山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

今が旬。キイチゴ刈りは放棄別荘地が狙い目。見つけ方・見分け方

2021-05-31 | 植物利用

今朝のキイチゴは甘くておいしかった。

キイチゴ(モミジイチゴ)は日当たりのいい場所にある。林縁、林の横の道端、宅地として開発されたけど10年ぐらい放置されて草むらになっているようなところにある。わりと人間がアプローチしやすい場所。つまり、見つけやすい。山の奥深くの薄暗いようなところにはない。

キイチゴはこんな道端にある

(モミジイチゴ)Rubus palmatus

アスファルトの横など、乾いたところにある。アスファルトの横は夏も照り返しがあって、植物の地上部もかなり乾燥するだろうと思う。とにかく暑くて熱いところで自信満々で生きている。

イチゴと呼ばれるものは日当たりのいいところに生えるものが多い。フユイチゴなんかは森の中の暗湿ったところにも多く生えているが、あまりに日照が少ないところでは実もあまりついていない。

 

モミジイチゴ以外の日本の野生イチゴはみんなほぼ赤色なんだけどこれだけがオレンジ色。

そもそもキイチゴは、広い意味では木に生るイチゴということだろうが、狭い意味ではこのモミジイチゴを指す。オレンジ色のこういうベリーが生るものは日本ではほかにはなく(今のところ図鑑には載っていない)、酷似した植物はないので、「間違えたらどうしよう。毒だったらどうしよう」などと心配する必要はない。パッと見でこういうオレンジの実はモミジイチゴである。

 

 

葉がモミジ(カエデ)のように分裂するのでモミジイチゴと名付けられたと思うが、葉の幅が細くて分裂しないものもあって、ナガバモミジイチゴと呼ばれる。食べるという目的なら、同じだと思ってよい。

葉の下にぶら下がっているオレンジの宝石みたいな実を、そっと指でつまんで、そっと引っ張ると、ポロっと取れる。あくまで、そっと。

中に虫がいないかよく見て、そのまま口に入れればOK。

ちなみに私は虫に出会ったことはない。それほど高確率でいるわけでもないので怖がらなくてよい。

さらにちなみに、ヤマモモにおいては高確率でいるらしい(イチゴとは関係ない)。

 

木によって、いっぱいなっているものもあれば、あんまりなのもある。いっぱいなっているのを見つけたらラッキー。また、たいていは1本だけでなく、まわりにたくさんある。近辺をよく探すと良い。

トゲがあるので、キイチゴ畑の中にずかずか入っていかないように。痛い。

こういうものがたくさんあるとタヌキとかは草むらに入りにくいだろうと思うけど、キイチゴのトゲは小さいので、タヌキの毛は通さないかもしれない。

 

今日はいい木を見つけて、食べつくそうかと思ったけど、3個食べたところでブヨが寄ってきたので退散した。こんな乾いたところにブヨがいるなんて驚きだ。ブヨは普通水気のあるところにいる。5日ほど前に小川の横で襲撃され、今年の初ブヨ被害となった。以来、スカートは履いていない。ブヨは長いスカートであっても中に潜り込んでくる。潜るのが好きだと思う。

野山に行くときはやはり全身を覆った方が良い。それも、薄手のブラウスとかTシャツじゃなくて、厚い生地のものが良い。薄手だと上からドクガの粉が降ってきたとき中に入ってしまう。とはいうものの、気軽に野山に行きたくなってつい行ってしまうのが人の常だろう。

話がそれたが、今がキイチゴの時期(岐阜県の標高600mあたり)。食べたければ急いだ方がいい。

 

木いちご動画あります

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山麓朝散歩 赤い木いちご、オレンジの木いちご、どっちがおいしいでしょう

2021年6月5日 #ノアザミ #ニガイチゴ #モミジイチゴ  morning walk #countryside in Japan ...

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林道の両側に木いちごがいっぱいで散歩しても前に進めません

2021年6月中旬撮影 中部地方 #モミジイチゴ #Rubus #Plants in Japanase mountainside ...

