“春の憂うつ”PTAどう関わる?
NHKおはよう日本:150414(7:30頃に7分間放映)
を文字起こししてみました。
でも、本家サイト(上のリンク)でコーナーの詳しい情報がすでに紹介されているんですね。見やすいです。
なので、文字起こししたあとに出来上がった、PTA3番組の比較考察を先に載せ、私の突っ込み入り文字起こしを後に載せることにします。
PTA3番組とは下記です。リンク先は拙ブログ過去記事です。
- 「どう付き合う? イマドキPTA」NHKあさイチ!:130520
- 「ママたちの“PTAストレス”」TV朝日モーニングバード!:150402
- 「“春の憂うつ”PTAどう関わる?」NHKおはよう日本:150414
*** ここから感想です ***
ふうぅっ、映像メディアの7分間の情報は濃いですね。
朝のニュース番組の時間帯での放映は、専業母よりもむしろ出勤前の母・父へ訴求したいのかなと分析します。
番組全体の構成から、ロールモデル(お手本)を示して、「仕事で忙しくても工夫次第でPTA活動できるよ、参加してみると楽しいよ、あなたもぜひ参加してみて」という呼びかけに思えました。それを、取材という事実の断片の積み重ねにより、作り上げているところがNHKらしく、ニュース番組らしいかな。
先日のモーニングバード!は再現ドラマで半ば面白おかしくする点が民放ぽい手法だなと思いました。番組の最初で、PTAの基本(任意加入の団体ということ)や問題点を、しっかり文字化して画面に入れていただいていたのがgood job!
約10分の放映でしたが、PTAの基本や問題点に迫っていただいていました。「本来の趣旨は無くなって義務みたいになっちゃってる」「社会構造の変化とPTAのありようの変化」等のキーワードをちりばめ、考えるヒントを提供し、ご意見募集の案内をし、締めていました。共に考えていきましょう、的なスタンスを感じました。
一昨年(130520)に放映された、NHKあさイチ!『どう付き合う? イマドキPTA』では、PTAは「社会教育関係団体」「任意加入」という2点の超基本事項を、赤いマグネットにしてくれて、コメンテーターが解説しながら、ホワイトボードに、バンッ!!、バンッ!!、と大きな音をたてて2度に分けて貼ってくれました。なのでこの2点は超印象に残りました。hyper good job!!
放映時間はよく覚えていませんが、確か1時間半以上だったかと。「PTAが人権侵害になっている」という切り口での内容だったと思います。反響FAXの紹介で締めてました。
それに対して昨日のNHKは「PTAというのは、そもそも任意の団体」と記者の口頭で、テロップなしで一言でさらっと済ませた上に、無理矢理保護者の気持ちをある程度規定して、みんなが納得し活動しよう、というPTAのススメで締めてしまいました。
あさイチ!放映後に何があった?NHK。
と勘ぐってしまいます。
昨日のNHK番組の意図を、私なりに考えてみました。
- PTAは、改革の前に説明責任をはたせ、ということかもしれません。
- PTA、変えたければ中に入って変えるのが本来の筋。だから、力のある人になるべく活動参加してほしい、ということかもしれません。
『PTAをけっこうラクにたのしくする本』の大塚玲子さんのほうが、よっぽど現状をよくわかってらっしゃると思いました。
東洋経済オンラインの記事は必読です。
*** ここから文字起こし(緑色は突っ込み) ***
■導入:
男性アナ「子どもたちは入学や進級で心弾ませる時期」
女性アナ「一方で保護者の中にはこの時期が憂うつと考える人も。理由はPTA」
(…いや、ほとんどの保護者が憂うつでないかい?)
ある小学校入学式での保護者インタビュー
- 保護者1「忙しそうなイメージと大変そうだなというイメージ」
- 保護者2「仕事があるから平日休まなければいけないか心配」
PTAの活動内容紹介
- 登校時の旗振り
- ベルマーク
(ベルマーク箱の横にご意見箱映る)
など、多岐にわたる
(…おいおい…理念や目的はどこに?)
