山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

坂折棚田石積み塾 みんなで石積み中

2006-11-29 | 山里
1カ所につき4~5人で作業。石は、ここの石積みを崩したときの石と、ほかのほ場整備した場所から出た石。要は、使いまわしの石です。石の顔を見て、うまくはまりそうな石を選んで、力のかかる方向を考えて向きを決めて、石を置きます。
みんな、まず、石の顔が見抜けないので、石が選べない。置いてみると、講師が逆向きに置き換えることがしばしばです。
「思っているのの反対ばっかりだ」とある人は言っていました。
「ジグソーパズルみたい」とも。
でも、ジグソーパズルみたいには簡単に置いたり取ったりできません。重いんですから。


昨日のモミジの写真は今日撮り直しました。色はちょっとあせていました。
光がないせいもあります。

紅葉はさっぱり。落葉が始まりました。

2006-11-28 | めぐる季節と自然
ここ12年ほどの間で、今年ほど紅葉がさえなかった年はありません。
全く紅葉しなかったといってもいいでしょう。
イロハモミジとタカノツメだけは、それなりに色づきましたが、モミジも色はパッとしませんでした。

今日は玄関を開けたらモミジが散り敷いていて見事だったので写真を撮ったのですが、リコーのカメラでエラーが起こり、データが消えました。信じられないことです。

今日は少し晩秋らしい風があったので、うちの横の大きなアベマキの木から、葉がいっせいに散っていました。毎年こんなふうにアベマキが道や家をうずめるように散るのです。
そうして、冬の訪れを感じます。

このアベマキもそのうちカシノナガキクイムシにやられてしまうのでしょうか。


風邪をひかないのが唯一のとりえの私が少々風邪をひいてしまい、とりえがなくなってしまいました。

おむすびころりん 何ネズミ?

2006-11-25 | 山里

NHKの幼児向け番組で、ヒメネズミのことをやっていました。

地表にいきなり出入り口の穴があって、そこから横にのびている隠れ家みたいなところです。

そこには家族ですんでいて、どんぐりをしまっています。

中部大学でネズミを研究している学生に

おむすびころりんに出てくるネズミは何ネズミ?とメールを入れたら

「僕には分かりません、すみません」と返ってきました。

とってもまじめないい青年です。

アカネズミもトンネル型の巣を作るそうです。

 

ところで、先日の小牧の岩崎山に落ちていたアベマキは

大きすぎてカケスの口にも入らずネズミも持てないんじゃないかと心配になりました。

無理やり口にくわえて飛んでいくカケスも途中でアゴが疲れてポトリと落としそうです。


どんぐりがしまってあった土の中の穴

2006-11-24 | めぐる季節と自然
「ねずみのどんぐり隠し」などという妙な森林環境教育???アクティビティーがありますが、ああいうのは都会の公園かなんかでやるといいですね。
もっとも都会の公園は、きれいに草が抜いてあって「自然観察」はしづらいのですが。
このアクティビティーを知らない方には分からない話ですみません。
要は、人間がどんぐりを森の中に隠し、ほかの人がそれを探し、ネズミの気持ちを疑似体験しながら、植物と動物の関係と森の成り立ちを学ぶというものです。

海上の森の端っこの林の中でみんなで「たねさがし」をしてたとき、はからずも、土の中の穴にドングリがはいっているのを発見しました。
ネズミ・リス・カケスがどんぐりを「隠す」という話はよく聞きますが、見たのは初めてです。よく探せば結構ありそうです。
疑似体験なんかするより、本物を探した方がはるかに面白い。
そもそも「隠し」たのかどうか分からないし、「忘れた」かどうかにいたっては、ネズミに聞いてみなきゃわからないのに、どうして忘れたと決め付けるのか。(私は「忘れた」わけじゃないと思ってます)

隠す、忘れる、という生ぐさいことじゃなくて、単にしまって取り出すだけじゃないの?

