山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

桑の実熟す

2021-06-30 | 植物

山道に赤い実があり、見上げてよく見ると、桑でした。

赤いのが熟している感じがするけど黒いのが熟している。けれど、黒いのがなかったら赤いのを食べてしまうでしょう。

ブラックベリーのようなものです。

75歳以上ぐらいの人ならみんな、子どもの頃学校帰りに桑の実を食べたという経験があるよう。昭和30年ぐらいまで、地域によってはもっと遅くまで、山の畑は桑ばかりだったので、どれだけ食べても尽きることがなかっただろうと思う。

私は桑の実はいまだ食べたことがない。桑=蚕 のイメージがこびりついていて、恐怖なのである。

しかしこの木の実がもっと熟したら食べてみようと思う。

 

よく見ると、蚕が1頭いた! ギャーッ!!!(写真には写っていない)

 

野生の蚕です。それは野生と言うのか、遠い昔に飼っていたやつが逃げ出して子孫が生き延びたのか分からないけど。1頭いるということは複数いるのだろう。1頭では子孫を残せないからだ。今まで残ってきたということは親が複数いるということだ。

しかしその1頭は死んでおりました。蚕の形のまま、かたまっていました。まわりに仲間もおらず。あえて探しません。

 

この桑の木も、恐らく昔周辺が桑畑だったときの生き残りなのだろうと思う。野生のほんとのヤマグワはもっと大型になるし、なんか雰囲気が違うので。


葉で甘いお茶をつくるアマチャ やっぱり赤くなってきた

2021-06-29 | 植物

結構寒いのだ。昨日は夜少しストーブをつけた。布団2枚重ねにしたらちょうどよく、ぬくもりが心地よい。ここ数日、こんな寒さである。

今朝は久しぶりにすっきり晴れ渡ったけれど、すぐに曇ってきた。ずっと「まさに梅雨」といった天気が続いている。確か去年もこんなふうだった気がする。その前までは例年、梅雨と言っても前半は晴れ続きだったりしたものだけど。水不足の心配はなさそうなのはいいことだけど、葉物野菜などは大変そう。

 

うちのアマチャが2、3週間前に咲き出したとき青かったので、

   その記事→アマチャとヤマアジサイと天城赤 色が変わること

変なアマチャだと思っていたのだが、昨日見たら薄赤くなっていた。こうなるとやはりアマチャらしく見える。装飾花が下向きに引っくり返っている。装飾花が引っくり返るのはアマチャでよく目立つのだけど、よく見るとほかのアジサイも引っくり返る。

「アマチャ」として買ってきたもの

元々アマチャというのは白くてちょっと薄赤いというイメージしかなかったのだけど、青からこんな色になるアマチャは、自然種を増やしたのではなく何かが交配してあるのだろうか? そこはよく分からない。

アマチャは山の中に自生していることがあるらしいのだけど、今まで見たことはない。こちらの山にあるのはヤマアジサイ、タマアジサイ、コアジサイだけだ。

咲き出した当初、近所の家のアジサイとよく似ていたのだけど、今はすっかり違う姿になっていて、別物だということが分かる。近所の家のは普通によく見る額紫陽花(がくあじさい)で、エゾアジサイによく似ている。

近所の家のアジサイ

 

アマチャ→YouTubeで紹介しています


山のアスパラ:本名シオデを摘んでおひたしに

2021-06-28 | 植物利用

5月30日にタチシオデを記事にした→「山のアスパラ」と言われるタチシオデは野原に生える

そこで、うちのあたりではタチシオデしか見ないと書いたのだけど、訂正。低い方ではそうなのだけど、標高650mあたりの恵那山麓は、今、シオデだらけ。数日前に数本見つけたのだけど、今日散歩していたら、よく見るとどこもかしこもシオデといっていいぐらい生えている。

茎には小さなつぼみがたくさんついていて、もうすぐ咲きそうなものもある。

タチシオデの花は5月、シオデの花は7月。で、茎が伸びてくる時期も1カ月ずれているわけだ。また、生えているところに差があるのはおそらく標高の差ではなく、自然度の高さの違いによるものだと思う。山麓では草を刈り払った明るい野原にシオデがたくさん生えている。そこにはいろいろなほかのつる草がたくさん生えているが帰化植物はあまりない。下界の草原はセイタカアワダチソウ、ヒメジョオン、ヒメムカシヨモギばかりだったりする。また、山麓のシオデのあるところはチガヤやススキがあまり生えていない。

たくさんあるので、先の軟らかいところを摘んで帰った。これだけあれば摘んだぐらいでなくならないし、先を摘んだ方が下の方からまたたくさんつるが出てくるというものだ。ついに、山菜シオデを摘んで食べるというイベントが実行される。

これまで木曽の民宿で食べたことがあったと思うが、自分で採ったことはなかった。細いつるばかりで、東北の人が見たら笑いそう。ただ、ときどき少し太いのがある。雌雄あるのかな?

