思いついて、『聞き書 長野県の食事』(農文協)を見てみた。
御嶽山麓、開田高原の食生活が載っている。
そうしたら、すんきの作り方がすごく詳しく載っていた。
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山に自生する小梨(ずみ)、山ぶどう、山梨などの果物をたたいてつぶし、発酵させたものが、すんきの素だといわれている。
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ちゃんと書いてありましたね。
その後にずっと作り方説明が続きます。
さすが、農文協さん。
写真/長野県阿智村清内路 2015年9月下旬
山里にポツリとある一軒家。家の横の道は山を越えて飯田方面に抜けると思うが、現在は通れるかどうか分からない。
柿を避けて小屋を建てている。今頃柿は収穫されたのだろうか。見に行きたい。
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山に落ちていたすなし(昨日の記事参照)。
現在、このすなしを使った豆乳ヨーグルトづくりを進行中。
結構苦戦しています。一応固まってはいるけど、できるだけおいしくしたい。
すなしヨーグルトを思いついたのは、この実が木曽地方のお漬物「すんき」に入れられるから。
すんき漬けは御嶽山麓の長野県側、開田高原あたりの独特のお漬物で、塩を使わず乳酸発酵させる。
厳寒地だからこそできるお漬物です。
前の年のすんき漬けをちょっと入れて、今年のすんきを漬けるらしい。つまり、乳酸の種を毎年引き継いで増やしているということ。
漬けるのは野沢菜のような菜っ葉ですが、漬けるときにオオウラジロノキの実(すなし)を入れるとよく漬かるということを、その土地の人に聞いたことがあったのです。
りんごの仲間で乳酸や酵母がよく作れるようですので、すなしでなくてもリンゴでもいいのかもしれませんが、すなしは地元の山に自然にあるものですから、きっと昔から使われてきたのだと思います。
というわけで、信州の山に行った思い出の実でヨーグルトを作り、その種をできるだけ長く培養しようと思っています。
何十年も育てるぬかみそみたいになったらいいのですが。
でも、実はあまり成功する自信がありません。
写真/長野県旧上村 2015年10月
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信州の山で、オオウラジロノキの実が大量に落ちていました。
林道にゴロゴロあるのです。
わずかに10個ぐらい拾ったけれど、もっと大量に拾って来ればよかったと後悔しています。
そのつもりじゃないとき落ちていると、たじろいでしまうものです。
一緒に行った人に「すなし」だと教えてもらいました。
山里の人から時々聞く名前です。
高原のむらに住むその人のお父さんは焼酎に漬けているそうです。
中津川の人がオオズミと呼んでいるのもこの実だと思います。
直径3~4㎝。山で採れる食べられる木の実の中ではかなり大きい。
見た通り、りんごの味がしますが、渋みがあります。
それでもおいしいものです。
この実を初めて知ったのは愛知県の設楽(したら)の森でした。
わずかに2、3個落ちていただけでした。大きさももっと小さかった。
その後、この木を見ることはめったになかったのです。
高原に行かないとないようです。
なので、今年この実を大量に見たときは驚き、喜んだものです。
日本のリンゴは欧米のリンゴを改良したものだと青森県のHPに書いてありますが、
どうしてこの実を改良してりんごを作らなかったのか不思議です。
この実は小さなりんごそのものです。葉もりんごにそっくりです。
もちろん科も属も同じです。
もともと日本にある木でりんごを作れば、農薬もそんなに要らなかったのではないかと思います。
今からでも遅くないかも。
写真/オオウラジロノキの実 2015年秋
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今年は名古屋でも中津川でも信州でも、柿が豊作です。
実家の柿のことが気になっていて、昨日やっと行って採りました。
大きなバケツに山盛り3杯。150個ぐらいあるでしょうか。
自分の食べる分はせいぜい5個ぐらいでいいと思う。
人にあげるといっても、そんなには要らないし
採ってもしょうがないと思うのですが、
放っておくと樹勢が衰えると思うのです。
鳥たちももう十分食べたようだから、鳥用には5個ぐらい残しておけばいいだろうと思いました。
採り終わった後、庭を見たら、カラスが来て残った柿をついばんでいました。
すごく悲しそうな顔をしているのです。
いや、真っ黒なので表情は見えませんが、なんだかさみしげに見えました。
悪いことをしたと思いました。
カラスは最近増えて農作物を荒らしているので、普段は困ったものだと思いながら見ているのですが、
状況によっては同情します。というか、基本的に動物を痛めつけたくはありません。
鳥たちは意外と行儀がよくて、あれもこれもちょっとずつついばむということをせず、
これと決めた実を徹底的に食べてから次に移るようです。助かります。
実家の柿は、成り年関係なく、毎年よく成ります。
一方、中津川の自宅の柿は、毎年全然成りません。過去20余年でそこそこよく成ったのは2回だけ。
山里では甘柿よりも渋柿をよく作っています。渋柿の方が干して保存するのに適しているからいいのだと思います。
