ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

真夏の夜の驚き

2010-08-17 11:40:18 | 日記・エッセイ・コラム

10年ほど前、こつぜんと失踪し
それっきり何の音沙汰もない友人、
ぼくはとうに死んでいるとおもっていたが
最近になって生きていることが判った。

東京のある地区でホームレスの中に彼を見つけ
言葉をかけた人物の話である。
「皆 心配してるから一度家に連絡したら」
と 伝えたそうだ。
彼は何も応えなかったが
あきらかに彼本人であって
人違いなどでは決してないという。

この頃急に百歳以上の老人の所在不明が
取りざたされているが
結局は彼のように突然、
家族を捨て ふるさとを捨て 絆を捨てて 都会の隅で
ゴミのように暮らし やがて病死や事故死など
だれにも知られないままこの世から消えていく。

しかも家族が死亡届や失踪届を出さない限り
彼らは永久に生者として生き続ける。

Sよ、そんなところで朽ちていくなんて
悲しくはないか・・・・・・

       生きていることのよろこびつくつくほうし