しまったネズミと取り出すネズミが同じなのかどうかも疑問だけど、一応縄張りがあったりして大丈夫なのか。ほかのネズミに取られちゃったりしたら、「しまってしまってしまった!」とか言うのかしら(いわないよ、チューでしょ)。
今度ネズミを研究している学生に聞いてみます。


この写真では見えないけど、木の根元に穴があります。
その中に丸々したアベマキが1個入っていました。
下見でたねを探していたほかの人が見つけてくれました。
こんなのを見つけるとネズミ?の息づかいを感じる気がします。

先日のECOレンジャー21では参加した子どもたちが違う穴を見つけたらしい。
うれしかったでしょうね。


あとになって、プレゼントに別のどんぐりを入れてあげればよかったと思いました。迷惑でしょうか。

黄色くなるオギと赤くなるススキ

2006-11-22 | 植物
興味のない人にはどうでもいいのでしょうが、オギとススキは似ているけれど、見慣れると全然違います。

草ならたいていのものはよく見ているつもりでしたが、中津川にはオギはほとんどないと思いこんでいたので、今までオギというものを、しっかり認識したことがありませんでした。

今年の植生調査で愛知県の平野部で、オギと懇意になりました。
その結果、うちのすぐ近くの川原にあるのはオギだったことを、はずかしながら今頃知ったのです。驚きました。

そうしてみてみると、オギの多いこと、多いこと。
今日は中央線で名古屋まででかけましたが、線路沿い、川沿い、休耕田に生えているのはオギばかりです。
写真は、オギです。

今まで全然見えていませんでした。
「そろっている」感じがするのがオギです。
ドミノの駒(というのか?)みたいに、みんなまっすぐに並んで立っています。

ススキの方が乾いたところにあるし、オギが河川堤防に多いのは、砂質のところによく生えるせいです。
ススキは刈り込みに強いのですがオギは年1度刈るとかなりやせてしまう、と岡山理科大のホームページに書いてありました。

秋になると、草も紅葉します。草もみじです。
今年気づいたのは、オギは黄色くなりますが、ススキは赤っぽくなるものが多くあります。オギほど黄色くなりません。オギは黄色を通りこしてオレンジ色がかることがありますが、ススキは赤系でも、オレンジというよりピンク系です。
カリヤスも黄色です。染色の色と多少関係あるのでしょうか。

イネ科の草紅葉は目立ちます。メリケンカルカヤは特にいち早く赤くなります。


今日は山々のタカノツメが真黄色になっていました。



※ところで、前回のカシノナガキクイムシの記事に突然トラックバックが6件も入っていたので、やはりカシナガへの世間の興味はすごいのね、と思ったら、全部H系のでした。どこにヒットするのでしょうね。不思議です。

カシノナガキクイムシ

2006-11-22 | めぐる季節と自然
カシノナガキクイムシは昨年話題になり、岐阜県では、まだ事例は少なかったのです。新潟の高根村に行ったとき、山が色の悪い紅葉のように変色していて、それがカシノナガキクイムシの大被害だと知りました。
岐阜県へは、北からと南からとせまってきたようです。
そのうち被害が出るのかしら、と思っていたら、先日の岩崎山で、あちこちに被害木があり、その進行の早さにびっくりしました。
コナラ、ミズナラがよくやられると聞いていましたが、岩崎山ではアベマキが多くやられていました。

カシノナガキクイムシは、松食い虫(マツノザイセンチュウ)と違い、在来種で、ある程度樹齢が高くなったナラを食害するそうです。
昔はナラ類は雑木として、10年~20年ぐらいで伐採していましたから、被害が出ることは少なかったのです。
今、放置され老齢化した雑木林がどんどんこの虫に食べられているというわけです。被害の広まるスピードは、今年と去年を見れば、松食い虫よりはるかに早いようです。

虫に食べられる前に、木を切って利用した方が得策です。
雑木林丸刈り大作戦です。
しかし、誰が切るのでしょう。
人工林も切る人がいなくて困っているのに。
でも、とにかく切って薪にしたもの勝ちです。
コナラやアベマキの使える材がなくなったら、よい薪はとれなくなってしまいます。

スギ・ヒノキでは枝虫とよばれるカミキリムシの被害が広まっているようです。

12月10日に愛知県で開催される雑木林研究会のセミナーのテーマは、カシノナガキクイムシです。

ECOレンジャー21 あいち海上の森

2006-11-20 | 森林環境教育
ECOレンジャー21は(株)デンソーさんが社会貢献のために行っている環境教育プログラムです。私もそのお仕事にかかわらせていただいています。

あいち海上の森センター(旧愛・地球博瀬戸会場 里山遊歩ゾーン)の山の小径と呼んでいた雑木林の中がフィールドです。すでに落ち葉がいっぱい散り敷いていました。
こんな冬の雑木林は、とてもいい感じです。これから冬に向かって、林は日に日に明るくなるのです。夏よりもうんと明るいのです。