先週行った信州の里では、甘柿は全く見かけませんでした。
富士山柿という渋柿の収穫期で、みんな盛大に柿をむいて干していました。
昔は囲炉裏のまわりに近所の人が集まって柿むきをしたという話をよく聞きます。
柿むきが社交の場、人とのつながりの場の一つになっていたのです。
写真/長野県遠山郷下栗 2015年11月上旬
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愛知県、伊勢湾と三河湾が出会うところに、篠島が浮かんでいる。
遠く奈良時代ごろから(記憶確かではない)、海をわたって伊勢の神宮に鯛を奉納していたという。
海路で行けば、伊勢は目と鼻の先。
それが今も続いている。鯛を奉納するのは年に3回。
そのうちの秋のときには、漁協主催で「おんべ鯛祭り」をとりおこなう。
神主さんが来て鯛に祈りを捧げ、舟数隻に白装束の島人が乗り、伊勢へと出発していく。
「大一御用」は神宮にものを奉納するとき掲げる旗で
私の住むところに近い木曽・裏木曽からは、ヒノキの巨木を奉納するときに掲げている。
それが、篠島では、一文字目が「大」ではなく「太」になり「太一御用」であるのが特徴。
毎年10月12日。今年は連休と重なった。
写真/愛知県篠島 2015年10月12日
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朝目が覚めたら、庭に紅葉前線がきていた2日前。
裏の林では、暗いヒノキ林の林床に、鮮やかな黄色や赤の低木がちらちら見えて
とてもきれいです。
なんだか日に日に暖かくなっていて、夏に戻りそうです。
冬がずっとこれぐらいの気温でいてくれたら楽なのにと思います。
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10月中旬、海辺の干物屋さんの前で
かわいいタコを干していた。
客引きの看板も兼ねているようです。
ここの干物屋さんは本当においしくて
スルメイカも、過去に食べたことがないほどやわらかくておいしいものでした。
ほかにアジ、アナゴ、カマスを買いました。
ここは島ではなく半島の先です。
写真/愛知県南知多町師崎港そば 2015年10月中旬
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みなべの次の いわしろ駅。
谷山浩子の「テングサの歌」に出てくる。
30年ぐらい前のこと。以来、憧れの駅になった。
想像の中では、南国の日をぽかぽかと浴びている、ポツリとした駅。
1日に2本ぐらいしか電車が来ないような、私の好きな「へき地」。
でも電車は1時間に1本は来ます。
無意識にベンチを撮ってしまったのは、歌詞に出てきていたからだろうか。
それにしても、岩代=テングサ とインプットされてしまった。
・・・・・
紀勢本線 各駅停車 南部(みなべ)の次の岩代駅の
人気(ひとけ)のない ホームの古いベンチの上に あたしはいるの
あたしテングサ 海からとれた 紫色よ もじゃもじゃ髪よ
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テングサって紫色じゃないような気もするのですが。
写真/和歌山県南部町 2015年10月下旬
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谷山浩子の「テングサの歌」に出てくる。
30年ぐらい前のこと。以来、憧れの駅になった。
想像の中では、南国の日をぽかぽかと浴びている、ポツリとした駅。
1日に2本ぐらいしか電車が来ないような、私の好きな「へき地」。
でも電車は1時間に1本は来ます。
無意識にベンチを撮ってしまったのは、歌詞に出てきていたからだろうか。
それにしても、岩代=テングサ とインプットされてしまった。
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紀勢本線 各駅停車 南部(みなべ)の次の岩代駅の
人気(ひとけ)のない ホームの古いベンチの上に あたしはいるの
あたしテングサ 海からとれた 紫色よ もじゃもじゃ髪よ
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テングサって紫色じゃないような気もするのですが。
写真/和歌山県南部町 2015年10月下旬
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タイムスリップしたかのように看板のある家。
山里の古い小集落で。
このあたりは、集落と集落を、少し細くて曲がった道が結んでいる。
細くて曲がっているから、古くからある道だと分かる。
この看板、今も有効だろうか?
看板に気を取られて、ここで塩と煙草を売っているのか確認するのを忘れた。
むしろ私は、家の前から裏手へと人を誘導するように咲く、オレンジ色のマリーゴールドを見ていたのだ。
家主の心映えが分かる。
マリーゴールドはこの色のものがやや自生的に毎年種から咲くようだ。
塩と煙草と郵便を扱う家は、昔は名士であり、集落の中心的存在だったのだろうかと想像する。
写真/長野県で 10月下旬
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