日産が 「エタノール」 を燃料とする燃料電池を発表した。
まだ技術発表で、すぐ実用化するワケじゃない。
JAROな日産のやる事、また混乱が起こる気が…。
概要を見れば、エタノールから 「水素」 を取り出して燃料電池で電気にする。
トヨタやホンダが純粋な 「水素」 を使うのに対し、エタノールで供給するから安価という主張です。
ある意味、 かなり利便性の高い燃料電池車(レンジエクステンダーだが)。
但し、エタノールから 水素 を取り出すために 水 が必要だとか、水素と同時に二酸化炭素(温暖化ガス)が発生するとか、どう考えても環境に良いとは思えない。
水は燃料電池で発電した後に出るのをリサイクルするとあるが、もしかしたら 燃料補給時に エタノールと水を別々に補充するなんて事も?
まるで、石炭と水を同時に補充する 蒸気機関車みたいになりそう(汗。
独自のFCスタックも、作動温度が 700℃~800℃って 常識的に考えて 「怖い」。
この温度帯、ディーゼルエンジンの圧縮熱(およそ800℃)で 軽油が燃える温度ですよ!
そもそも、電気自動車のレンジエクステンダー(補助電源)に使う予定って、どこから 800℃まで加熱するエネルギーを取り出すか考えたら 「返って非効率にならんかな?」 って思ってしまう。
何かのトラブルで車が燃え出すケースもありそう、バーベキューはゴメンです。
…そういえば、最近のニュースで ハイブリッド車から出火する事故が妙に目立ちますね(脱線)。
まぁ FCスタックの 800℃ってのが技術的に実現・安全が確保されたとしても、やはり怖さが拭えない。
海外、とりわけ米国の自動車レース史に詳しい方なら 「エタノール」 の怖さはピンとくるのでは?
ガソリンと違い、一旦火がついてしまうと 物凄い高温になる。
更に怖いのは、「炎が見えない事」!!!
エタノールの炎はほぼ透明(真っ暗な中では淡い青)で、昼間じゃどこが燃えてるのか判らない。
事故シーンで、コースの上を人がのた打ち回ってる(エタノールの炎に包まれてる)が、消化する側もどうしていいのか(何処を消化するのか判らない)パニクってるなんてのが良く見られた。
近年では、マツダ の 「風籟(エタノールを使うロータリーエンジン)」 を、TOP GEAR というTV番組スタッフが全焼させたなんてのがあったし。
エタノールは取扱いが難しいし、ある意味 ガソリンより漏れた時は怖いんですね。
冷静に考えると、日産の研究中発表されたこのシステムは 「安価」 「補充が楽」 というメリットと、 「高熱」 「安全性」 というデメリット がせめぎ合うものに見える。
トヨタやホンダの燃料電池車が使う 「水素」 の方がエタノールより火が点いた時の 爆発力 は圧倒的とはいえ、流れ出して延焼するという点では逆に危険かな。
更に、エタノールから水素を取り出すって事は、量が判らないけど 爆発の危険性があるって事ですよね?
800℃のFCスタッグに 水素を送り込むって、素人から見ると何か怖い。
ある記事によると、「水素」 が発火するのは 570℃前後という記述があった。
エタノール自体も、確か400℃位で発火したような気が…。
…まだ実現の目途が立ってない 「研究発表」 って事ですが、日産さん 是非 「安全第一」でお願いしたいものです。