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山麓朝散歩 マタタビとキイチゴを採って友達と猫に送るミッション

ホタルブクロ #マタタビ #イワガラミ ヤマアジサイ #モミジイチゴ 撮影地 Japan 中部地方 撮影時期 2021年6月下旬 10621...

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「山のアスパラ」と言われるタチシオデは野原に生える

2021-05-30 | 植物

久しぶりの快晴。気持ちのいい青空。

雨の日が好きだけど、こういう天気だとやっぱり気持ちが良く、やる気が増進する。きっと日の光が強いのでセロトニンがいっぱい出るのだろう。けど真夏のギラギラの日はちっとも気持ちが良くないのはどうしたことだろう。

いつもの道を朝散歩していたらタチシオデを発見。

タチシオデ Smilax nipponica 3本生えていた 2021年5月末 岐阜県中津川市

この新芽をポキッと折ってゆでておひたしにしたりして食べる。けど私は自分で採って食べたことはない。うちの方では食べるほどたくさん生えてないからで、たまに1本あれば、なくならないように大事にそこに生やしておくものである。

シオデは山のアスパラと言われるが、その中にはタチシオデも含まれている。シオデもタチシオデも同じ味で同様に食べられるということ。山菜王国秋田の方が体験から来た知見を非常に詳しく書いておられるので敬意を表して紹介する。 シオデとタチシオデの違い - 花好きじじい (goo.ne.jp)

なので、食べようと思ったら、シオデとタチシオデを見分ける必要はない。シオデもタチシオデもわりと似ていて、茎の節々に細いバネ状のつるがあって、それで巻き付く。うちの地方ではシオデに出会った記憶がない(あるらしいけど)。いつもタチシオデだ。だからシオデについてはあまり自分の言葉で語れない。

この記事をわざわざ見ているいる人はたいてい、見つけて食べたいと思っているのだろうから言っておくが、もしほかの何かと見間違うとしたら、サルトリイバラかサルマメである。それらはどちらも茎に小さいトゲがある。また有毒ではないのでそれほど神経質にならなくていい。

タチシオデは初めは土手の刈り込まれた草地なんかでにょきっと立ち上がっていて、高さ60㎝ぐらいまではまっすぐしているのだが、そのうち自分の重みに耐えかねて倒れてしまう。そうなるとタチシオデではなく寝シオデとなり、立ってないからただのシオデかもなどと思うのである。

そうやってタチシオデとシオデの見分けをスルーしてやもやしてきたが、ズバリ、この時期に花を咲かせているのはタチシオデである(シオデの花は7、8月)。また、タチシオデの花は上向きになっているので目立つ。シオデは下向きにやや垂れ下がり型となるらしい。

タチシオデの花 2021年5月末 岐阜県中津川市

北龍館の野草大図鑑には、タチシオデの方は主に日本海側に生えると書いてあるが、うちは日本海側ではないし、山渓のハンディ図鑑には八王子市の写真が使われている。「主に日本海側」はちょっと違う気がする。また、都市近郊でも日当たりのいい林縁に近い草地で探せばあるだろうと思う。

タチシオデは北海道にはないらしいが、シオデは北海道にあるということ。北日本に多いのかと思ったら、フィリピンにもあると図鑑に書いてある。守備範囲が広い。しかし、ほんとかな、などと思ってしまう。

木曽地方では家の前庭にシオデを栽培しているのをよく見る。これだけつるが伸びればたくさん収穫できる。今は園芸店でも苗を売っている。

シオデ Smilax riparia 2010年7月中旬 長野県木祖村

日本ではつるを食べる野菜はあまりないが、東南アジアではいろいろとつるを食べている。ハヤトウリも、ウリも食べるけどつるもさかんに収穫する。カボチャっぽい黄色い花をつけたもののつる(ヘチマか?)もよく見かける。ツルムラサキもあちらから渡ってきたものだろう。サツマイモや空心菜もつるを食べる。