不安や疑問の声として、キヅキさんの『ナニコレPTA』紹介(ブログ画面が映る)
- PTAはマニュアルもない、引継ぎ書もあるような無いような
- 実態が分からないなど、仕事が見えない不安
- 役員のなり手が見つからず、くじ引きやじゃんけんという決め方
■事例:
フルタイムで働く女性、顔伏せインタビュー。3年連続くじでPTAの委員に。日中の会合に参加するためには、何度も有給休暇をとる必要があった(手帳が写る)。
- 「集まることに意義がある」
- 「決定したという決定事項にするために集まりがあって、行くか、という感じ」
- 「私はことし1年間何事もなく終わればいい。それしか考えていない」
■スタジオ:負担や疑問に感じても…PTAどう関わる?
取材した記者(清 有美子氏:生活情報チーム)とアナウンサー2人の対話
男性アナ「確かに敬遠したいという雰囲気ありますよね」
清記者
- 仕事の中身が良くわからない、というのが(敬遠される)大きな理由の一つ
- 働く女性が増える中、負担感が多く、なり手が決まらない
- 企業と違って多くが一年で役員や委員が変わるため、長期的な視点がもちにくい
⇒「波風立てずに乗り切りたい」という気持ちになりがち
東京大学 瀬地山 角 教授(PTA活動に参加した社会学の専門家)のコメント
- 中長期的にデザインをする人が誰もいないことがいちばんの問題
- 3年後のPTAをどうするべきか誰も考えていない
- 前例を踏襲することがいちばんコストがかからない構造が大きな問題
清記者
こうしたなか、PTAを「参加しやすい」という形に変えようという動きもでている
(…おいぃっ!問題点の掘り下げはどこ行ったぁ?)
■取材:PTA改革 動き出した親たち
東京都大田区某小学校の事例:
- PTA委員決めの映像(昨日)
- 役割の説明:下記の他いずれも年1回、役員が詳しく説明したとの由
- 保護者のまとめ役
- 当番表作成
- 校庭開放
- 防犯パトロール
- 図書委員に少なくとも3人の立候補
- 立候補した会員のコメント
- 「立候補する気持ちにもなります、(仕事の)内容が実際分かると」
- 「最初に(仕事が)分かっていたほうが自分の予定が立てやすい」
(えっ…?これくらいで改革!?自校PTAとっくにやってるんですけど…立候補も結構いますけど…) - 立候補者が出る理由は、2年前の改革(当時の映像)
- 当時の役員9人中6人がフルタイムで働く母親
- 頻繁に開かれる日中の会議等いままでのやり方では活動が続かないと改革に乗り出した
- PTA会長(平川理恵氏)のコメント
- PTA活動そのものが組織疲労している
- 何だか分からない中でずっと行われてきた
- 改めて精査してくべき
- 改革1:業務の見える化
(…表があり簡潔で分かりやすいマニュアル、これはいいお手本。業務負担がよくわかり、真似したい) - 改革2:負担だった業務をスリム化
- 地域のお祭り、コーラス、ママさんバレー等を廃止(※いずれも子どもと直接関わりがない)
- 会議の回数、半分以下に削減
- 改革に関わった役員の一人の事例(お子さん3人、仕事有)
- 感想:活動に関わりやすくなった
- 以前の役員時:多い時は週4回学校に
- いま、会合は月に1回あるかないか
- 以前集まって行っていた活動報告は、ネットで共有
(…サイボウズっぽい?よくわからない) - PTAのために会社を休むことも減り、活動に前向きになった
- 感想:PTAやると楽しさや学校が身近に感じられる
- みんなが一緒になってみんなで子育てをしていく、そういう関係がPTA活動として醍醐味(笑顔)
(…家族支援士の視点としては、共感。社会的に意義あることだと思う。けれど、PTAが良い雰囲気で回っていることが前提)
■スタジオ:活動しやすいPTA改革
女性アナ「仕事の見える化とスリム化が大事なんですねぇ」
清記者「そうですねぇ。PTAというのは、そもそも任意の団体…」
(おっとぉ!テロップなしでさらっときたよ!)
清記者「…なんですけれども、子どものためや地域のために貢献したいと思っている気持ちの親は多いと思います。先ほどの小学校のように工夫を重ねることで、みんなが納得し、活動しやすくなると思いました。」
(はいぃ!?どうしてその結論???……もやもや……)
男性アナ「PTAについてお伝えしました」