うちはJR駅から1kmもないところにあり、そのJR線は飯田線みたいな今にも切れそうな細い線ではなく、その駅も今は小さく素朴でときどき無人になるがやがてリニア岐阜県駅という巨大駅になろうとしているものであり、次々に新しい建売住宅ができて、地域の人口は増加しており、小中学校はマンモス校であり、近くには40年ぐらい前の新興住宅地が2カ所もあるようなところである。なぜかコンビニと大手スーパーはないが、人はいっぱい住んでいて、そこに雑木林と田んぼと畑が混じり合っているようなところである。
5年ぐらい前から2度ほど、うちの西1.5kmぐらいのところで「クマらしきものが目撃されました」と、市の防災メールが来ていたのだが、どうせ犬かなんかを見間違ったのだろうハハハハハ。と思っていた。私は親指ぐらいの長さの細いものが落ちていると蝶の幼虫に見えてしまうし、私の母は長いヒモが落ちているとヘビに見えてしまう。クマだと思って見れば犬もサルもニホンカモシカも黒い服着た人もクマに見えるに違いないのである。その目撃された場所は、木曽川の崖っぷちにほど近く、あたりはうっそうとした自然林になっている。クマがいそうな雰囲気がある。だから犬もクマに見えてしまうのだろう。
今年に入って、同じような場所で数回「クマらしきもの」の目撃があり、10月22日にうちの西500mほどの「集会所付近で子グマらしき目撃情報」があり、その時点ではまだ「どうせ犬だろう」と思っていた。が、10月28日の夜に東方5kmほどの「自動車学校付近で西へ走る熊」というクマ断定の通知があり、昨日10月29日の夕方には東方1kmの「バス停付近でクマ」とクマ断定の目撃情報があったのである。
よく考えると野生熊より野生犬の方が少ないので、見間違うとするときっとニホンカモシカだと思うのだけど、クマでないとは言い切れない。目撃されている地点とうちは山でつながっていて、中間地点にうちがあり、クマが何頭いるか知らないけど、うちの東から西へ、西から東へとうろうろしている可能性がなくもない。少し上に栗畑がたくさんあるし、我が家の柿もいい具合に熟してきたので、食べにくるかもしれないのである。
郵便屋さんとか水道メーター調べる人とか、大丈夫だろうか。
幸いうちの方のクマは北陸のクマみたいにチンピラ化してないようなので、わざわざ人のいるところに来て襲っていくようなことはないのだが、今年は市内や隣の市で何人かの人が被害に遭っている。この頃は気軽に散歩に行くこともできない。
木曽の方に行くともうみんな、夜は出歩かないとか、昼でも歩かないとか言っている。子どもの頃、熊が出る地域というのを「自然豊かな山里」として憧れをもって見ていたが、そんなのんきなことは言っていられないし、自然が大して豊かでなくてもクマが襲ってくる地域もあるわけで、本当に困ったことである。人間とクマの共存のために、クマは山で過ごしていてほしい。
*写真/長野県上松町の朴葉を栽培しているところ(2019年)歩いていたら、むらの人に「クマがいるから気をつけろ」と言われた。しょっちゅうクマを見かけるとのこと。最近の野生動物は人間をバカにしているように思えてならない。バカだから仕方ないけど。