シオデは山のアスパラと言われるけれど、アスパラガスとは他人。APG体系ではアスパラガスはキジカクシ科(アスパラガス科)で、シオデはシオデ科(サルトリイバラ科)。APG以前の分類体系ではどちらもユリ科だったので、アスパラの日本版がシオデだと思っている人がいるが、違う。葉の形も花の形も全然違い、似ても似つかない。味が似ていると言われるがどうもよく分からない。ただ、タチシオデが土手の草地でにょきっと出ている様子がアスパラガスに似ていると思う。


キイチゴの季節

2021-05-29 | 植物

いつの間にかキイチゴが実っているのを発見。

通称キイチゴだけれども、図鑑での名前(標準和名)モミジイチゴ Rubus palmatus (var.coptophyllus) 。

うちの地方にはナガバノモミジイチゴも多くて、この写真のものも、平凡社の図鑑の写真と比べるとかなり葉の幅が細い。

食べるとおいしいイチゴで、都会からこちらに引っ越したとき、わざわざ苗を取り寄せて植えたことがある。

わざわざ……。

その苗は、手入れが悪くて草に埋もれてなくなってしまった。

近所の人からしたら、そんなもの買って植えるなんて笑いのタネだろう。

 

日当たりの良いところが大好きで、放置された空き地や林縁にある。あるところにはいっぱいある。今年はキイチゴジャムが作れるかもしれない。

今日1個だけ、一番育っているのを採って食べたけど、まだちょっと酸っぱい。完熟するとかなり甘くなるけど、中に虫がいることがあるから注意しないといけない。虫の方も注意しないと……。しようがないけど。

季節が日に日に、どんどんどんどん変わっていく。一日たりとも同じ日がない。

 


アサツキの花畑は海辺の岩場に 今が花期

2021-05-27 | ネギの仲間 アサツキ・ラッキョウ・ノビル・ヒトモジ…

写真/手前・アサツキの花 後ろ・トビシマカンゾウ 新潟県佐渡相川 2020年6月上旬

アサツキ Allium schoenoprasum var.foriosum

アサツキの花期はちょうど今。先日うちの庭でも1本咲いていて驚いた。

驚いたというのは、これまでわが地方でアサツキの花を見たことが1回しかなかったからだ。チャイブは畑でよく咲いているけど、アサツキが道端でやたらに咲いていたりはしない。「雑草」としてひんぱんに刈られてしまうからだとしても、咲いていなさすぎる気がする。

アサツキはわが地方では人家の近くにしかない。山の奥とか自然度の高いところで見ることはない。

アサツキは咲かないものだと思っていたら、佐渡で盛大に咲いているのを見たのは昨年。衝撃だった。改めて北龍館の図鑑を見てみると、アサツキは日本海側から北海道にかけてが自生地で、特に海岸近くに多いようだ。我が地方の道端にあるものは栽培していたのが逸出して広がったものらしいのだ。

さらに、少し大型のエゾネギというものがあることが分かり、この写真のものもエゾネギなのかと疑ったが、エゾネギは花を包む膜が紫色をしているものなので、おそらくアサツキの方でいいと思う。そして、エゾネギ=チャイブ なんだとか。西洋アサツキとも呼ばれるチャイブが日本に自生のものだとは全然知らなかった。

トビシマカンゾウを見に行ったのだけど、思いがけず一緒に咲いていたアサツキに狂喜乱舞な私であった。海辺の岩場にオレンジとピンクの花が咲き乱れる光景は「お花畑」と呼ぶにふさわしい。佐渡はトビシマカンゾウを売り物にしているけれど、アサツキのことももっと自慢していいと思う。

オレンジ色のトビシマカンゾウ。手前足元にピンク色のアサツキ。

北龍館の図鑑のアサツキの項にも「新潟県の自生地は海岸で、キリンソウ、オオバギボウシ、スカシユリなどに混じって生えていた」とあり、新潟は結構アサツキに遭遇できるところなんだと思う。

北龍館の図鑑書いた人が見たのはまさにここなんじゃないか。

手前・スカシユリ 奥・アサツキ

真ん中の白花はキリンソウではない。ベンケイソウ科だと思うが何なのかいまだに謎。

礫質のところに生えているアサツキ

これらのネギの仲間はAPGⅢ(2009)の分類以降、ヒガンバナ科ネギ亜科のネギ属になっている。ネギ属=アリウムとして花壇に植えるものがたくさんある。つづりをよく見るとどちらかというとアッリウムである。

