草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

道ばたで自閉症と思われる青年に出会った

2010年03月11日 | コドモにまつわるあれこれ
かれこれ1ヶ月くらい前のことなのですが、

道ばたで、自閉症と思われる青年に出会いました。


近所に公立の養護学校がありまして
よく皆さんで、近所をお散歩していらっしゃるのを
見かけています。

そういえば、プレーパークでも、自閉症の青年と
出会ったことがあります。

彼は心の優しい方で、
言葉を発することは出来ないのですが
こちらの言葉はわかりますし、表情や身振り手振りで
意思疎通はできます。

もしも、彼が絵をお描きになるのなら
きっと素晴らしい絵になるんじゃないかなぁ。


えっと、話が逸れました。

その日、わたしは、最寄りの街に出かけるために
駅への道を急いでいました。
時刻は10時過ぎと記憶しています。

付き添いのお兄さんに連れられて
自宅近所の養護学校に行く途中とおぼしき
青年(年の頃は15前後?)が、

道に、うずくまっているのです。

その様子は、わたしには、まるで、2歳のこどもが
「もう歩けないよ」とうずくまっているのと
重なって見えました。

2歳児なら、おんぶするなりだっこするなりして
目的地へ連れて行くことが出来ますが、
相手が青年では、そうも行きません。

近づくと、冬なのに彼は、素足になっています。
脱いだ靴と靴下は、介助のお兄さんが
持っていらっしゃいます。

どうにも放っておけなくて、
彼のそばへしゃがみ、背中に手を置きました。

・・・すると、彼の思いが伝わってきました。


  つらいよ。苦しいよ。

  悲しいよ。もぉ嫌だ・・・。


彼のこころは、絶望で真っ暗な様子。
こちらまで、涙が出そうになってしまいました。
(書いていて、今でも)

おそらく電車に乗って、ほんの500m歩いてくるまででも
2人とも、大変な努力をなさっているに違いありません。

介助の男性は、彼の手のひらに何かを書いて
メッセージを送っています。

そこで、わたし、声掛を間違ってしまいました。

「君が、すごく頑張っているの、
 伝わってくるよ」

って。
すると、彼は、わたしの手をすごい勢いで
ふりほどきました。


そりゃそうだよね。

「頑張れ」は時にはNGワードなのだから。

元横綱の朝青龍がキレて、ファンをなぐった
きっかけの言葉だって「頑張れ」ですもの。

「今、目の前のあなたが頑張っていることを
認めません、もっと努力しなさい」というのが
「頑張れ」に含まれるメッセージなのだから。


介助の男性が、わたしに謝りそうになるところに
あわてて、
「どうぞ気になさらないで下さい、
わたしが余計なことを言ったものですから」
と逆に謝って、その場を立ち去りました。

彼は、ちゃんと学校にたどり着けたでしょうか。

そして、彼のようなひとが
絶望を抱えて生きる羽目になっている
この社会のありようが、とても悲しいです。

こうして、ブログに書くことしかできない
自分の無力も、また、歯がゆいです・・。