るといつも写真を撮りたくなります。
白いヒメジョオンが、花束のカスミ草のように、取り巻いています。



昨日の小屋も夕焼けに照らされていました。
日に日に、日が短くなっています。

農家の小屋の前、花々とバショウが彩る

2015-07-24 | 山里

うちの裏の丘の上の、農家の作業小屋らしき建物。小屋というには大きい。
そこへ入る場所に、花々が植えられ、バショウがいい感じで風になびいていた。

このあたりでは、たまに庭先にバショウがあっても、なんだか浮いてしまって、加えてヨレヨレしていたりするけれど、ここではとても見事に屋敷を彩っている。

岐阜県中津川市にて。2015年7月下旬。

家の前の用水と付き合う

2015-07-23 | 山里

朝、強い雨。梅雨明けはどこへ行っちゃったのか。
そして、キチキチキチと、モズが啼いた。モズは秋の訪れを告げる鳥。
やがて、けたたましいコジュケイ。
遠くで啼くキジバトの声は穏やかだ。雨上がりや曇った日によく聞くと思う。


鳥取県智頭町那岐。



家の前まで流れて来た用水を使うために、どこの家にも、少し広い場所が作ってあります。
ここで野菜を洗ったり、農機具を洗ったりしたということです。かめのこたわしが似合います。
昔はこの水も飲めたのです。
用水は一時期かなり汚れましたが、下水道が完備して、最近はまたきれいになっているということ。



石の上に緑色のへびが鎌首もたげているように
っていう気持ちなのか、きゅうり。



向こう側の石の上には砥石が置いてあります。
今も用水を利用しているところでは、必ず砥石が置いてあります。
刃物や農機具を研ぐためです。


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ヒマワリ

2015-07-22 | めぐる季節と自然

梅雨が明けたと思ったら、また雨です。
じめじめ、むしむししますが、雨の音が強くなったり弱くなったりするのを聞くのは心安らぎます。

雨の音を聞くといつも思う。
世の中にはきれいな花やきれいな色があるように
心地いい音、心安らぐ音があって
そういうものがこの世に創造されていて、それを感じることができることに感謝するのです。

昨日のヒマワリ。
ヒマワリは日のあるほうを向いて回るって、ウソですね。
どの花も日に背を向けています。
久しぶりに行った家の裏の丘のほう。休耕田にたくさん植えられていました。

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川と隣り合わせの暮らし

2015-07-21 | 山里

空が青く、雲が白く、恵那山は深緑、田んぼは鮮やかな緑、
ひまわりは黄色く、ノウゼンカズラはオレンジ色。
すれ違う軽トラは真っ白です。
遠くの高峰山に、雲が黒々とした影を落としています。

夏休みです。
大人になったら夏休みじゃないけど、7月21日はやっぱり、夏休みの始まる輝かしい日です。
今日は陽射しは強いけれど風があって、いい夏の日でした。

早朝にはいまだホトトギスが啼いています。
ヒグラシは遠くに聞こえます。


写真、鳥取県智頭町那岐・栃本。

山から下れ落ちる川の横に通りがあって家が立ち並んでいます。
川は用水でもあり、かつては人々が生活用水や飲料水として利用していたものです。
川へ降りていく階段があります。




川べりの流し台。川の水を使わず水道になった今も、この位置に流し台があって、昔からここが洗い場であったことをうかがわせます。
そして反対側の家の壁に、お風呂のボイラー。
この家の人に確かめたわけではないですが、
昔は川の水をお風呂に使っていたので、水の得やすい場所にお風呂場があります。
お湯が熱くなり過ぎたときも、窓から水を入れるのに便利なのです。




石垣は何段にも複雑に重ねられています。
写真の向こう岸の石垣の下の方に、用水が走っています。
用水の水は半分が下の川に落ち、半分はまっすぐに石垣の中を通って向こう側に抜けています。

ここからちょっと下ったところの家に泊まりました。
そこでは今は2軒が共同で山の奥から水を引いて使っているそうです。
とてもおいしくて、大雨のときも濁ることがないということです。

水路のあるむら

2015-07-20 | 山里

昨日から、ネムの花が二度目の満開です。
梅雨が明けて、空が青く、田畑や花々の色のコントラストも強く、子どもの頃の「夏休み」の景色。
これから来る暑さのことを考えないようにすれば、こんな夏らしい気分も楽しもうと思えます。


