知り合いのブドウ園に行ってきた。
毎年、美味しいブドウに出会えるのが楽しみだが
今回は少し時季が早かったようで
たくさんの種類のブドウには出会えなかった。
ブドウの日本への渡来ルートは
奈良時代にペルシャ・唐・新羅を経由して入ってきた。
正倉院宝物殿には葡萄唐草文の染織品が納められている。
おそらくその時代のブドウは、
珍しいだけで美味しいものではなかったろう。
かつてライン河沿いのブドウをつまんだことがあるが
ほんとうに不味い味だった。
勿論、これはワイン用に栽培されたもので
果実として食べるものではない。
こんなに不味いものが時間とともに
芳醇なワインに変化していくことの不思議さを
古いシャトーの地下室で味わった。
人間の欲望は尽きることがない。
大きいものはもっと小さく
小さいものはもっと大きく
あと20年もしたら巨峰をはるかに凌ぐ
一粒がリンゴほどの巨大なブドウが出現するにちがいない。
鳴きながら次元超えゆくつくつくほうし