アサツキ(桃花)、ニラ(白花)、ラッキョウ(紫花)、どれもきれいなので、どうしてもっと花壇に採用されないのか不思議だ。ノビルだけは地味である。

ノビル花期(岐阜県中津川市・2020年5月)

 

なお、離島や山間僻地では特に新型コロナウイルスに警戒していることが多いので、旅行には注意が必要。

 

 

★ホテルファミリーオ佐渡相川 で見られます。夕食のレストランの窓から海と花畑一望。 

 *agodaサイトに移動


ナルコユリの葉はササユリにちょっと似

2021-05-26 | 植物

今日のナルコユリ。

 

5日ほど前見つけた。↓

アマドコロなら葉が飛んでる鳥のように上向きになるし、葉の幅ももっと広いから

これはナルコユリ。

しかし、昨日、↓

あれ? ササユリ? と。

葉の先のとがり方、スッとした感じなど。ササユリは6月に咲く。そろそろこのサイズになって出ていてもいいかも、と。

で、本日。一番上の写真。花が着いていた。拡大↓

ナルコユリでした。 Polygonatum falcatum(クサスギカズラ科)

葉の下、茎にぶらさがっているのが蕾。

 

ナルコユリ、山渓ハンディ図鑑ではなんと『野に咲く花』の方に載っている。

この野草図鑑は「野」と「山」の2分冊になっている。ナルコユリは私のところでは、下界の里の方では見たことがないので、絶対「山」の方だと思っていた。ミヤマナルコユリも「野」にある。

この図鑑は「野」が先に刊行されているので、かなり多くのものが「野」に入っちゃっているようだ。「野」で収録できなかったものが「山」にあるのだろう。

 

わが地方にはオオナルコユリというものもあり、実際に山の上の方で「あった」ことに仲間内ではなっているのだが、オオナルコユリは北龍館や山渓の図鑑には載っていない。ただ『信州の野草』という信濃毎日新聞社が出している図鑑にだけある。草丈が1~1.3mあるということ。植物体が大きいということ以外にナルコユリと区別する特徴は書かれていない。大型のナルコユリってだけじゃないのだろうか? 遺伝子とか解析してみないと本当のところは分からない。ちなみに図鑑写真の撮影地は南安曇郡。

私(たち)が見た山の上のオオナルコユリみたいなのはそこまでは大きくなかった。せいぜい90㎝ぐらいだ。

さて、ナルコユリもササユリもよく似た葉の付き方で、横向きに傾いているところも似ている。やっぱりユリ科だよねー、と思っていたら、APG分類でナルコユリがクサスギカズラ科になってしまった。クサスギカズラとは、ざっくり言ってアスパラガスのことだ。見た目は全然似てない。でも遺伝子解析に基づくと同じ仲間らしい。

ササユリはユリ科のままである。

ユリ科は、前の分類では、いろんな単子葉植物その他大勢を「とにかくユリ科でいいわ」って感じでいっしょくたにして入れていたらしく、それらがそれぞれアイデンティティーを持たされてバラバラになった。今のAPG分類でユリ科に入っているのは、ササユリのような実にユリらしい花の形のものとなぜかカタクリぐらいである。前の分類で覚えてしまった者としては、一旦ユリ科というものを脳内から消して、なかったことにしないと、新しく覚えることができない。

 


祝アミメニシキヘビ確保。マムシグサも立派に

2021-05-25 | 植物
アミメニシキヘビの捕獲の様子を映像で見ていて、あんな装備で大丈夫なのかと心配だった。もっと、フェンシングの防着みたいな着なきゃ、と。獲物にとびかかってきて巻き付いて絞め殺すと聞いていたから。
 