シオデ

一方で、5月末に見つけたタチシオデはどうなったかというと、

タチシオデ

立ってなくはない。シオデの葉の先が細くなるのに対して、タチシオデの葉は楕円である。また、少し白っぽい緑だ。つるは短い。

 

採ってきたシオデはゆでて醤油と花かつおでおひたしにした。少し苦かった。アスパラとはかなり違う味である。

 


ハルジオンはまだ咲いていた ヒメジョオンとの違いvol.2

2021-06-27 | 植物


1カ月ぐらい前に草を刈ったところにハルジオンが咲き誇っていた。(上の写真)

遠目に見るとヒメジョオンに見える。この時期だし。でもここは元々ハルジオンが咲いていたところなので、よく見ると、ハルジオンだった。一度刈られたけれどまた茎を伸ばして咲いているということだ。キク科の植物は特に、刈られても刈られても花を咲かせる。

前の記事で、ハルジオンは6月上旬ぐらいまでで花が終わるようなことを書いたのだけど、全然そうではないことが分かった。 →前の記事 ヒメジョオンの季節到来 ハルジオンとの違い

ただし、刈られなかったハルジオンは、花が終わって種を作り、もう咲いていないのだ。刈られることによってまた花芽を作って咲く仕組みになっているらしい。

刈られなかったハルジオン。花は咲いていない。

ハルジオンはロゼットがぎっしりつく。この葉は冬から早春にかけて目立つ。ほかの植物は、夏近くなるとロゼットが枯れかけて目立たなくなるものが多いと思うが、ハルジオンはどんどん新しいロゼットを作るようである。そもそもロゼットというのは冬に出てる葉だと理解していたので、こんな夏にできているものをロゼットと呼んでいいものかどうか迷ってしまう。

このロゼットが軟らかそうで菜っ葉みたいにちょっとおいしそうに見えるのがハルジオンの大きな特徴で、ヒメジョオンとの違いになる。

ハルジオン

茎の下の方は長めの毛が生えて、白く毛むくじゃらに見えるのもハルジオンの特徴だが、ヒメジョオンにも毛があるので、見慣れないとこれで見分けることは難しい。

 

下はヒメジョオン。菜っ葉みたいではない。

ヒメジョオン

ヒメジョオン

 

10日後のハルジオン花畑 動画で紹介しています

 

OGPイメージ

ハルジオンが風に揺れる花畑を見て喜んでるだけの動画

#植物#Erigeron#花畑 外来種で雑草と呼ばれて刈り取られるハルジオンの花畑 ♪BGM 作曲者/甘茶(Amacha)    htt...

youtube#video

 

 


眠れない原因 炭酸?キュウリ?バナナ?チョコアイス?

2021-06-26 | たべもの・台所

昨日夜中に目が覚めてそれから全然眠れなくなった。眠れないことは1年前まではほぼ毎日だったが、最近は改善しているので、どうしたんだろうと考えた結果、気づいたこと。炭酸飲み過ぎ?

日頃飲んだことのない炭酸がスーパーで目に付いたのでつい買ってきて、梅ジュースに入れたらおいしいので、やたら飲んでしまったからではないか? (昨日の記事参照ください)

あるいはキュウリの食べ過ぎ? 自分で作ったキュウリ料理がおいしすぎて、作り置きのつもりで5本使ったのをつい全部食べてしまったのだ。私が一番好きな食べ物はキュウリなのではないかと思った次第だ。

あるいはバナナとチョコ付きアイスを食べたから? 3つとも鍼の先生から厳禁と言われているものだ。バナナは体が冷えるし、アイスは冷えるのはもちろん乳製品はだめだし砂糖もだめだし、チョコも良くないぞと先生に言われている。けど、バナナが6本98円だったのだ。さらに森永パルムがなんと78円だったのだ。パルムは普通148円するのに78円なのだ。こんなお値段いまだかつて見たことがありません。これが買わずにいられようか。

