8月26日(月)、おそらくは曇り。
只今制作中の「空蝉」。木地は、御蔵島ツゲ。彫った文字は埋め戻し、これから文字を漆で盛り上げる直前の映像。この段階でしっかり磨き上げています。映像は左側から窓の光が差し込むやや薄暗いところで、ノンフラッシュで撮影しました。そのため左側の駒は、映る角度で窓からの光が反射して映っています。
完成にはもう少し日にちを要します。使用する漆は、日本産の「蝋色黒漆」と「木地蝋色漆」。「蝋色漆」は乾くと、表面がマット調というか蝋の表面のような鈍い光沢になります。「蝋色漆」の名は、これに由来し、塗り立てで乾固させた表面は、さらに磨くことで深みのある光沢へと進化します。
普通は、磨いて光沢を出して仕上げますが、時には塗り立てのままで仕上げることも。今度はどうするかは、クライアントの意向をお聞きしようと思っています。 なお、塗り立てで仕上げた文字は、実際に盤上で使用し空拭きを繰り返すことで、徐々にマット調から光沢へ変化し、そのプロセスが楽しめます。
「玉将」が2枚と「香車」1枚を余分に作っています。香車一枚は、根付にしようと思います。