ぼくの詩の理解者である男が亡くなった。
コロッケをもって訪ねようかと思っていた矢先のこと。
そのうちに、そのうちにと延ばしているうちに
こんなことになってしまった。
13日、大勢のご先祖さまが還ってくるというのに
まるですれ違うように彼岸に旅立っていった。
里山を愛し 里山の自然を守り
元気なころは幾日も山にこもり
夜行性の禽や獣の写真をとった。
それらの作品はNHKテレビにも紹介され
その分野では名の知られた写真家でもあった。
短歌を詠む彼とぼくの中には同質の血が流れていて
あまり喋らなくとも理解し合うことができた。
去年の今頃、
屋敷にはキツネノカミソリがびっしり咲いていて
わが家にも株分けしたいと話したことが
鮮やかに想いだされる。
享年82歳 やっと愛妻に再会できる・・・ご冥福を。
日暮れてふくらみゐるや盆の村