バナナとチョコとアイスがだめというのは鍼の先生のいろいろ総合評価した見解であって、それに異議を唱えようとは思わないが、どの食品もそれなりに良い効用はあるはずなので……例えば栄養があるとか、おいしいとか、おいしくて癒されてストレス解消するとかか、おいしくて幸せな気持ちになるとか……、その良い効用を求めて食べるわけである。

 

上のすべてが睡眠に悪かった可能性はあるが、特にどれというなら、おそらく炭酸ではないかと思っている。ただの憶測だが、後日、炭酸を飲んでキュウリを食べないなどの方法をもって、検証しなければならない。

 

写真はよその家のアジサイ(本文とは関係ありません)


和歌山から完熟梅届く 梅ジュースにするには

2021-06-26 | 植物利用

南高梅といえば和歌山県の南部町(みなべちょう)が発祥の地。その隣の印南町(いなみちょう)も大産地。今年は4年ぶりの豊作とのことで、送ってくれた。山間にいっぱい梅畑がある印南町が懐かしい。3年ほど前に仕事で行っていた。

我が地方(岐阜県美濃地方)は不作で、我が家では1個も梅を採らなかった。そんな年に梅が届くのは嬉しい。うちの梅を採ったり洗ったり漬けたりという大仕事がなくて助かったと思っていたけど、和歌山の南高梅のおいしさは格別なので、こんな仕事は大歓迎。

完熟梅というのは家で作ることはできない。梅は熟すと落ちてしまうから、どうしても青い梅を採ることになる。熟した梅を出荷できる産地にはやっぱり技術というかノウハウが蓄積されていて、さすがプロなのだ。梅の畑の下の草をきれいに刈り、その下に細かい網目状のシートを敷き詰める。その上に落ちた完熟梅を拾い集めるのだ。ひしゃくみたいなものですくい上げるので、結構腰が痛くなったりする労働だ。

我が家の梅などは枝が茂りまくってその間をかきわけて採らなければならないし、梅の木の下は草ぼうぼうで蚊がいっぱいだったりして、かなり苦痛な仕事なのだが、和歌山県の産地の梅はきちんと剪定されているし足元も歩きやすくて、誠にいい感じで梅採りができる。

 

完熟梅は梅酒に向くということ。梅ジュースには青梅がいいということなので、私はお酒は弱いのだけど、全部梅酒にすることとして、ホワイトリカーを4本も買ってきた。結構お金がかかる。梅の実に竹串をプチプチ刺すと、青梅と違って軟らかいので簡単に刺せる。そして、青梅よりもずっと甘い香りが満ちて、作業していて癒される。

氷砂糖の袋には、梅1kgに対して氷砂糖800g~1kgと書いてあるのだけど、ホワイトリカーの箱には500g~600gと書いてある。砂糖屋の陰謀だろうか? 必要以上に多く書いてあるのか? 2、3年前に漬けたときは、甘すぎるといやなので少なめにしたら、今度は辛すぎて飲みにくかった。一体どれぐらいが最適なのか。送ってくれた産地の人に聞くと「1kg入れる」ということで、梅1対砂糖1は砂糖屋の陰謀ではなさそうで、私も今年は多めに入れることにした。

青梅じゃなかったので梅ジュースは諦めたのだが、今日になってコウケンテツさんが、「完熟梅で作る梅シロップ」の動画をアップしてくれていた。遅い(怒)。https://youtu.be/TRAwPECFlto

砂糖ではなくハチミツを使い、黒酢を少し入れるそうだ。動画の中でコウさんが実においしそうに飲んでいる(ヤメテ)。来年は自力ででも完熟梅を手に入れて作ってみたい。と思いつつ、3年ほど前に作った梅ジュースを取り出して炭酸で割って飲む。シュワーっと細かいきれいな泡が立っていい感じ。梅ジュースは夏の暑いときの疲労回復によく効く。数年分が残っているのでせっせと飲みたい。

あとは、原液をヨーグルトにかけるのがお気に入り。

梅ジュースづくりで注意すべきは、梅を取り出さないこと。長く漬けると雑味が出るので3カ月だの1年だので梅を取り出した方がいいと言われているけど、取り出すと梅はしわしわになって食べにくくなってしまう。なので、梅は入れっぱなしが良い。その梅を捨てるなどはもったいなさすぎる。

