熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

目次

作品 文章 写真 販売品

漆の話

2020-10-11 00:01:36 | 文章

10月10日(土)、雨。

台風は三宅島御蔵島方面に豪雨のニュース。
その昔、三宅島では坪田で泊まりました。40年くらい前の話です。
三宅島は確か政治家・浅沼稲次郎さんの出生地。浅沼稲次郎といっても、若い人の多くはは知らないかもね。
はるか南に、お椀のような形に見えたのが隣の御蔵島でした。
宿泊先の店では、一本のツゲの木がオブジェとして使われていました。その枯れた一株を見つけて、無理を言って購入。重いのを承知で、担いで帰りました。そのツゲからは一組だけ駒にしました。しかし、加工が中々面倒なので残りの部分は、今でもそのまま残しています。

さて、今日は漆の話。
先日、工房に来られた方と、漆の話になりました。
「日本産漆と、中国産漆との違いについて」です。

「そうですね、顕著な違いはよくわからない。強いて言えば、乾いた後は日本産漆の方が固いということでしょうか。表面の固さが違うと思います」。
日本産漆は、少ない量しか採れません。数年前、日光東照宮の修復工事がありました。その時は、日本産漆はほとんどこれに充てられたので、市場には出回らなかったことが続きました。
日本産は50グラムのチューブ入りがおよそ1万円。対して中国産は千円ちょっとで、値段差は10対1。
ですので下地工程には中国産。最終工程の盛上げには、性能のちょっとの差を信じて日本産を使っています。

とはいえ、同じ日本産でも性質的には、より堅かったり柔らかかったり、乾くのがはやかったり遅かったりと、性質の違いはある。
それをできるだけ均質にして使うという考えで、時々で買い求めた漆を3種類、場合により4種類ほど混ぜ合わせて使います。
もちろん、漆は混ぜ物をしていない蝋色を選びます。

ところで、次は何について語ろうかな。
質問でもなんでも、聞きたいテーマがあれば、コメントでお寄せくださると助かるのですが。

コメント (2)
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