鳥取県智頭町はたいていどこでも、集落の中に用水がめぐらされています。
沢水を引いたものですが、田んぼに流すだけでなく、家々の前まで引いてあり、ときにはそれが屋敷の中の池に入っています。
山間地で、沢水を自分の家に個人的に引いてきて池を造っているのはよく見ますが、集落全体でみんなが同じような形でそうしているのが智頭町です。
とくに早野という集落ではたくさん見られました。
岡山県の新庄村でも同じようなものを見ました。

その写真はおいおい掲載しようと思います。

この家は、倉の板壁の前に花が咲いているのが楚々とした風情。
下の端の写真で切れている部分に水が流れていますが、石垣から飛び出したブロックが2枚見えます。
このように、用水にさしかけて物を置く台らしきものを造っているのがときどき見られました。



鳥取県智頭町那岐・早野(2015年7月)

5段のはざ

2015-07-19 | 山里

5段のはざ(稲架)が常設してありました。
はざは、稲や雑穀などを刈り取った後に干すためのものです。
このはざは、稲はざにしては段と段の間隔が割合狭いように感じます。

私の住んでいる中津川・恵那地方では、はざは1段です。
土地の狭いところ、急傾斜地で、段数の多いはざを見ますが、
ここの田んぼは結構ひろびろしているのに、5段もあるはざです。
中国地方の田んぼでは、1段ではなく段数の多いはざをよく見ます。

段数の多いはざを田んぼの端に作って常設しておくという手もあるということでしょうか。
1段のはざは稲刈りのたびに田んぼの真ん中に立てるのですから。

このはざは、横に渡してあるまっすぐな木が杉、左手前の斜めになっているのがクリのように見えます。
ここは智頭杉の産地です。


鳥取県智頭町那岐・早野(わさの)にて 2015年7月

田んぼへ続く橋

2015-07-17 | 山里

山から下る川は岸を石で固められて真っ直ぐになった。
おそらくは川底が掘られて大雨でもあふれなくなっただろう。

田んぼの中を真っ直ぐにつっきって行く川に
いくつもの木の橋が架かっていた。
どれも朽ちて、通行止めを示すロープが張ってあった。
圃場整備して、軽トラで行き来するようになり、橋を歩く人もいなくなって、
補修するまでもなくなってしまったのだろう。

鳥取県智頭町那岐・わさの(2015年7月)


那岐の里の小さな畑

2015-07-14 | 山里のおばあちゃん

もう梅雨は明けたんだと思います。
真夏の強烈な日差しがやってきました。

鳥取県智頭町那岐で、おばあちゃんの花畑をいくつも見ました。
畑が小さなブロックに分けられていて、赤いグラジオラスや白いダリアや、黄色いハンゴンソウの仲間や、やがて咲くピンクのコスモスなどを植え、合間に豆やらきゅうりやらがちょこっと植えてあります。

きっと小さな人が作っているに違いないと思える小さな畑が
とてもかわいらしいのです。

こんな山里風景、いつまで続くでしょうか。

小説『蔵』の舞台 タイルのある浴室

2015-07-09 | 山里

200年前に建てられた新潟県関川村の豪農、渡邉家の浴室。
浴槽はなかったけれど、床のあちこちにタイルを散りばめてあるのが見られた。
全面に貼り込まなかったのは、タイルが高かったからだろうか。
むしろ洒落ている。

母屋の建物は1817年築ということだが、この浴室がいつ建てられたか、あるいは改装などをされたかは分からない。明治以降だろうと思う。
普通の農民には、床を張った浴室などなかっただろうから、当時ではとても贅沢で、この家に住んだお嬢様たちを喜ばせただろうと思う。

渡邉家は宮尾登美子の小説『蔵』の舞台になったところで、
わたしにとってはむしろ松たか子が主演したドラマの舞台であり、以前から興味を持っていた場所だった。
もう15年位前の作品だと思うが、松たか子の魅力が圧倒的で、忘れられなかった。先日再放送していて、再度見た。盲目で、賢く、一途で、しかも美しい娘の役に、松たか子はぴったりだったし、見事に娘の人物像を浮き彫りにしていた。その幼少期を井上真央が演じていたのには驚いた。
このドラマの主人公は松たか子のように思っていたが、よく見てみると、その叔母である壇ふみの一生が最も大きなモチーフとなって描かれていた。