不思議なのは、砂糖漬け(梅ジュース)の梅はジュースが出た後も甘くておいしいのに、梅酒に漬けた梅は「出がらし」になっていておいしくないことだ。この違いは何なのだろう。

 

 

★参考図書(Amazonに移動) 中村成子さんの本はイチオシ

 

 


真っ赤な実に白い小さな泡が入っているようなグミ

2021-06-23 | 植物利用

朝、散歩に行こうと玄関を開けたら地面に赤いものが1つ。

誰がこんなところにミニトマトを置いたの? と不思議に思って、ふと上を見上げたら

グミがたくさんぶらさがっていました。

今日まで全然気づかなかった。花にすら。グミの木があるなあとは思っていたのだけど。

不思議なのは、すべての実が同じようになっていること。まだ青いのとか、小さいのとかはなくて、全部熟し具合が同じなのです。

そうして考えてみると、梅なんかも比較的同時に熟す。まあ4、5日のずれはあるかもしれないけど、1日のうちに全部梅採りができる。キイチゴ(モミジイチゴ)は順次実っていく。日ごとに次々と実が熟していく。だから1本の木から一度にたくさんは採れないけど、長期間なっている。

これは花が順次咲いていくことときっと関係しているのだろうと思うが、

花の時期について考えると、桜などは1週間ぐらいのうちに全部の花が咲く。梅は寒い年なら2週間ぐらいかかって次々咲いていく。

梅については、花の時期のずれが大きくても、実る時期のずれはあまり大きくないということだ。

 

グミの実、透明がかった赤色の中に、白い細かい泡がはじけているように見える。サイダーみたいに。こんなに美しいものだったとは。

食べてみたところ、ちょっと酸っぱいけどおいしい。今日のデザートはこれで決まり。高いところのははしごがないと採れない。ちょっとすずなりとは言い難いけど、これだけあれば十分。

グミのジャムってできるのかな。できないということはないだろうけど、あまり聞かない。もしすずなりになる年があったら、ジャムにしなければ食べきれないだろう。


イワガラミは岩や木をよじのぼるアジサイ

2021-06-22 | 植物

今日は曇り。まわりの木々がやわらかい色合いできれいだ。雨が多く梅雨らしい梅雨である。

5月末に梅雨に入ってしまったときは、それに順じて早々に梅雨明けするのではと恐れていたが、そうでもなさそうで安心している。梅雨明けの酷暑が怖い。

アカゲラがキョッキョッと鳴き、シジュウカラかなんかの大分育った雛(多分)が歌う練習をしている。親のように正確には歌えないが、声が若い。うらやましい。

梅雨にはいろいろなアジサイが咲く。イワガラミはその名の通り、大きな岩によくへばりついている。ツルアジサイとよく似ているが、うちの方ではイワガラミの方がずっと多い。装飾花という花びらに見えるところが、(がく片なのだが)、1枚なのがイワガラミ、4枚ぐらいで普通のアジサイみたいなのがツルアジサイだ。装飾花のせいだけではなく、なぜかツルアジサイの方がデラックスに見える。

一口にツルと言ってもいろいろ種類がある。キュウリみたいに、バネのようなつるが茎からピョコピョコ伸びてきて巻き付くものもある。アサガオみたいに茎そのものが、ほかの木などをぐるぐる巻きにしていく、蛇タイプのもある。バネ型と蛇型は巻き付く力(巻き付いちゃった後の固定力というか)がすごく強くて、一度巻き付くとそれをひっぺがすのに苦労する。これらのつるの先が伸びている姿は、風に揺れたりしてなかなか優雅で美しい。

イワガラミは伸びていく茎のあちこちから小さな根を出して、木や岩のすきまなどにその根を入れて、しがみついていくタイプ。一応つる性とはいうのだけど、巻き付くわけではない。これをひっぺがすときには、音はしないけど、ベリベリベリ、といった感じだ。

