ショッキングなことを知った。
日本産の「モンゴリナラ」がモンゴルに植栽された。2004年。
愛知万博のプレ事業として「モンゴリナラの里帰り」と称する植栽イベント。
モンゴリナラはミズナラの仲間で、出自も諸説あり分類も定まらず、いまだ名前すら確定していない宙ぶらりんの植物。東濃地方から愛知県瀬戸や藤岡に生育。愛知万博長久手会場にも群生している。瀬戸会場から長久手会場へのゴンドラに乗って下を見ると、一面モンゴリナラだった。
ほかに東北地方や中国地方にもあるが、東濃・愛知のものとは違う種だとされている。もともとミズナラは中国大陸のモンゴリナラから派生したとのこと。
東濃・愛知のモンゴリナラが、中国大陸のものと同じ種であるのか、別のものであるのかも確定していない。ミズナラが氷河期を越えて遺存し亜種になったものだというのは名大の広木詔三先生の推測。
これをはっきりさせるには、モンゴルを含む中国大陸に行ってつぶさに比べたりしないといけない。とにかくまだ研究途中である。
まあ、「はっきりさせないといけない」のかどうかはなんともいいようがないが。日本のモンゴリナラをモンゴルに持っていったりすれば、種の同定はでたらめになってしまう。このプロジェクトに植物や生態系の専門家はかかわらなかったのだろうか。
このような話が美談として語られるの、いい加減にやめてほしい。東濃の鉱物質・貧栄養の湿地にミズバショウを植え込むのは笑い話としても。ウミガメの卵を「保護」して孵化させ放流したり、ニシキゴイの稚魚を川に放流したり、遠く離れた川のメダカを放流したり。テレビはそういうのをうれしそうに放映しないでほしい。
木を植えたり魚を放流している人(子ども)はみんな罪の意識は無い。それも気の毒である。