熊澤良尊の将棋駒三昧

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五角形将棋駒の成立について

2021-10-28 01:35:52 | 文章

10月28日(木)、晴れ。

以前、このことをブログに書いた記憶がありますが、ポイントについて、改めて書くことにいたします。
なお、研究者の中には「船の形や絵馬の形」だとかを言う方がいますが、論理性が無く、単なる思い付きに過ぎないことだと思います。

さて、なぜ日本将棋の駒が5角形になったのかです。
①、道具を使う遊びが定着し永続するには、道具がたやすく得られることが重要だと考えています。
因みに東南アジアなどでは、石ころや貝殻がそのまま駒として使ったり、漢字文化の中国では木の枝を輪切りにしたところに文字を書いて駒にしました。

②、その昔、将棋の原型が日本へもたらされた時、わが国には「木簡」という恰好な材料が身近にありました。木簡は、文字を書いて記録したり、札として使われたりするモノで、先人は木簡を適当な大きさに削って、文字を書いて駒の素材としました。

③、最初は札のように四角いモノだったのかもしれませんが、一方の先を削って方向性を持つ5角形にするのは工作上も容易いことで(むしろ、木の繊維に逆らって直角に切る方が手間がかかる)、山形の示す方向で敵味方を区別することを思いついたのは先人の知恵であり、自然なことと考えます。

④、これは外国の駒のように、色や文字の違いで敵味方を区別するのではなく、同じ一つの駒をどちらにでも使える合理的なモノでもあり、敵から取った駒を、味方の駒として再び使える日本将棋のルールを成立させる密接かつ重要要件でもあります。

本日は、ここまで。

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