山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

秋の庭を彩るサルトリイバラの赤い実

2021-11-01 | 植物

玄関へのアプローチは自生のツツジやコバノガマズミなどに取り囲まれて、いい感じの茂みになっている。

いい感じかどうかは個人の感想の範疇の中のことであり、見る人によっては(多くの田舎の人々にとっては)、「さっさと全部切り払って『きれい』にすればいいのに」、というところである。

冒頭から脱線したが、その茂みにせっせと生えてくるのがサルトリイバラである。この赤い実。

これが生えて来た春先には、花も目立たなくて、こんな赤くて豪華な実をつけるなんて思いもよらないので、たいていの人は刈り払ってしまうだろう。なんせ、とげがあるので。ところが、横着な人はそれを放置する。そして秋になって突然そのステキな実の存在に気付くのである。

うちでもこんなに見事に実をつけたのは初めて。生り年だったというよりは、多分、それなりに成長したのだろう。

正直、私は横着な人ではあるが、これを放置したのは横着だけが原因ではない。それなりに、秋になって見事な赤い実をつけて庭を彩ったら素敵だろうから伸ばしてみようと思ってはいたのである。そのためには、このサルトリイバラのために、何かお洒落なアーチのようなものを設置したり、そこまでしないにしても、簡単な支柱1本でも立てていい感じの垂れ下がり方にして、「サルトリイバラを庭の一つのポイントにしてます、ちょっと珍しいでしょう?」と、わざとしている感じに見せたらいいなと思っていたのである。

そう思って早数年が経ち、結局そんな手間などかけていない自分をかえりみては、きちんとできないならいっそ切ってしまった方がいいと昨年なども思っていたわけだが、その切る手間すらかけず放置した結果、今年このようになって、嬉しい限りである。

けど、この放縦な感じは、決して誰かに自慢できるような茂みではない。正直、これは庭ではなくただのやぶである。これがお洒落なアーチで素敵に仕立てられていたらもっと素晴らしかっただろう。来年はそうしたい。(来年はいつ来るのか……)

 

サルトリイバラはこれ1本ではなく、あちこちにどんどんどんどん生えてくる。アプローチというのは若干切り開かれたところであり、林の縁に当たる。林縁部(林のソデ)にはつる性のものが生い茂り、マント群落を形成するというのは、植物の初歩的知識である。

そんな解説はどうでもよくて、サルトリイバラの勢力は旺盛で、切っても切ってもどんどん生えてくるし、伸びる速さも意外に速い。25年前には近縁のサルマメという、似てるけど小型の植物が地表近くにほそぼそ生えるだけだったけど、いつの間にかサルトリイバラが目立つようになった。

このトゲは結構小さくてサルの毛皮は通さない気がするので、サルが捕れるようには思えないのだが、もしかすると、サルが採るイバラなんだろうか?

葉っぱはかしわもちのように団子を包む葉として全国的に盛大に使われている。カシワよりこっちの方がデフォルトなようである。

 

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