山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

クーちゃんの蝶豆と地這いのヘチマ

2020-08-31 | 植物

ベトナム人クーちゃんの畑に行くと、日本人とは違う作物がいろいろ植えてあるので面白い。クーちゃんのいるときときどき遊びに行くのだが、クーちゃんのいないときこっそり見に行くのも楽しい。

先日、朝早く行って見ると、びっくりするほど大きな豆の花が咲いていた。青くて、きれいで、見たことがない花。ベトナムでは普通によく植えているものなのだろうか?

ネットで調べてみると、蝶豆と言うらしくて、花で青いお茶を作ったり、実を食べたりするとのこと。やはりタイや台湾などではポピュラーらしい。

仕立て方も、縦ではなく斜めに棚を作っているのだけど、これもベトナム式か。

 

ふと横を見たら、びっくりするほど大きな黄色い花をいっぱいつけている畑。大輪の朝顔ぐらいもある花で、黄色い花畑になっている。前に会ったとき、「これトウガンですー。細長いのですー。好きですかー? あげますねー。」と言っていた。たくさん咲いているレモン色がかっているのは雄花らしく、ややオレンジがかった雌花が2つ3つある。

↑ というのは勘違いで、これはヘチマ。地這いで育てるのがベトナム流。そのヘチマを食べるのである。トウガンはこの隣の畑で白い花を咲かせていた。

黒いもこもこの花蜂がブンブン飛び交っていた。

雌花の基のところに丸い球があるかと思ったら、それらしいものがない。本当になるのだろうか。しかしクーちゃんはハノイの大学の農学部出身だし、間違いはないだろう。

実がなるのが待ち遠しい。いくつかは私のものになるはずだ……。

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ミソハギも終わりかけ

2020-08-30 | 植物

10日ほど前に2日だけ夕立が来たらうんと涼しくなり、秋になったと思ったのだけど、その後酷暑が続いている。うちは標高330mだけれど、朝9時には家の外の空気がうんと暑くて、窓を開けても熱気が入るだけだ。西側のテラスには何重にも布やらシェードやらを垂らして、日が建物に当たらないようにしている。

あと20年ぐらい?だかすると気温40度超えが日常になるらしい。今年だけの暑さを我慢すれば済むということではなく、これから先ずーっとこんな感じだということだ。こんな世の中になるなんて。昔はよかったと言うしかない。

 

ミソハギはずいぶん花期の長い花だ。とはいっても、小さな花が一つ一つ次々に咲いているわけで、1つの花はそんなに何日も咲いてはいないだろう。7月に入ってちらちら咲き始め、8月のお盆頃盛りを迎える。だから地域によっては盆花と言われていて、盆棚や仏様に供える。

4年ほど前に友達にほんの少し根をもらって、敷地の隅っこに植えたらすごい勢いで増えてしまい、今では拡大しすぎないように刈ったり抜いたりしなければいけなくなっている。農業用水が流れ込んでちょっとこっちの方に漏れてきているところがこのミソハギさんにぴったりだと思い、そこに植えたのが大当たりしたのだ。ミソハギはよく山間の田んぼの隅っこに生えている。

このひとかたまりのミソハギは、ふれあい農園ではとてもよく目立っていて、みんなの目を楽しませている(と思いたい)。それも、だいぶん花が減って、そろそろ終わろうとしている。明後日からもう9月とは。

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75年前の8月15日に

2020-08-15 | 山里

1人暮らしのお年寄りの家を何軒か回った。この暑さの中でどうされているかと。

皆さん冷房をつけて、お元気で。いつも思うのだけど、私自身が一番不安だ。お年寄りの心配をしている場合ではないと。

 

で、中で一番年長の女性の方と玄関先でしばしお話。期せずして敗戦の日のことになった。

その日、13歳だったその方は、学校からみんなで山へ薪を採りに行っていて、ラジオの天皇陛下のお言葉は聞かなかった。山から帰ってきたら「戦争に負けた」ということになっていて、驚いたと。

お兄さんも出征しておられたので、戦争終結して内心ほっとして嬉しかったのではと想像したが、「とても悲しかった。なにしろ、負けるなんて全然思ってなかった。勝っているとばかり思っていたから」と。

その日のことは、本当に今もはっきりと覚えているそうだ。

75年なんてあっという間に経つのだろう。その間に世の中は本当に変わった。途中で燃料革命という大革命もあった。それらの移り変わりを全部見てこられたのである。

驚くことにこの方は、家も庭も完璧にきれいにして、突然訪問してもいつも非常にきれいな身なりをしている。田舎に住んでいるとほとんどの人はズボンをはいているが、いつもピシッとしたスカートとブラウスを着て、髪もきれいに整えている。今日はピンポンしたらきちんとマスクをしてから玄関を開けてくれたのである。毎朝涼しいうちに庭の手入れをしているらしい。庭木の剪定も全部自分でしているのである。

なんてこった。

こういう方とお話しできることに感謝する。

 

写真/タチアオイ。花びらに透け感のあるこの花がとても好きだ。ハイビスカスと同じアオイ科。ハイビスカス同様、花びらが、布地にワッシャー加工をしたみたいに皺しわしてマット感もあるのが、本当に好ましい。いつまでも眺めていられる。梅雨時に咲くのですぐ倒れてしまう。7月上旬。向こうに笠置山。

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