こんな花をずっと楽しんでいたい。梅雨明けはなるべく後にしてもらいたい。農作物への被害を考えないとすれば、できれば梅雨明けせずに秋雨に突入してほしいものだ。

イワガラミ(中央)アジサイ科 白い花が咲いている


ドクダミで作る虫刺されの薬

2021-06-21 | 植物利用

夏至。

感慨深い。

一年で感慨深いのは冬至、夏至、春分、秋分だ。中でも夏至と秋分には寂しさが伴う。

夏至というのは一年で一番日が長い日であり、この日から日が短くなるわけで、もっと重要視されて大きなイベントがあってもよさそうなのだけど、特に節句の行事もないし、冬至のようにかぼちゃを食べろだのゆず湯に入れだの言われないし、その意義の割りにはなぜかスルーされている気がする。どうしてなんだろう。

冬至についてよく言われるのは、クリスマスとほぼ同じ時期だということだ。日本の正月もほぼ同じ時期なのだが、日本は本来旧暦(太陰暦)だったから、伝統的にそれほど大事にされていたとは思えない。ただ、冬至の行事ということではないが、信州遠山郷の霜月祭りや椎葉村の神楽などは、冬至の時期に行なわれていて、特に椎葉村の神楽などは太陽の再生を祝っているように見えた。かつて元日に三重県の神島で行われていたゲーター祭はまさに太陽の再生の祭りと言われていたけど、あれは旧暦のときはいつやっていたものなのだろうか。

いや、今日は冬至ではなく夏至なので、冬至のことなど語らなくてもよい。

というわけで、夏至を祝って、ドクダミの焼酎漬けを作ってみた。虫刺されに効くらしい。ネット上にたくさん情報が出ている。それと、その液体を水で薄めてグリセリンなど入れると化粧水になるということ。ドクダミ化粧水は前に長野県根羽村の80代の方にいただいたことがある。日焼け止めにもなるとその人は言っていた。実際その人はすごく肌がきれいだった。

花だけでなく葉もたくさん使っていいはずなのだが、花だけでもいいらしい。ということで、ネットに出ている者は花を集めているものが多い。見た目がきれいだからだろう。

ドクダミの花は本当にきれいだ。清楚で、端正で、上品だ。きれいすぎて摘むのが惜しかった。けれどもまだまだたくさんつぼみがついていたので、摘ませてもらった。

どこにでも生えるドクダミだ。根でしか増えないものだと思っていたけど、種でも結構増えているようだ。

 

ドクダミの花の咲いている動画あります(酒漬けのつくり方ではありません)

OGPイメージ

薬効いっぱいの白い清楚な花が梅雨空のもと群れ咲いています

ドクダミ Houttuynia cordata ドクダミ属ドクダミ科 撮影地 Japan 中部地方 撮影時期 2021年6月 ♪BGM 作...

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ナギナタガヤ 銀色に光る草の群れ

2021-06-19 | 植物

イネ科の草は「まあ、きれい」と言ってもらえるのはおそらくススキやオギぐらいで、それ以外は一般的な人々にはほとんど無視されていると思うが、私から見るとイネ科の草はほかの科の草とは違った魅力がある。

ナギナタガヤも見るたびに写真を撮りたくなる草の一つ。さらさらと細かい線が流れるように続き、それがうねると銀色に輝く。草丈が同じぐらいでそろうので、その均一性がもたらす集団としての美しさが、それはもう、きれいにそろったそうめんのようで、心地よいのである。

田んぼの横のあぜ道なんかでよく見かける。舗装してないところで、わだちの間やその横なんかにずーっと続いていることがある。単独で生えていることはなくて、必ず群落になっており、その群落の中にはほかの草がほとんど見えない。「ナギナタガヤばっか」なので、その群落のかたまりそのものが、ナギナタガヤであると感じる。それでも地下茎などはなくて1、2年草らしい。地中海方面から来た外来種で、海岸や河原にある、ということが山渓ハンディ図鑑に書いてあるので、乾燥に強い植物だと見える。

この写真のものはちょっと水っぽいところにあるが、一般的に言われるのは、乾燥に強い植物というのは水がキライとか欲しくないわけではなく、そのほかの「水がいっぱいないと生きられない植物」が生きられないところでも、生きていける植物だということだ。

こういうイネ科の植物も、「きれいかもしれない」と思って見てみることで、そのきれいさが発見できる。出穂前から出穂後、実が熟す頃と、だんだんに見た目が変わっていくのも特徴だし、枯れた後の姿も独特で、よく見ていると面白い。


