写真,桜だと思いますが,何という種類でしょうか,近所を散歩中に撮りました.
うつ日記NO3です.昨日のNO2までは,後日思い出しながら付け足したものです.実際の日記は2月27日から書いています.
2月27日
明日,医者に見せる文章を書きながら,6時まで会社にいる.
多少の雑務処理,相談事項などがあり対処したが,
いままでよりかなりのエネルギーが必要で負担感が強い.
親身になれないのか,なりすぎて心が必要以上に反応するのを避けているのか,
面と向かって話を聞けない,聞くのがつらい.
帰りは通勤バスに乗らず,歩いて25分ほどかけ,最寄りの駅まで行く.
何も考えず歩くのは心が楽である.
気分が少しよくなったのでパチンコでもと思ったが,やめる.
寄り道せず,家に帰る.電車の中でいろいろと考える.心が重くなる.
家には7時過ぎに帰ったものの,夕飯はまだでやることがない,
イライラして落ち着かない.いままでなんとなく,
あるいはおもしろく見ていたテレビも見る気がなく,おもしろさを感じない,
このまま,何も食べず睡眠薬を飲んで寝てしまいたいとも思ったが,
今後のこともあり,食欲もあまりないが,どうにか夕食をとる.
妻に明日,精神科へ行くつもりであり,
いまの精神状況だと先ほどのプリントを見せる.
妻も私の異常には気がついており,理解してくれたようだ.
毎回二人で楽しみに見ている米国の連続テレビドラマのDVDを
借りてきてあるので,二人でいっしょに見ましょうということになる.
しかしおもしろさを感ぜず集中できない,
場面,場面でなぜか心が痛みつらい.
しかし,妻に励まされながら,横になりながら
半分トロトロしながらどうにか2時間半にわたる3話を見終える.
途中から少し集中して,心もそう痛まず見られたような気がするが,
かなり疲れた.
風呂に入る前に20分ほど散歩に近いジョギングを行う.
リズムよく走るとセロトニンが増え,鬱が解消されると聞いて,
2~3日前から心を落ち着かせる目的もあり,ゆっくり走っている.
11時半アモバンを飲んでベッドにはいる.
ステロイド剤が効いてきたかここ2~3日,咳はほぼ収まっており,間もなく眠る.
2月28日(木)
朝5時に眼が覚める.再眠できず7時半まで悶々とする.
今日は精神科に行く予定であるが,妻は久しぶりに友達と映画を観て,
ランチを楽しんでくる予定を前々から組んでおり,一人で行くことにする.
車で20分ほどなので負担感はない.
昨日書綴ったものを読んでもらい,診てもらうことにする.
今朝は気分がよく,胸の重みも感じない.
ひょとしたら治ったのかもしれないと期待する.
しかし,病院に入った途端,喉への痰の絡まりが異常に気になって仕方ない.
なんどもトイレに駆け込み痰を吐く.ほとんど痰はでないのだが,
喉に絡まるの異常感が気になる.
ちょっとしたことでも過敏に感じてしまうようである.
1時間半ほど待たされ,診断を受ける.
4年前も診てもらったことのある理知的な清潔感のある女医さんである.
持参した文書を渡す.
「え,私が読むの」といいながら徐々に熱心に目を通してくれる.
多少,会話を交わし,状況を確認した後,
エネルギーがないなど,やはり典型的な鬱の症状であるということで,
抗うつ剤パキシルと精神安定剤コンスタンを出すので,それを飲んでください.
また2週間後にきてくださいということになる.
昼前に家に帰る.今日は胸のつかえ,重みもなく,
気分もよいので午後から会社に出ようかとも思ったが格別の用事もなく,
原因の一つは仕事にもあるので,電話して,今日は休みとする.
気分はそう悪くない.天気も暖かく,春の感じである.
近所の梅も咲き始めている.梅の花でも撮るかということで,
半年ほど前に買ったD40Xを携えて,一時間ほど近所をブラブラする.
まだ3~5分咲きで,満足のいく被写体,ポイントがない.