中津川から電車で瀬戸へ行く途中、窓から山々を見ていると、黄色いものは全くないので、目的の木の落ち葉が全部落ちちゃったと思ってがっかりしていたのですが、瀬戸ではまだ黄葉してなかったようで、何とか葉っぱがしがみついていてくれました。

先週の土曜日、小牧の山に行った日、ものすごく寒くて、そんなことになったらどうしようと、一週間ひやひやしていましたが、幸いにも暖かい日でした。

まずたねをさがし、次に幼樹をさがし、次に親木をさがす、という、単純といえば単純なプログラムなのですが、日ごろそういう目で森林を見たことのない人には、新鮮だったようです。
リーダーさんにはいろいろ苦労をさせました。

坂折棚田の石積み

2006-11-17 | 山里
石積み塾をする場所には全然困りません。
くずれかかっている石積みがあちこちにあるといわれますが、一見しただけではよく分かりません。
石積みをやめてほ場整備したところもあります。

坂折棚田の石積み実習場所を見てきました

2006-11-15 | 山里
昨晩、石積み塾の打ち合わせをしてきました。いろいろ細かく決めました。
うちの事務所から坂折棚田までは、車で35分ぐらいです。

講師の柘植さんと、棚田保存会長の田口さんと、保存会の飯田さんと、恵那農林事務所の田中さんとです。
昨日雨だったので、今日の午後、棚田に行って場所を確認。3カ所に分かれて、講師3人でやります。
これを受講した人は、石積みが自分でできるようになる、はずです。

くずれている石積みをいったん完全に壊してから積みなおします。
今は重機を使ってやります。壊すのは、事前にやっておき、石積み塾の中では、積むところからです。
坂折棚田の石は、花崗岩ではなく、青石と呼ばれる石です。

毎日寒い日が続いています。当日はたき火をしなければならないでしょう。
初日の夜はししなべを目指しますが、確定ではありません。

恵那山初冠雪、きのう

2006-11-13 | めぐる季節と自然
昨日、恵那山が初冠雪しました。
一日中快晴でしたが、恵那山頂は日中も灰色の雲がかかり、しぐれているようでした。

こちらでは冬になると真っ白な中央アルプスと御嶽がよく見えます。山に近く暮らしていることを実感し、うれしくなります。

恵那山が3度雪をかぶったら、こたつに火を入れる、と中津川の人は言います。
私はとっくの昔からストーブがんがんたいています。

昨日は一日中本当に寒い日でした。
夜、車を出そうとしたら、フロントガラスに霜が下りていて大変でした。
今日は昨日よりはあたたかいですが、急に冬になってしまった感じです。


コナラ豊作の愛知県小牧市の岩崎山

2006-11-12 | 植物
本日、友人が考えた森林環境プログラムをちょいとのぞきに、小牧の岩崎山というところに行ってきました。一色小学校の親子対象です。

まず、巨大なアベマキの実を発見してびっくり。あんた何でこんなにでっかいわけ?といいたくなりました。巨峰ぐらいはありますね。
そんな実をつける木が少なくとも2本はありました。

次に、足元にびっしりコナラの実が落ちているのにびっくり。しかもそれが異常に細長い。コナラは実も葉も個体差が大きいのですが、こんなに長いのは初めて見ました。太さは普通なのですが長いのです。3センチはありました。

うちのまわりでは、アベマキも少し落ちただけで不作、コナラにいたっては全く見ません。先日、コナラとクヌギの実の虫の食害について調べてる人の論文を読んだら、コナラは豊凶の差が年によって激しいと書いてありました。
10月に行った屏風山でも、アベマキもコナラも全く見ませんでした。

瀬戸の元万博会場(あいち海上の森センター)でも不作です。
でも、瀬戸の別の場所ではなっているそうです。


恵那山のクマが屏風山まで出張していってるみたいですが、観光目的ではなく出稼ぎに行ったのだとすれば、がっかりしてるでしょう。危ない道路を渡って、人目を避けて、よいしょよいしょと行ったのに、そこでも食べるものがなくて、さまよい疲れて、うっかり人目に触れたりすると悪者扱いされて。
犯罪おかしてるわけじゃないのに。
本当にかわいそうです。
人間にも恐れるほかの生きものがあるほうがいいのです。

クマがたくさん目撃されているのは、決してクマが増えたのではない。
イノシシとシカは増えてるんですが。
たくさん目撃されてるからって、異常発生してるみたいな見方はやめてほしいですね。一番異常発生してるのは人間なのに。