アマチャとヤマアジサイと天城赤 色が変わること

2021-06-18 | 植物

よその家のアジサイ Hydrangea.seratta  アジサイ科

〔記事大幅修正〕

数年前に岐阜県西部のアジサイが名物のお寺で買って来た「アマチャ」がようやくしっかり根付いてきれいな花を咲かせるようになった。

最初の1、2年は白っぽい花でいかにもアマチャらしかった。アマチャというのは小ぶりで白くてアジサイとは違った楚々とした花を咲かせるものだと思っていた(だから買ってきた)。なのに今年は青い花が咲いている。

よって、近所のこの家に咲いているアジサイもアマチャなんだろうと思っていた。うちにある「アマチャ」とそっくりだ。

と思ったら大分違ってて、こちらはエゾアジサイに似ている。北国に行くと道端にエゾアジサイがたくさん咲いている。それを見たのが山形だったのか秋田だったのか北海道だったのか記憶が定かではない。

アマチャは周りの装飾花がもっと小さくて、うなだれる。装飾花を支える花茎が長いのか細いのか、多分その両方で、花が垂れるのである。もうちょっと楚々とした、弱弱しい風情。

このアジサイはしっかりしている。

 

よその家のアジサイ(ヤマアジサイの園芸品種のよう)

図鑑で調べると、アマチャというのは中心部が赤っぽくて回りの装飾花が白いもの。うちのアマチャが青い花なのは、園芸品種として何かを掛け合わせてあるに違いない。

そして、アマチャもエゾアジサイも、ヤマアジサイの変種扱いなのだった。

2年前に伊豆半島・南伊豆町の高原の天神原という戦後開拓地にある広大な植物園に行ったところ、真っ赤なアジサイがたくさん植えてあった。赤と言ってもやや青み系の赤なので嫌味ではない。そこで苗を買って来た。ポットには「天城赤」と品種名が書いてあった。

昨年花を咲かせたのだが、青かった。

買ってきたポットのままである。よく、アジサイは土が変わると色が変わると言われるが、土が変わってないのに色が変わったのだ。「天城赤」で青い花が咲いたら詐欺のようなものかもしれないが、別に腹も立たない。

図鑑で見るとベニガクという赤いアジサイが、ヤマアジサイの一品種として掲載されていた。「天城赤」=ベニガクなのか、ベニガクをさらに改良して別の品種にしたものなのかよく分からないが、別のところに持っていくと色が変わるということになると、品種として固定するのはなかなか難しい気がする。ただ、天神原植物園はほんとうにすばらしいところで、多くの人に訪れてほしいと思ったことを書き添えておく。

どちらかと言うと、「アマチャ」の名で青いアジサイを売るのはやめてほしいと思う。


梅は不作 ファミマは最強

2021-06-17 | たべもの・台所

うちの近くで一番野菜が安いお店は、ファミリーマートである。

全国的にこんなふうなんだろうか? 地元の野菜を売っていたりするの。長野県の方にもこういう店があったような。スーパーに並ばない不ぞろいのとか、大きく育ち過ぎたのとか、なぜか知らないけどただ安いのとか。とにかくスーパーの半額ぐらいでいろんな野菜を売っていて、買い物かごにいっぱい買ってもレジで、え? たった900円? みたいなことがよくある。

本日、梅が1袋、98円。

980円じゃない。98円。しかも税込。

1kgぐらいかな。この写真のより少し大きくて色が明るいのが、158円とか198円とか。

その隣、ショウガが1袋、98円。高知県産。

その隣、トマトの棚に、「甘くなかったら返品可」などというものが。返品可のトマト……。肝のすわったオーナーである。

ところで、うちの方では梅が不作。こんなにならなかったのは初めて。探すと2つぐらいあるかな、という感じ。それがちょっと場所がずれるとそこそこあったりして微妙なものなのだけど。隣の家でも全くなっていない。

梅の砂糖漬けはまだ物置にいくつも瓶があって、(いくつあるのか分からない)、しかも冷凍庫に、去年漬けきれなかった生の梅がまだ凍らせてあるし、砂糖漬けの瓶から取り出した梅も大量に冷蔵庫にあって、ちっとも減らないので、今年は梅が採れなくてほっとしている。仕事が一つ減ってありがたい。