けど、爬虫類専門家の人が普通の服で乗り込んでいって捕まえているのだ。その「普通の」服がまた、まるで会社に行くときみたいな、サラリーマンの昼休みみたいな格好、つまり、ワイシャツに普通の黒っぽいズボン。もっとアウトドアっぽい服の方が爬虫類専門家に見えるけど、自信のある人はやはり見た目などどうでもいいらしい。
 
捕獲されたヘビが無事だったことに多くの人が「よかったよかった」感なのがほっこりする。「確保」「捕獲」って言ってる記事もあるけど、「保護した」と表現しているものもある。意外にも「ヘビ大嫌い。そんなもの殺しちゃえ」みたいな人の声は、もしあったとしてもマスコミやネットではあまり取り上げられていない。
ただ、ヘビがこれからまた狭いケージに入っておそらく一生過ごさなければならないだろうことを思うと、本当にかわいそうだ。ケージの中で体をまっすぐ伸ばすこともできない。生きる楽しみって何だろう。ヘビには生きる楽しみはないか? 山で花を愛でたり歌ったり踊ったり友達や恋人とたわむれたりなんかしたくなくて、ただ餌が食べられればそれでいいのか?
 
植物の話を書こうとしているのです。蛇じゃなく。
 
前の記事
マムシグサの季節 から9日経ったマムシグサ。
すっかり完全なマムシグサの姿になっている。
 
 
これは雌株。
マムシグサは小型でひょろっとしたのが雄株で、大きくて立派なのが雌株。
雄株が栄養がよくてむくむく成長すると雌株になるのだ。
ここで別に人間のことを考えて哲学する必要はなく、要は、種子をつくるのに栄養がたくさん要る、そういう立派な体になる必要があるってことなんだろう。
 
 
3本のマムシグサ。1番は草丈が120㎝ぐらいある。これは雌株。
2と3は雄株だった。
それは花を見ると分かる。仏炎苞という帽子みたいなところの根元をめくると中に花的なものがずらりと並んでいる。雌株の場合は緑のとうもろこしみたいな珠が並んでいるが、雄株の場合は白く小さい雄蕊がちょこちょこ並んでいる。
 
けれど、慣れてくると、めくらなくても、仏炎苞の根元を外から指で触るだけで分かるようになる。雄株の場合はへなへなのやせやせ、実がない感じが分かる。
 
マムシグサの仲間は地域変種が多いしパッと見同じでも別種であったりする。なので、この手のものをざっくりマムシグサと呼ぶことが多い。
うちの地方にはこの写真のもの(多分オオマムシグサ)とスルガテンナンショウがある。それは中の棒の形が違うのですぐ分かる。オオマムシグサ(この写真)は中の棒(「肉穂花序の付属体」という)がただの棒状で、紫色をしている。林内の湿ったところに生えている。
 
写真/オオマムシグサ Arisaema takedae Makino  2021年5月下旬 
 
過去記事

ムラサキサギゴケのグランドカバーは4月から続いている

2021-05-18 | 植物
昨日も朝から強い雨。
今日も午後からまた雨。
ずいぶんしっかり降る。今日はヒルにまで遭遇。梅雨ってこういうことかと思う。
 
散歩するたびについ撮ってしまうムラサキサギゴケ(Mazus miquelii )。これ以上撮らなくても、と心中で叫ぶが、やはり撮る。山麓のあたりでは本当にたくさん、どこにもかしこにもある。最も普通の草と言ってもいい。
数日前にみんな一斉に草刈りをして、あたりの空き地はきれいに刈り込まれてしまったけど、地面にはいつくばってマット状に広がっているムラサキサギゴケは草刈機の刃にはひっかからなかったらしい。そして、周りの高い草がなくなったものだからいよいよ勢いづいて、大よろこびで咲いている。
咲き出したのは4月中旬ぐらいだから、最盛期がずいぶん長く続いている。
 
以前の分類ではゴマノハグサ科だったけど、APG分類でハエドクソウ科サギゴケ亜科になった。ハエドクソウとは似ても似つかない。
よく似たトキワハゼと2種いっしょに移動している。
 