セイタカアワダチソウは変幻自在

2006-11-10 | 植物
よく知っていると思っている植物でも、実は何にも見てなかったりします。
たとえば、セイタカアワダチソウの茎の10cmの間に、葉は何枚ぐらいついているのかとか。

セイタカアワダチソウは、ほかの植物と競争しているわけじゃない場所でも、ときどき唐突に3メートルぐらいの高さになっていたりします。

ほかのものに寄りかからずに、そんな高さまでまっすぐ伸びていられるというのは
たいしたものです。ほかの草にはなかなかまねのできない芸当です。

今の時期には、緑の葉は上の方の80センチぐらいしかなくて、下の方は枯れあがっています。

ある程度の高さまで伸びて、その後は葉が枯れながらも花が咲くまで伸び続けるというのは、ある意味無駄に思える期間だ、
こういうことは在来の植物にはない、
と本に書かれていました。
なるほど。

別の見方をすれば、花が咲く時期について、おそろしく律儀なひとです。
同じキク科でも、コスモスや百日草やヒマワリなどは、早く芽が出て早く大きくなったら、早く咲き始めます。もちろん限界はありますが。
セイタカアワダチソウは、自分の決めた花の時期が来るまで、じっと待って、ひたすら伸び続けている。
その間地下茎を太らるという仕事はしていますが。

反対に、秋口に刈り取られたセイタカアワダチソウは、たとえ草丈が30センチしかなくても、その時期がきたら忙しく花を咲かせます。
そんなちっちゃいのに花をつけることができる、というのも、これまたただものではありません。

セイタカアワダチソウは、ちっちゃくても一生、大きくても一生、光さえ当たればどっちでもOK。そう見ると融通性があります。

しかし、何があろうと、決めたことは絶対にやる!という生き方。
すごいやつなのか、頑固なのか、けなげなのか。
いずれにしても私にはまねできません。


冬のすずめ

2006-11-08 | めぐる季節と自然
事務所の前は南向きの法面になっていて、ニセアカシアが数本生えています。その下にはススキが生い茂っています。

ここのところ毎日、ニセアカシアの枝にスズメが群れています。何をしているのかと思ったら、ただひたすら羽づくろいをしています。
もう冬らしく丸々しています。
チュンチュン騒ぎながらやっています。静かにやれないんでしょうか。

ときどき枝から届くところのススキの実を食べています。
ススキの茎に飛び乗ることもあります。
ススキは平気でうなだれています。小鳥は本当に軽いのです。

気が向くと事務所の狭い土の上に来て地面をついばんでいます。
イネ科の植物の種を食べているものと思われます。
あんな小さなものをどうやって探すのか不思議です。
そして、イネ科の小さな果実もほかの生き物の役に立っていることが分かります。

丸々したスズメはかわいいものです。


大変寒くなりました。今日はストーブがききません。
昨日の夜から今日の午前にかけて嵐のようでしたが、再び快晴になって
大きな月が煌々と照っています。

この秋は毎日快晴ばかりで、毎日月夜です。
夜、家の中から、窓が明るく浮かび上がります。
おもては月に照らされて、草木の葉が見えるほど明るいのです。

サワガニのいる沢・くっつくたね

2006-11-04 | めぐる季節と自然
今日はサワガニさんが2匹、横歩きしていました。
カニの中には前進するのもいるらしい(カニにとってどっちが前なのかは分からないが)。
ホトケドジョウには遭えませんでした。

センターの前のアスファルト道路にはいろんなたねが落ちていて面白いのです。
多いのはツブラジイでした。

最近服にたねがくっついていると大喜びしてルーペで見ています。ダイコンソウやキンミズヒキのようなU字型のひっかけタイプは前からよく見ていましたが、先日はササクサ、今日はアメリカセンダングサを観察。先が「やす」みたいになっていて、そこに巧妙な返し針がついています。ルーペで見ているとたねが「ウッシッシッ」と言っているように感じます。
よく見えないのはアレチヌスビトハギ。小さすぎてルーペではしくみが分かりません。


今日もまたみなさんからいろんな宿題をもらって帰ってきました。
宿題をポンと入れると解決されてジャラジャラ出てくる機械がほしい。

てか、たぶん自分自身がその機械なんですね。かなり性能悪いですが。
考えなくても生きられるようになったらつまらないのでしょうか。