行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

ツリフネソウ

2021-10-12 20:00:09 | 花,植物
自宅近くの谷戸に
今年もツリフネソウを見に行きました(9/22)。


ツリフネソウ(釣船草、吊舟草)、
ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年生草本、
山地から低地の湿地に群生し、赤紫色の横長の花を咲かせます。
ムラサキツリフネ(紫釣船)とも呼ばれるようです。


花期は夏から秋、
山地では 8月、低地では 9-10月、
荒れ地のような草地に赤紫色の多数の花が一斉に咲く様子は見事です。
場所は多摩丘陵の谷戸地、
今年はちょうど彼岸に入る頃に花が開き始めました。


茎の先端部から細長い花序が伸び、
赤紫色で3-4 cmほどの横長の花が釣り下がるようにして咲きます。


花には3個の萼と唇形の3個の花弁がありますが
萼片も花弁もいずれも赤紫色、どれも花弁のように見えます。
萼片の下の1個は大きく袋状になり、
その先端が距でクルリと渦巻き状になります。
花蜜はこの距の部分にたまります。


花弁は下の2個が大きくて黄色の斑点が見られます。
雄しべは白色でぶら下がるようにして5個ありますが、
花糸は短く、咲きはじめや雄性期には葯が合着して雌しべを包み込んでいます。
自家受粉を避ける仕組みです。


その雄性期のツリフネソウの花にホシホウジャクがやってきました。


たいていの花ではとまらずに、
長い口吻を伸ばして、ホバリングしながら吸蜜するホシホウジャクです。
しかし、ツリフネソウの蜜は長い花のずっと奥のクルリと巻いた距の中、
長い口吻を伸ばしても、花筒に頭を突っ込まないと、蜜にありつけません。
そのおかげで、ホシホウジャクの頭部に花粉がつきます。


ツリフネソウの受粉に一番貢献しているのがトラマルハナバチ、
花筒の中に入り込み吸蜜します。
花筒の空間はトラマルハナバチにジャストサイズ、
花に出入りする際、背中に花粉をつけます。
そして、雌性期の花の雌しべに花粉を運びます。
(10/9撮影)
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