撮影技術も未熟である.20回ほどシャッターを切り,帰るが,
プリントしてみるかと思えるものは一つ,二つである.
妻がまだ帰ってこないので,ゴルフ練習に行くことにする.
精神力は落ちているが,体力がそう落ちているわけではないので,
運動は,集中できれば楽しいはずと思う.
平日は2時間打ち放題である.
しかし,球を打ちながらも,半分はうつ病のこと,
体調のことを考えてしまっている.
軽い吐き気,頭痛を覚える.
風邪が残っているのかなと思いつつ,やっぱり鬱のせいかなと意識する.
ゴルフはいつものとおりである.時折よいショットが出るが,続かない.
うまく当らない,打てないのはいつもだが,今日はそれにとてもイラつく.
心が落ち着かず,いろんなことに異常反応してしまうことに焦りを覚える.
集中できなく,咳も痰も出だす.イライラとつらさも感じるので
30分ほどでやめようと思ったが,せっかくだから,もう少しやろうと考え直す.
飲料で心を落ち着かせ,ミスショットが出たらクラブを替え,休み休み球を打つ.
1時間過ぎたあたりから,吐き気,頭痛も感じなくなる.
運動でセロトニンが脳に少し分泌されたのかもしれない.
2時間近くで,250球を打つ.気分は悪くない.胸の重み,つかえも感じない.
家に帰ると妻が帰ってきていた.鬱と診断され,
抗うつ剤を飲みながら,あまり無理しないようにして,
仕事を継続することと今の心体の状態をいろいろ話す.
覚悟していたと見え,別にショックを受けた様子もない.
テレビもおもしろくなく,何もすることがなく,落ち着かない.
妻は私の神経質な話を聞くのにいい加減疲れているのであろう.
黙々とパズルゲームをやっている.
2週間前までは私もいっしょに競ってやっていたゲームである.
しかし,今はいっこうにやる気がおきないし,
考えることができないのでイラついてしまい,心が重くなる.
手足,体を動かす以外落ち着くことができない.
散歩に出かける.帰ると,「夕食なににする」と妻か聞く.
正直食べたいものがない.食べるのが怖い.
そもそも今回,最初に鬱かもと思ったのは,
いつもならとうまいと感じていた焼き肉を長男夫婦と日曜に食べに行った時,
味を感じなかったことにある.
5年前,やはり鬱になった時,いつも食べる定食屋のランチが
味がなく,食べられなかった時のあのいやな感覚,
それからの,精神的苦痛がフラッシュバックのようによみがえってきたのである.
それ以来,食事がおいしいと感じない.食事をするのが怖い.
よく考えれば,普段もいつもいつも,
おいしいと感じて食事をしていたわけではないが,
ただ,やはり日に3度の食事がおいしくなく,怖いというのはつらい.
食欲以前の問題である.
生命体のエネルギーが大きく減少しているには間違いない.これはやはりやばい.
それでは,「ストレス解消にどこかにドライブでもしよう.
そして,どこかのレストランでの食事にしよう.
「まずかったら食べなくてもよいではないか」ということで,
あてどもなくナビを頼りに混雑を回避しながら,西へと車を走らせた.
車の運転は苦痛ではない.
しかし,夜の知らない狭い道はストレスがかかるようである.
緊張すると咳が続き,止まらなくなる.痰も止まらない.
気管の炎症はなくなっていない,
またあの激しい咳がぶり返したらどうしようと考えるとまた不安になる.
普段なら大げさに感じないことに過敏に反応してしまう.
この神経体質は困ったものである.
結局,3時間ほど車を走らせ,途中の和風レストランにはいる.
寿司10カンとシジミのみそ汁を食べる.
シジミのみそ汁はおいしく飲めた.
寿司はおいしいとは思わなかったが一つ一つにボリュウム感がないので,
心理的にプレッシャーを感じなかったのかもしれない.
食事のあと,再び喉への痰の絡まりが気になり,
家に帰り,飴をしやぶったり,うがいをしたり,
でない痰を何回も出すことを試みたり,せわしなくいろんなことを繰り返す.
知らない人が見たら滑稽に思うだろう.