ショウガは、そのまま冷凍するといいと言われるのだけど、やってみたらあまりいい感じではない。それが、すりおろしてから冷凍するととても使いやすくなる。ラップに平らに広げるように載せて板状にして冷凍し、凍ったらバリバリバリと適当に割ってタッパーに入れておくと良い。冷や奴にも焼きなすにも紅茶にもすぐに使えて便利だ。

併せて、細かく千切り状態に切ったものも凍らせておくと、中華風の炒め物やカレーなど作るときにすぐに使える。


ノアザミとゴボウは同類 葉は食べられる

2021-06-16 | 植物

田んぼの畦にノアザミが群れ咲いていた。

こうしてみるととてもきれいなのだけど、田んぼの管理者にとっては「草ぼうぼう、いやだなあ」って感じだろう。農家は5月から9月まで、草刈りに追われる。大体3回刈ると言われるけど、田んぼがたくさんあれば、今日はここ、明日はここ、とやっているうちに一巡してまた戻って刈らなければならなくなる。本当に大変だ。

ノアザミは種子に綿毛があって自由に飛んでいき、あっという間にあちこちから生えてくるようになる。抜こうとして引っ張ると大抵根元で切れてしまう。そして放置すると根がどんどん太くなって本当に抜けなくなる。ゴボウはアザミの一種であり、この仲間はみんな根がゴボウのように太くなると考えてよいと思う。ノアザミの根もおそらく食べられるだろう。が、抜くのが大変なのでゴボウを買ってきた方が楽だと思う。

アザミの葉は食べられる。どのアザミでもいけると思うがすべてのアザミで試したわけではないので無責任なことは言えない。

ノアザミも株が大きくなると、春先の葉も肉厚の大きなのが出てくる。それをもぎ取って食べる。天ぷらにするのが一番簡単でいいのだけど、1枚の葉でもかなり大きいので、なかなか食べでがある。味はほとんど無味。ただ、肉厚、つまり炭水化物が多い感じだ。

採るときに葉っぱの縁のとげでチクチクするのが欠点だけど、春先の葉は今の時期のほどチクチクが硬くない。今の時期の葉はもうかなり硬くなっている。まあ、食べれなくはない。

岐阜県の飛騨地方にはヒダアザミという大型の、山梨の方にはフジアザミというもっと大型のがあって、そんな葉は1枚が本当に大きいので、一度に食べることはできないだろう。

この時期に咲くアザミは、うちの地方ではノアザミとキツネアザミだけだ。キツネアザミは花も葉も小型で、花色は青みが強く、すぐに見分けがつく。

アザミの葉は山菜として多用する地方があるらしいが、うちの地方では誰も食べたりしない。刈るべき雑草としか思われていない。

 


木イチゴの旬はまだ終わらず

2021-06-14 | 植物

10日ほど前から食べごろの実が出てきた木イチゴですが、日を追うごとに実が増えていて、また標高が上がるとまだまだあったりして、もう、何がなんだか分からないぐらいなっています。

2日ほど前、山を軽く歩こうと林道を上がっていくと

まずは半日陰のコアジサイの道。ずーっと満開のコアジサイが続いています。

やがて日当たりのいいところに出ると、木イチゴ道になり、道の両側は木イチゴばっかり。

家の横にある木いちごよりもっともっと真丸の、丸々太ったのが鈴なりなのです。

食べるのに忙しくて歩くどころではない。

ガードレールの向こう側、全部木イチゴ。乗り越えて採りたいけど、向こう側は急傾斜で谷に落ちてしまうので、仕方なく手の届く範囲で、枝を引っ張ってもぎとっては口に運ぶ。

中に虫がいることがあると前に書いたけど、今まで1度しかそんなゾッとする虫に合ったことはない。アリはそこそこいるけど。

木イチゴはちょっと強めに押すとプチっとはじけて水が出てきてしまうので、ほんとに繊細にそっと採らないといけない。

むさぼり食べている私の後ろをときおり県外ナンバーの車が走っていく。みんな木いちごのことなんか知らないな……。かわいそう……。とこれみよがしに食べる。歩いているとお得なことがいっぱいある。

夢中になって食べてたら後ろにクマ、みたいなことにならないようときどき鈴を鳴らしたり、まるで悪いことしてるみたいに背後をキョロキョロ見たりする。タケノコ採りしててクマとバッティングして引っかかれた全国各地の事例を教訓としなければ。

しかしこれでは、山に歩きに来たのではなく、木イチゴを食べに来たと言うしかないな……。ふと、西洋の童話の絵本で、女の子が森に木イチゴを採りにバスケットを手に提げて出かけていく光景があったような気がする。あれは何だ? ヘンゼルとグレーテル? 青い鳥? 同じか? それとも気のせいか?

