わたしは不勉強にして、PTAのシンポジウムに出るまで
寺脇研氏のことを存じ上げませんでした。
もちろん、「ゆとり教育」の推進者だったことも。
でも、シンポジウムで生寺脇氏を一目拝見し
「ひとかどの人物」だと直感、
氏の発言がいちいち理にかなっていると感じたので
会場でも売っていた
この本を読んでみる気になりました。
『さらば ゆとり教育
A Farewell to Free Education
-学力崩壊の「戦犯」と呼ばれて』
著:寺脇 研
光文社ペーパーバックス、2008年
「ゆとり教育」を推進された方の本。
「ゆとり教育」って何なのでしょう?
恥ずかしながら
円周率が「およそ3」になることくらいしか
認識していなかったわたし。
「円周率3」については、大手塾「日能研」の
広告戦略だったことが言及されています。
学校が週休2日制になったこと、
教科書が薄くなったこと、
生活科が新設されたこと。
これも、「ゆとり教育」の一環だそうですが、
その真のねらいは、
「成熟社会で自己実現するための教育」
だそうです。
多様な価値観を持つ社会にシフトしている昨今、
自分で自分の生き方を決められるように、
自分の頭でものを考えられるように、
乏しくなりつつある「体験」を
授業に取り込む工夫・・・etc
「ゆとり教育」の特徴や意義、
導入された歴史的背景を縷々述べておられます。
また、「ゆとり教育」への批判も現在あるそうで
官庁の裏話を含むそれへの反論が
小気味よい。
この本や寺脇氏への批判も、ネットを見ると
けっこうあるようですが、
わたしは総じて、面白く読めました。
寺脇氏の
説明の歯切れの良さ、
論旨の明快さ、
ものの見方の公正さ
(例えば、論敵を「軸がぶれない」という点から評価)
は、小気味がよいですし、わたしにとっては好印象。
けれど、「わかりやすさ」の裏には
何かがこぼれていそうで
心配を感じるのも事実ですが。
また、氏が主張している価値観
「過度な公平」より「公正」(悪平等の対の概念)
「分をわきまえる」のは大切(自分の能力を知る)
集めた情報や知識を吟味し《本質を見極める》力が必要
「全教科平均に好きになれ」は無理な話、
得意を見つけてそれを伸ばせ
知識をただ詰め込むより、そこに至る考え方を
理解するように
偏差値による輪切りで、自動的に進路を決めるのではなく
本人の意志を尊重せよ
などは、自分がもともと持っている価値観に
ほど近く、「はっ」とさせられつつも
頷きながら読めました。
・・・もっとも「ゆとり教育」批判本も読まないと、
教育については語れないかも知れません。
わたし、まだまだ、ものの見方がアレかも知れません。
10年経って再読すると、感想が変わるのかしら。
芯のところは、子どもがハッピーで
自分の人生をたくましく生きる力を身につけてくれれば
それでよいではないか、とも思うのです。
寺脇研氏のことを存じ上げませんでした。
もちろん、「ゆとり教育」の推進者だったことも。
でも、シンポジウムで生寺脇氏を一目拝見し
「ひとかどの人物」だと直感、
氏の発言がいちいち理にかなっていると感じたので
会場でも売っていた
この本を読んでみる気になりました。
『さらば ゆとり教育
A Farewell to Free Education
-学力崩壊の「戦犯」と呼ばれて』
著:寺脇 研
光文社ペーパーバックス、2008年
「ゆとり教育」を推進された方の本。
「ゆとり教育」って何なのでしょう?
恥ずかしながら
円周率が「およそ3」になることくらいしか
認識していなかったわたし。
「円周率3」については、大手塾「日能研」の
広告戦略だったことが言及されています。
学校が週休2日制になったこと、
教科書が薄くなったこと、
生活科が新設されたこと。
これも、「ゆとり教育」の一環だそうですが、
その真のねらいは、
「成熟社会で自己実現するための教育」
だそうです。
多様な価値観を持つ社会にシフトしている昨今、
自分で自分の生き方を決められるように、
自分の頭でものを考えられるように、
乏しくなりつつある「体験」を
授業に取り込む工夫・・・etc
「ゆとり教育」の特徴や意義、
導入された歴史的背景を縷々述べておられます。
また、「ゆとり教育」への批判も現在あるそうで
官庁の裏話を含むそれへの反論が
小気味よい。
この本や寺脇氏への批判も、ネットを見ると
けっこうあるようですが、
わたしは総じて、面白く読めました。
寺脇氏の
説明の歯切れの良さ、
論旨の明快さ、
ものの見方の公正さ
(例えば、論敵を「軸がぶれない」という点から評価)
は、小気味がよいですし、わたしにとっては好印象。
けれど、「わかりやすさ」の裏には
何かがこぼれていそうで
心配を感じるのも事実ですが。
また、氏が主張している価値観
「過度な公平」より「公正」(悪平等の対の概念)
「分をわきまえる」のは大切(自分の能力を知る)
集めた情報や知識を吟味し《本質を見極める》力が必要
「全教科平均に好きになれ」は無理な話、
得意を見つけてそれを伸ばせ
知識をただ詰め込むより、そこに至る考え方を
理解するように
偏差値による輪切りで、自動的に進路を決めるのではなく
本人の意志を尊重せよ
などは、自分がもともと持っている価値観に
ほど近く、「はっ」とさせられつつも
頷きながら読めました。
・・・もっとも「ゆとり教育」批判本も読まないと、
教育については語れないかも知れません。
わたし、まだまだ、ものの見方がアレかも知れません。
10年経って再読すると、感想が変わるのかしら。
芯のところは、子どもがハッピーで
自分の人生をたくましく生きる力を身につけてくれれば
それでよいではないか、とも思うのです。