何年か前,痰が喉の上端に絡まるような気持ち悪い経験が何ヶ月か続き,
あのいやだったことを感覚を思い出してしまい,居ても立ってもいられなくなる.
パキシルとコンスタンを1錠飲む.しばらくして,喉への不快感がなくなる.
気持ちも楽になる.アモバンに頼らず眠れそうに感じる.
11時半にベッドにはいり,消灯して目を閉じる.3時前に目が覚める.
すぐにアモバンを3.75mg飲み,再びベッドに入る.7時まで眠る.
2月29日(金)
会社まで妻に車で送ってもらい定時に出社する.
メールとワークフローおよび机に載せられている書類などのチェック,確認をする.
30分ほどで終了.ネットで新聞その他の各種情報を見る.それも10時には終了.
やはり痰が喉に絡まり気持ちが悪く,飴をしゃぶると余計酷くなる気がする.
いままでは飴で解消していたので,やばいと思う.冷や汗がでる.
水を飲んだり,うがいをする.痰だけではなく,
副鼻孔からの鼻汁もあるのかもしれない.
いつもは唾液といっしょに飲み込むがそれができない.
粘性が強いか,薬の副作用で唾液が少ないのかもしれないなどと,
ネットで情報を調べながら考える.
部下が仕事相談に来る.いつもなら,自分でやってしまうことも,
このポイントだけは押さえてくれればよいからと指示して,
彼に後はまかせる.これでよいのかもしれない.
ただ,ポイント部分の説明の時,なぜかまた咳がこみ上げる.
午後からはメールチェックをしながら,
関西地区総合職面談の指示をメールで行う.
残り時間で鬱日記を書き始める.飾らず,熱中して書けている間は,
喉の異常も咳も気にならない.6時半に会社を出る.
帰りバスの中で同僚と会話を交わす.彼も風邪か花粉か気分がすぐれないという.
スポーツジムで体を動かすとストレス解消になり,いいですよなどの話をする.
みんな,それぞれストレスがあり,努力しているのだのかなぁと思う.
7時半過ぎに,家に着く.
夕飯は,なににすると聞かれる.食べたいものも別にないので,
あっさりしたもので自然素材そのもの,「ほうれん草のおひたしと大根おろし」
とこたえ,無理して,ご飯一膳を食べる.
体質が変わり急に味覚に敏感になったのか,人工的調味料,甘さにやけに敏感になり,濃いものには気分が悪くなってしまう.
テレビもニュース,ドラマなどは見る気もおきなく,
世界卓球で日本女子の活躍を時々集中してみる.
喉への痰の絡みが気になって仕方ない,とても辛く感じる.
いろいろなものについての不安感も増す.やはりセロトニンが脳に足りない.
パキシルとコンスタンを飲む.
心を落ち着かせるため軽いジョギングを交えた散歩に出かける.
冷たいが外の空気が心地よい.
鼻呼吸,複式呼吸を心がけながら,庭の植木を眺めながら,
20分ほど近所の住宅街を徘徊する.
風呂に入り,12時にアモバンを飲む,喉が気になり眠れない,
また一回寝入ったが自分のいびきで目を覚ましてしまった.
1時間ほど悶々とするが,振り出しに戻ろうと覚悟を決め,
アモバン3.75mgを飲み,再びベッドに入る.いつのまにか眠る.
3月1日(土)
6時前に目が覚める.4時間半ほど寝たことになる.
今日は休みである.もう一度眠ることを試みるが,眠れない.
10時まで悶々として,ベッドを出る.いつもの休日のように遅い朝食をとる.
納豆と炒り卵にみそ汁である.おいしいとは感じないが,
よく考えれば普段もそういう時があり,何気なく食べていたような気もする.
喉の不快感と鼻づまり感がとれないので,咳の経過報告を兼ね,
クリニックに行く.咳は多分マイコプラズマによる気管炎症によるものであり,
こじらせて咳喘息になったのでしょうとのことで,
ステロイド吸入を1月以上続ける必要があるとのことである.
また,鬱状態になり,精神科で,パキシル,コンスタン,アモバンを調合されていることを報告する.