ムラサキサギゴケはトキワハゼよりずっと豊満で華やかさをまき散らしている。トキワハゼは小さくてすばしこい感じがする。控えめだけど長期間咲いて要領よさそう(勝手な感想)。
 
トキワハゼはアゼナなんかとよく似てる気がするのだが、アゼナやウリクサはアゼナ科になって、完全に分かれてしまった。
見かけでは分からないものである。
 
ムラサキサギゴケがきれいだという話から脱線してしまった。
 
離れて見ると、野原の中の薄紫に色づいたところが春っぽい。
 

朴の花は6月を告げる……はず

2021-05-16 | めぐる季節と自然
雨。
ザ・雨の日、とほめてあげたくなるような、ブレのない雨の日。
雨が自信をもって降ってる。
空もどーんと暗い。

そんな中でも散歩する。先日出先でやむを得ず買った透明のビニール傘は、景色が良く見えるのですごくいい。周りの樹々の緑も、遠くの山も、灰色の空も楽しむことができる。こんなことならもう普通の傘は買わず、ビニール傘ひとすじでいってもいい。ビニール傘も昔のペランペランのではなくしっかりしたのになっている。都会を歩くときも周りの人や車にすぐ気づけるから安全性も高いと思う。

ということで、こちらでも梅雨入りしたんだろうか。
2、3週間早く進んでいた季節も次第に修正されていくかと思ったら、そのまま進んでいるようだ。
朴の花が咲いたらそろそろ朴葉餅やら朴葉寿司の季節。それは普通は端午の節句の頃であり、現在の暦では6月である。まだ心の準備ができていない。モノの準備もできていない。米粉とか。小豆あんとか。

少し下の方では10日ぐらい前から咲いていた。知人のいる伊豆では5月に入ってすぐ咲き始めたという。

朴の木は岐阜県、長野県ではすごく多いのだけど、伊豆や四国ではそれほど多くないということ。岐阜県、長野県で朴葉の利用が盛んなのはやはりどこにでもあるからということだろう。こんな便利な葉っぱがあまり手に入らない人たちはかわいそう(無駄に優越感)。

とりあえず、梅雨入りおめでとう。






マムシグサの季節

2021-05-15 | 植物
これについて長い記事を書いたのだが、エディターを切り替えたら完全に消滅してしまった。
なんということか。
すごくいい記事だったのに(自画自賛&釣り落とした魚は大きい)。

一度書いた同じことを二度と書きたくないのでもう諦める。

2日後のマムシグサ


今もう一度やってみたらまた消えた。
TEXTエディターで書いて、HTMLエディターを見ようとすると、書いたものが消えるのである。
もちろん以前はそんなことはなかった。
新しくスマートエディターというものができて、知らずに古いエディターを使っているとそうなるということなのか。
ひどい機能である。
GooBlog使ってる皆さんは注意が必要です。

GooBlogって少数派なんだけど、他社のブログサービスに比べて絶対的にすぐれている面があるので使っている。
著作権の取り扱いである。

アミメニシキヘビ

2021-05-12 | 山里
「アミメニシキヘビに咬まれないように注意しよう」的な雰囲気でANNニュース動画で語られていてびっくりしたのだけど
恐れるべきは咬まれることではなく食われることだ。
けど、食われる前に足掛かり(歯がかり)として咬まれるってことである。

アミメニシキヘビは毒で人を攻撃するのではない。
自分の身を守るために人に咬みつくマムシとかハブみたいな毒蛇ではなくて
動物を自分のエサにするために襲うのである。

マムシよりずっと怖いやつです。

実は今日まで私は、咬むとは知らなかった。
ただ、人(獲物)を見つけると巻き付いて締め付けて一瞬で心臓を止め、その後飲み込むと聞いており、
そんなふうに即死できるなら長患いして死ぬよりはいいいい死に方かもという感想を持っていたのである。
まあしかし、そのときの恐怖を考えると結構それもどうかなという気もする。
その恐怖で脳に損傷を受けたとしても、その後死んでしまうので関係ないが
もし生き延びた際には相当なトラウマになるであろう。

