2021/04/26
『ヴィオラ母さん』文藝春秋 2019/1/30
実は昨年から買ってあった本ですが、返却期限がある図書館の本を先に次々読むので、なかなかとりかかれず、やっと今になって読みました。
ヤマザキマリさんの本はおもしろいに決まっている。
読んでいて、リョウコさんもマリさんも、うらやましくてならなかった。こんなに生活を楽しんで暮らしている人がいた、ということがうらやましかったのだ。
シングルで子育てしながら、母親が自分の好きなことに邁進できている、ということに驚く。
子どものケア面では足りない部分があったかもしれない。働くシングルマザーでは仕方のないことだろう。
でも、ずっと一緒にいて世話をしてあげるばかりがよいことだとは思わない。子どもだって、自分で考える時間を持って、自分で自分をケアすることを学ばなければならない。
リョウコさんは生活を楽しみ、人と違っていていい、ということを子どもたちに教えたし、親子の仲がよいのが、なによりうまく子育てしていた証拠だと思う。
リョウコさんは演奏旅行で家を留守にするときも、子どもの世話は遠慮なく人に頼み、近所の人、友人を巻き込んでいたのも、交友の広さだったんでしょうね。
それにしても、あの当時の北海道の人はおおらかで親切だったんだなあ。
『暮らしの手帖』が大好きで、生き方の規範になったというヤマザキ家、「あ、うちも同じだった!」と親近感を持った。私が育った家でもずっと『暮らしの手帖』を読んでいた。
私は『暮らしの手帖』が大好きだった。田舎の少女の私が『暮らしの手帖』から、東京山の手の雰囲気を知り、だいぶ生活とか文化に影響を受けたと思う。
マリさんが描くリョウコさんの風貌!
こんな鬼婆みたいな顔に描いていいの!? 写真とだいぶ違う(笑)
リョウコさんは深窓の令嬢だったそうだけど(笑)
話としてもすごくおもしろいので、NHKのファミリーヒストリーででも、やってくれないかな。