「体調不良からそうなる人が多いのですよ,まずしっかり咳をなおしましょう」
とさりげなく言われた.
鬱と聞いてもたいしたことではないようにあまりにもさりげなかったので,
そのときは少しホットする.
会社では鬱で休職する若い社員が何人もいるので,
自分自身はかなり重大に考えており,たいへんだ,やばいと思うことが
余計苦しみを増していたのかもしれない.
喉は咳で多少腫れているがたいしたことがない,
粘性のある痰が出るからでしょうということで,
痰をうすめる効果のあるムコダインと
アレルギー性鼻炎もあるとの私の報告もあり,
抗アレルギー薬アレジオン10mgを出してもらう.
鼻づまりの原因は杉花粉だけではないよう気がしているので,
この際と思い,ついでに各種アレルゲンの検査をお願いする.
月曜日は仕事上特別な予定もなく,休暇をとったので,
日曜,月曜と伊豆の温泉にでも行こうかと妻と計画を立てて見たが,
もう一つ気乗りがしない,夜寝られないのが不安だ,
食べ物がおいしくないのではせっかくの旅行も楽しくない.
今日,明日の様子を見て決めようということになる.
土曜日の4時から10時は妻の最大の楽しみ,
ストレス解消となっている合唱の練習である.
練習場は自宅から1時間ほどかかるが,本人は何をおいてもこれには出かける.
彼女は実家のお母さんの看病,こんな私の面倒,
子供やその嫁さんへの毎日のメールや電話,私の母にまで気づかってくれ,
息子の私より電話をしてくれたり,時々訪ねたりしてくれる.
本当にありがたい,たいしたものである.
小遣い稼ぎに週2回程度,アルバイトをしているが,いろいろ勉強しながら,
楽しみながらしている.
近所に友達も多く,いろいろとつきあいが広いようである.
最近,妻がとてもうらやましく感じられる.
私は一人になるとパチンコ屋で暇をつぶすしか能がなく,
仕事を辞めたらどうなるのだろうか,「濡れ落ち葉」になり,
妻に迷惑がられるのであろうか,このところこんなことを考えてしまう.
これも鬱の一因なのかもしれない.
車を運転してみたくなったので,妻を最寄り駅まで送る.
10時までどう過ごそうかと悩み,ゴルフ練習場に行くことにする.
その後,熱くならないで,楽しみ程度ならパチンコもしてみようかとも思う.
しかし,ゴルフ練習も咳が時々出て,集中できない.多少の吐き気もある.
汗をかいたせいか寒気もする.
このところ体の温度調節自立神経が少し狂っている気がする.
早々に切り上げ,時間つぶしに,遠回りして20kmほど車を走らせ家に帰る.
夕方から夜にかけて急に気温が下がってきたこともあるが,
家に着くと,やはり寒気を感じる.
風呂を熱めに沸かしてすぐに入る.
部屋も暖房で暖かくなり,湯上がりは気持ちが少し落ち着き,寒気もなくなる.
パソコンに向かい,ネットで鬱闘病日記,鬱のメカニズム,
対処法,ストレス解消法などのブログ,記事を手当たり次第に探してみる.
そうこうしているうちに,8時が過ぎ,
妻が用意をしていった夕食であるカレーを温めなおす.
少し,焦がしてしまったと言っていたが,
そのせいかカレーがとてもよい香りとなり,食欲を感じる.
久しぶりの思いである.いつも程度の量が食べられる.
少し,気分がよくなる.パキシルは夕食後,毎日飲めといわれているので,
咳のステロイド吸入,降血圧剤といっしょに飲む.
妻がちょうど10時に帰る.いつもより30分ほど早い.
心配だから急いで帰ったとのことである.
今日の体調,経過,明日の行動などを妻と一時間ほど会話を交わす.
11時半もすぎたので,もう一度風呂に入り,寝る準備をする.
眠るという行為,言葉にプレッシャーを受けるのか,また不安になり,ドキドキする.咳も出始める.結局,コンスタン飲み少し気持ちを落ち着かせてから,
アモバンを飲みベッドに入る.12時半.間もなく眠る.