で、どうやら、巻き付く前に咬み付くらしい。
咬んでびっくりして立ちすくんだところに巻き付くのか、
咬んで歯をひっかけておいて、そこを基点にして巻いていくのかは不明だけど
後者ではないかと想像する。

うちはヘビが逃走した横浜の方からかなり遠いのでこんなのんきなことを言っていられる。


5年ぐらい前にインドネシア・スラウェシ島で7m余のアミメニシキヘビが
畑仕事にやってきた女性を飲み込んじゃった事故は記憶に新しい。
(検索すれば記事が出るだろう)
女性が家に帰ってこないのでみんなで捜索したところ、畑の縁に胃が重くなって(胴が太くなって)もたもたしているアミメニシキヘビが横たわっており、
「これは……!」と思って腹を切ったら女性が出てきたそうだ。

基本、人間を見たら逃げるらしいけど、インドネシアでも山の自然が破壊されてアミメニシキヘビも人里に下りてきており、事故がちょくちょくあるとのこと。
日本のクマ・イノシシ・シカ問題と同じだ。

それにしても、今回の横浜かどっかの男性が飼っていたアミメニシキヘビは3.5mもあったそうで、そのまま飼い続けて7mとかなったらどうするつもりだったんだろう。大きいものは10mにもなった記録があるらしい。
3.5mだって飼うには相当なスペースが要る。都会の狭い家で飼うのは大変だ。水槽に押し込めておいたりしたら動物虐待にならないだろうか。ヘビも運動できなくてかわいそうである。
購入したときは0.4mと普通のヘビ(ヒバカリとか)ぐらいだったらしいけど。
7mもになったら餌はどうしたらいいんだろうか。カエル100匹とかでも足りなさそう。
ていうか、その蛇自体、食べると結構おいしいとネットには書いてある。
そうして考えると、食糧難に備えて食用に養殖するにはいいものかもしれない。

けど一体どこに隠れているのだろう。事故が起こらないといいけど、心配だ。
小さな子どもを自由に歩かせたり、飼い猫を野放しにしない方がよい。
近郊の山際にワラビ採りに行ったりとかもやめた方がよい。

一夜にして山が若緑色に

2021-05-02 | めぐる季節と自然
朝カーテンを開けたら、一夜にして山の色が鮮やかな緑に変わっていた。まるで輝くようだ。
2日ほど前のこと。
前の日まで、ところどころは山桜のピンク、ところどころはまだ薄茶色、またコナラのうぶ毛にくるまれた新芽の白緑色と
全体に白っぽくかすんだようすだったのに、それがすべて緑に変わってしまっていたのである。
(上の写真は今日の山)

3月後半からの山の色の変わり方は急速だった。モノクロ写真に毎日少しずつ色が着いて、カラー写真に変わっていくような感じだ。今日はもう色とりどりのカラー写真というより、緑にあふれている。雨が降ったせいで余計に驚くような鮮やかな色になっている。

2週間前の景色↓

このあたりは標高600~800mぐらい。

今年は特に藤が目立つ。山の藤もだんだん増えてきて、どこにもかしこにも藤が咲いている。山の手入れが行き届かなくなったため、植林に巻き付いた藤が育ってしまうのだ。この藤はきっと年々増えていくだろうから、そのうち山じゅうが藤色に染まってしまうのではないだろうか。そんな景色はきれいなのか怖いのか、そうなってみないとよく分からない。

少し低いところではアズキナシがすでに終わりかけていた。

分かりにくいけど、高いところに白い花が咲いている。



アズキナシは山桜の少し後で咲く。毎年この時期だ。今年は桜が早く咲き、アズキナシはほぼ例年通りだったようだ。
白い細かい花が集まって咲く。実が小豆に似ているのでこの名がある。私の大好きな花だ。高木になるので遠くから見つけられることもある。
しかしこの時期、山は白く見えるものが多い。若葉の裏がひるがえって白く見えるので、白い花と見間違えることがある。

今年の春は2、3週間も早く来て去っていった。あまり嬉しいことではない。早く来るのはいいが、早く去るのは悲しい。できるだけゆっくりと通っていってほしいと思う。