コロナ禍で酒に弱くなったよっぱらい親父。古希を過ぎ、腰痛に悩みながら今は家庭菜園に精を出す。慰めは3匹の猫。
よっぱらい親父の独り言
ヨーロッパ旅行記-その6
9月2日の午後のこと
昼食後は、三越でショッピング。日本人の店員さんが丁寧に対応してくれた。
日本の店員さんに比べ、ヨーロッパの店員さんは売る気がない。
泊まったホテルで娘のお土産を買おうとしたときには、呼んでもすぐに来ない。
包みもありふれた袋に入れるだけなのだ。
三越では、日本式のお客対応で安心だ。、
しかし、高価なものが多いので、無料のトイレを借り、品々を見るだけで外に出た。
パリの西郊外30分で、ルイ14世のヴェルサイユ宮殿に着く。思ったより広大。
中は、革命でギロチン台に消えたマリー・アントワネットの遺品が残っている。
儀式や外国の賓客を謁見するために使われた鏡の間は、今も燦然と輝く。
ヴェルサイユ宮殿には王族用以外のトイレがなかったという。
宮廷女性の開いたドレスは庭園で用を足すものだったのだ。
パリに戻って、小さなレストランで夕食。エスカルゴは、慣れない食材だが完食した。
赤ワインを飲みながら食した「子牛の何とか」は、味が思い出せない。
フランス料理などの高級なものは、田舎の親父には合わないようだ。
エッフェル塔にほど近い乗り場からセーヌ川の遊覧船に乗る。
午後8時というのに、日暮れにかかってまだ明るい。約1時間のコースだ。
岸辺を走る人、寄り添う二人など映画のシーンを思い出す。
コンコルド橋、オルセー美術館、ルーブル美術館が眺められた。
町の窓に灯りが点くと、景色が夕闇となった。
我ら二人の隣に乗り合わせたのは、一人旅の娘。
タヌキがお母さんに似ていると言っていたから、「どういうところが?」と聞いてみた。
「雰囲気が似ているのです。」と言う。
タヌキが親父に言った。「私みたいな人、ありふれているのよね。」
下船間際にトイレに行きたくなった。レストランのワインが効いたらしい。
再び戻ったエッフェル塔は、夜空にライトアップされている。
船着き場のトイレは有料だという。
小銭がなく困ったと言うと、旅慣れた娘が無料になる極秘の方法を教えてくれた。
お陰で、下船するなり無事に用を足すことが出来た。
外で、タヌキと娘が待っていてくれた。この旅で初めての雨。感謝する親父の涙雨。
午後10時過ぎてホテルに着く。長い一日だった。
日本食が恋しくなって、お湯を沸かして持参のお茶を煎れ、梅干しをしゃぶる。
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