つづく
うつ日記NO3です.昨日のNO2までは,後日思い出しながら付け足したものです.実際の日記は2月27日から書いています.
2月27日
明日,医者に見せる文章を書きながら,6時まで会社にいる.
多少の雑務処理,相談事項などがあり対処したが,
いままでよりかなりのエネルギーが必要で負担感が強い.
親身になれないのか,なりすぎて心が必要以上に反応するのを避けているのか,
面と向かって話を聞けない,聞くのがつらい.
帰りは通勤バスに乗らず,歩いて25分ほどかけ,最寄りの駅まで行く.
何も考えず歩くのは心が楽である.
気分が少しよくなったのでパチンコでもと思ったが,やめる.
寄り道せず,家に帰る.電車の中でいろいろと考える.心が重くなる.
家には7時過ぎに帰ったものの,夕飯はまだでやることがない,
イライラして落ち着かない.いままでなんとなく,
あるいはおもしろく見ていたテレビも見る気がなく,おもしろさを感じない,
このまま,何も食べず睡眠薬を飲んで寝てしまいたいとも思ったが,
今後のこともあり,食欲もあまりないが,どうにか夕食をとる.
妻に明日,精神科へ行くつもりであり,
いまの精神状況だと先ほどのプリントを見せる.
妻も私の異常には気がついており,理解してくれたようだ.
毎回二人で楽しみに見ている米国の連続テレビドラマのDVDを
借りてきてあるので,二人でいっしょに見ましょうということになる.
しかしおもしろさを感ぜず集中できない,
場面,場面でなぜか心が痛みつらい.
しかし,妻に励まされながら,横になりながら
半分トロトロしながらどうにか2時間半にわたる3話を見終える.
途中から少し集中して,心もそう痛まず見られたような気がするが,
かなり疲れた.
風呂に入る前に20分ほど散歩に近いジョギングを行う.
リズムよく走るとセロトニンが増え,鬱が解消されると聞いて,
2~3日前から心を落ち着かせる目的もあり,ゆっくり走っている.
11時半アモバンを飲んでベッドにはいる.
ステロイド剤が効いてきたかここ2~3日,咳はほぼ収まっており,間もなく眠る.
2月28日(木)
朝5時に眼が覚める.再眠できず7時半まで悶々とする.
今日は精神科に行く予定であるが,妻は久しぶりに友達と映画を観て,
ランチを楽しんでくる予定を前々から組んでおり,一人で行くことにする.
車で20分ほどなので負担感はない.
昨日書綴ったものを読んでもらい,診てもらうことにする.
今朝は気分がよく,胸の重みも感じない.
ひょとしたら治ったのかもしれないと期待する.
しかし,病院に入った途端,喉への痰の絡まりが異常に気になって仕方ない.
なんどもトイレに駆け込み痰を吐く.ほとんど痰はでないのだが,
喉に絡まるの異常感が気になる.
ちょっとしたことでも過敏に感じてしまうようである.
1時間半ほど待たされ,診断を受ける.
4年前も診てもらったことのある理知的な清潔感のある女医さんである.
持参した文書を渡す.
「え,私が読むの」といいながら徐々に熱心に目を通してくれる.
多少,会話を交わし,状況を確認した後,
エネルギーがないなど,やはり典型的な鬱の症状であるということで,
抗うつ剤パキシルと精神安定剤コンスタンを出すので,それを飲んでください.
また2週間後にきてくださいということになる.
昼前に家に帰る.今日は胸のつかえ,重みもなく,
気分もよいので午後から会社に出ようかとも思ったが格別の用事もなく,
原因の一つは仕事にもあるので,電話して,今日は休みとする.
気分はそう悪くない.天気も暖かく,春の感じである.
近所の梅も咲き始めている.梅の花でも撮るかということで,
半年ほど前に買ったD40Xを携えて,一時間ほど近所をブラブラする.
まだ3~5分咲きで,満足のいく被写体,ポイントがない.
撮影技術も未熟である.20回ほどシャッターを切り,帰るが,
プリントしてみるかと思えるものは一つ,二つである.