木イチゴを家に持って帰るっていうのは私にはちょっとありえなさそう。採ったら口に直行するので、持って帰る分はない。そもそも繊細だから、持って帰るうちにつぶれそうな気がする。ましてや、ジャムにする? ジャムはおいしそうだけど、その前に口に直行するのでジャムにする分はない。ジャムにしたら量が減りそうだ。だってほとんど水だもの。だからジャムにしなくていい。生で十分おいしい。

さんざん木イチゴを食べ、帰りにふと上を見ると、なんとすごい!

見たことないほど鈴なりの木イチゴ。お盆とかお祭りとか花見シーズンとかの商店街の飾り的なもの? あるいは景気良すぎる餅花?

おそらく下から見るからよけいに鈴なり状態が目立つのだろうけど、ほんとにすごい。

けど、高いところにあるから手が届かない。はしごを持ってこないと。

この山のクマは木イチゴを食べないのだろうか。それとも全部撃たれていなくなっちゃったか? これだけ山に木イチゴがあるとクマも糖分採りすぎになるかもしれない。

いったいこの木イチゴの旬はいつまで続くのか。今日から数日の雨で落ちてしまうかもしれない。

 

動画で紹介しています→https://youtu.be/f3Cv9GvAQB0


マタタビの葉が白くなるのは虫を呼ぶため?

2021-06-12 | 植物

マタタビ 2021年6月中旬 岐阜県中津川市

マタタビが咲き出した。梅みたいなかわいい花。葉陰に隠れているので、よく見ないと気付かない。

葉が白くなり出したのはもう半月以上も前。やっと咲いた、という感じだ。

マタタビの葉が白くなるのは、虫に花のありかを知らせるためだという説があるが、本当なんだろうか?

5月下旬のマタタビ、小さなつぼみがある。

5月下旬、葉が白くなったので、花を探したら、全然咲いていなかった。半月後まで花が咲かないのに、早々と虫に知らせるだろうか?

虫の方にしてみれば、行って見たらまだ全然咲いてなくて蜜ももらえず何日も待たされるということになったら、マタタビへの信頼も失い、待つ気もなくなってしまうだろう。やっぱり、そのときに花がなかったらだめだと思う。

そもそも虫はそんなに長生きか? ミツバチなんかはよく知らないけどそれなりに数週間生きるのかもしれないけど、蝶なんかは2週間も待てないだろう。毎日マタタビに通っては裏切られる蝶がかわいそうだ。

それにそもそも虫はそんなに遠く、高いところから飛んでくるのか? 鳥じゃないんだし。遠くから来る蝶などを狙っているのか? 木の下から来るのも多いんじゃないのか?下から見たら葉の白いのは見えない。

人間側の話をすれば、「葉が白くなるのは虫を呼ぶためだ」と断言するお気楽な自然観察指導者もいなくはないが、ネットを見ても「と言われている」と書いてあるのが多数で、一体誰がそう言っているのかはどこにも書いてない。「と言われている」というのは誠に万能な言葉である。

よって、「マタタビの葉が白くなるのは虫を呼ぶためだ」というのは都市伝説ならぬ山伝説であると断言したい。のだが、どこかにそういう論文がないとは断言できない。ただ、私はその説を今のところ信じる気になれない。

マタタビの壁

マタタビは木の葉や枝につかまってどんどんよじ登り、こんな風に林縁に壁を作っている。こうなると林内に入る風もかなり防がれて、林内の環境がかなり変わってくるだろうと思う。

結構びっしり葉を茂らせて、林の側面からもれなく光を受けて光合成に励んでいる。

 

猫はマタタビの枝にもゴロゴロするが、とりわけつぼみには狂喜乱舞して、見ていて心配になる。マタタビ中毒で廃人ならぬ廃猫になるんじゃないかと不安になる。けどそういう話も聞かないので、きっと依存性はないのだろう。友達が猫を飼っているので送ってあげたい。今は猫ブームなので、こういう枝を道の駅なんかで売ったりするとバカ売れしそうな気がする。

 

動画で紹介しています→https://youtu.be/jaws0lvOOpM