妻がまだ帰ってこないので,ゴルフ練習に行くことにする.
精神力は落ちているが,体力がそう落ちているわけではないので,
運動は,集中できれば楽しいはずと思う.
平日は2時間打ち放題である.
しかし,球を打ちながらも,半分はうつ病のこと,
体調のことを考えてしまっている.
軽い吐き気,頭痛を覚える.
風邪が残っているのかなと思いつつ,やっぱり鬱のせいかなと意識する.
ゴルフはいつものとおりである.時折よいショットが出るが,続かない.
うまく当らない,打てないのはいつもだが,今日はそれにとてもイラつく.
心が落ち着かず,いろんなことに異常反応してしまうことに焦りを覚える.
集中できなく,咳も痰も出だす.イライラとつらさも感じるので
30分ほどでやめようと思ったが,せっかくだから,もう少しやろうと考え直す.
飲料で心を落ち着かせ,ミスショットが出たらクラブを替え,休み休み球を打つ.
1時間過ぎたあたりから,吐き気,頭痛も感じなくなる.
運動でセロトニンが脳に少し分泌されたのかもしれない.
2時間近くで,250球を打つ.気分は悪くない.胸の重み,つかえも感じない.
家に帰ると妻が帰ってきていた.鬱と診断され,
抗うつ剤を飲みながら,あまり無理しないようにして,
仕事を継続することと今の心体の状態をいろいろ話す.
覚悟していたと見え,別にショックを受けた様子もない.
テレビもおもしろくなく,何もすることがなく,落ち着かない.
妻は私の神経質な話を聞くのにいい加減疲れているのであろう.
黙々とパズルゲームをやっている.
2週間前までは私もいっしょに競ってやっていたゲームである.
しかし,今はいっこうにやる気がおきないし,
考えることができないのでイラついてしまい,心が重くなる.
手足,体を動かす以外落ち着くことができない.
散歩に出かける.帰ると,「夕食なににする」と妻か聞く.
正直食べたいものがない.食べるのが怖い.
そもそも今回,最初に鬱かもと思ったのは,
いつもならとうまいと感じていた焼き肉を長男夫婦と日曜に食べに行った時,
味を感じなかったことにある.
5年前,やはり鬱になった時,いつも食べる定食屋のランチが
味がなく,食べられなかった時のあのいやな感覚,
それからの,精神的苦痛がフラッシュバックのようによみがえってきたのである.
それ以来,食事がおいしいと感じない.食事をするのが怖い.
よく考えれば,普段もいつもいつも,
おいしいと感じて食事をしていたわけではないが,
ただ,やはり日に3度の食事がおいしくなく,怖いというのはつらい.
食欲以前の問題である.
生命体のエネルギーが大きく減少しているには間違いない.これはやはりやばい.
それでは,「ストレス解消にどこかにドライブでもしよう.
そして,どこかのレストランでの食事にしよう.
「まずかったら食べなくてもよいではないか」ということで,
あてどもなくナビを頼りに混雑を回避しながら,西へと車を走らせた.
車の運転は苦痛ではない.
しかし,夜の知らない狭い道はストレスがかかるようである.
緊張すると咳が続き,止まらなくなる.痰も止まらない.
気管の炎症はなくなっていない,
またあの激しい咳がぶり返したらどうしようと考えるとまた不安になる.
普段なら大げさに感じないことに過敏に反応してしまう.
この神経体質は困ったものである.
結局,3時間ほど車を走らせ,途中の和風レストランにはいる.
寿司10カンとシジミのみそ汁を食べる.
シジミのみそ汁はおいしく飲めた.
寿司はおいしいとは思わなかったが一つ一つにボリュウム感がないので,
心理的にプレッシャーを感じなかったのかもしれない.
食事のあと,再び喉への痰の絡まりが気になり,
家に帰り,飴をしやぶったり,うがいをしたり,
でない痰を何回も出すことを試みたり,せわしなくいろんなことを繰り返す.
知らない人が見たら滑稽に思うだろう.
何年か前,痰が喉の上端に絡まるような気持ち悪い経験が何ヶ月か続き,
あのいやだったことを感覚を思い出してしまい,居ても立ってもいられなくなる.
パキシルとコンスタンを1錠飲む.しばらくして,喉への不快感がなくなる.
気持ちも楽になる.アモバンに頼らず眠れそうに感じる.
11時半にベッドにはいり,消灯して目を閉じる.3時前に目が覚める.
すぐにアモバンを3.75mg飲み,再びベッドに入る.7時まで眠る.
2月29日(金)
会社まで妻に車で送ってもらい定時に出社する.
メールとワークフローおよび机に載せられている書類などのチェック,確認をする.
30分ほどで終了.ネットで新聞その他の各種情報を見る.それも10時には終了.
やはり痰が喉に絡まり気持ちが悪く,飴をしゃぶると余計酷くなる気がする.
いままでは飴で解消していたので,やばいと思う.冷や汗がでる.
水を飲んだり,うがいをする.痰だけではなく,
副鼻孔からの鼻汁もあるのかもしれない.
いつもは唾液といっしょに飲み込むがそれができない.
粘性が強いか,薬の副作用で唾液が少ないのかもしれないなどと,
ネットで情報を調べながら考える.
部下が仕事相談に来る.いつもなら,自分でやってしまうことも,
このポイントだけは押さえてくれればよいからと指示して,
彼に後はまかせる.これでよいのかもしれない.
ただ,ポイント部分の説明の時,なぜかまた咳がこみ上げる.
午後からはメールチェックをしながら,
関西地区総合職面談の指示をメールで行う.
残り時間で鬱日記を書き始める.飾らず,熱中して書けている間は,
喉の異常も咳も気にならない.6時半に会社を出る.
帰りバスの中で同僚と会話を交わす.彼も風邪か花粉か気分がすぐれないという.
スポーツジムで体を動かすとストレス解消になり,いいですよなどの話をする.
みんな,それぞれストレスがあり,努力しているのだのかなぁと思う.
7時半過ぎに,家に着く.
夕飯は,なににすると聞かれる.食べたいものも別にないので,
あっさりしたもので自然素材そのもの,「ほうれん草のおひたしと大根おろし」
とこたえ,無理して,ご飯一膳を食べる.
体質が変わり急に味覚に敏感になったのか,人工的調味料,甘さにやけに敏感になり,濃いものには気分が悪くなってしまう.
テレビもニュース,ドラマなどは見る気もおきなく,
世界卓球で日本女子の活躍を時々集中してみる.
喉への痰の絡みが気になって仕方ない,とても辛く感じる.
いろいろなものについての不安感も増す.やはりセロトニンが脳に足りない.
パキシルとコンスタンを飲む.
心を落ち着かせるため軽いジョギングを交えた散歩に出かける.
冷たいが外の空気が心地よい.
鼻呼吸,複式呼吸を心がけながら,庭の植木を眺めながら,
20分ほど近所の住宅街を徘徊する.
風呂に入り,12時にアモバンを飲む,喉が気になり眠れない,
また一回寝入ったが自分のいびきで目を覚ましてしまった.
1時間ほど悶々とするが,振り出しに戻ろうと覚悟を決め,
アモバン3.75mgを飲み,再びベッドに入る.いつのまにか眠る.
3月1日(土)
6時前に目が覚める.4時間半ほど寝たことになる.
今日は休みである.もう一度眠ることを試みるが,眠れない.
10時まで悶々として,ベッドを出る.いつもの休日のように遅い朝食をとる.
納豆と炒り卵にみそ汁である.おいしいとは感じないが,
よく考えれば普段もそういう時があり,何気なく食べていたような気もする.
喉の不快感と鼻づまり感がとれないので,咳の経過報告を兼ね,
クリニックに行く.咳は多分マイコプラズマによる気管炎症によるものであり,
こじらせて咳喘息になったのでしょうとのことで,
ステロイド吸入を1月以上続ける必要があるとのことである.
また,鬱状態になり,精神科で,パキシル,コンスタン,アモバンを調合されていることを報告する.
「体調不良からそうなる人が多いのですよ,まずしっかり咳をなおしましょう」
とさりげなく言われた.
鬱と聞いてもたいしたことではないようにあまりにもさりげなかったので,
そのときは少しホットする.
会社では鬱で休職する若い社員が何人もいるので,
自分自身はかなり重大に考えており,たいへんだ,やばいと思うことが
余計苦しみを増していたのかもしれない.
喉は咳で多少腫れているがたいしたことがない,
粘性のある痰が出るからでしょうということで,
痰をうすめる効果のあるムコダインと
アレルギー性鼻炎もあるとの私の報告もあり,
抗アレルギー薬アレジオン10mgを出してもらう.
鼻づまりの原因は杉花粉だけではないよう気がしているので,
この際と思い,ついでに各種アレルゲンの検査をお願いする.
月曜日は仕事上特別な予定もなく,休暇をとったので,
日曜,月曜と伊豆の温泉にでも行こうかと妻と計画を立てて見たが,
もう一つ気乗りがしない,夜寝られないのが不安だ,
食べ物がおいしくないのではせっかくの旅行も楽しくない.
今日,明日の様子を見て決めようということになる.
土曜日の4時から10時は妻の最大の楽しみ,
ストレス解消となっている合唱の練習である.
練習場は自宅から1時間ほどかかるが,本人は何をおいてもこれには出かける.
彼女は実家のお母さんの看病,こんな私の面倒,
子供やその嫁さんへの毎日のメールや電話,私の母にまで気づかってくれ,
息子の私より電話をしてくれたり,時々訪ねたりしてくれる.
本当にありがたい,たいしたものである.
小遣い稼ぎに週2回程度,アルバイトをしているが,いろいろ勉強しながら,
楽しみながらしている.
近所に友達も多く,いろいろとつきあいが広いようである.
最近,妻がとてもうらやましく感じられる.
私は一人になるとパチンコ屋で暇をつぶすしか能がなく,
仕事を辞めたらどうなるのだろうか,「濡れ落ち葉」になり,
妻に迷惑がられるのであろうか,このところこんなことを考えてしまう.
これも鬱の一因なのかもしれない.
車を運転してみたくなったので,妻を最寄り駅まで送る.
10時までどう過ごそうかと悩み,ゴルフ練習場に行くことにする.
その後,熱くならないで,楽しみ程度ならパチンコもしてみようかとも思う.
しかし,ゴルフ練習も咳が時々出て,集中できない.多少の吐き気もある.
汗をかいたせいか寒気もする.
このところ体の温度調節自立神経が少し狂っている気がする.
早々に切り上げ,時間つぶしに,遠回りして20kmほど車を走らせ家に帰る.
夕方から夜にかけて急に気温が下がってきたこともあるが,
家に着くと,やはり寒気を感じる.
風呂を熱めに沸かしてすぐに入る.
部屋も暖房で暖かくなり,湯上がりは気持ちが少し落ち着き,寒気もなくなる.
パソコンに向かい,ネットで鬱闘病日記,鬱のメカニズム,
対処法,ストレス解消法などのブログ,記事を手当たり次第に探してみる.
そうこうしているうちに,8時が過ぎ,
妻が用意をしていった夕食であるカレーを温めなおす.
少し,焦がしてしまったと言っていたが,
そのせいかカレーがとてもよい香りとなり,食欲を感じる.
久しぶりの思いである.いつも程度の量が食べられる.
少し,気分がよくなる.パキシルは夕食後,毎日飲めといわれているので,
咳のステロイド吸入,降血圧剤といっしょに飲む.
妻がちょうど10時に帰る.いつもより30分ほど早い.
心配だから急いで帰ったとのことである.
今日の体調,経過,明日の行動などを妻と一時間ほど会話を交わす.
11時半もすぎたので,もう一度風呂に入り,寝る準備をする.
眠るという行為,言葉にプレッシャーを受けるのか,また不安になり,ドキドキする.咳も出始める.結局,コンスタン飲み少し気持ちを落ち着かせてから,
アモバンを飲みベッドに入る.12時半.間もなく眠る.
つづく