顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

折々の記

2016年04月15日 | 日記


しだれ桜を見に行った六地蔵寺の境内で見つけた小さな観音様、謂われは分かりませんが、どう見ても授乳しているようです。多分お乳が出るようにという願望で建てたのかと調べてみたら、日本唯一の「お乳のお寺」「おっぱい寺」として知られている「間々観音」が出てきました。愛知県小牧市にある浄土宗の寺院で、正式な寺号は「龍音寺」。写真を見ると境内にはいろんなおっぱいがいっぱい!授乳している観音蔵のおっぱいからは水が出ていました。
今でもそうですが、子育てには母乳がより必要な時代、乳が出るようにとの願いは切実なものだったのでしょう。素朴なこの観音像は、我が子を見つめて慈愛の微笑を浮かべているようです。


庭の片隅で「ヒトリシズカ(一人静)」が咲きました。
この清楚な姿を「源義経が寵愛した静御前が舞っている姿に見立てた」命名であると言われ、また、同じセンリョウ科チャラン属の「フタリシズカ(二人静)」は「義経を思う静御前の舞に幽霊がつきまとって二人の舞になった姿に例えた」というのが定説のようです。
フタリシズカは白い球形の花が二本(または数本)の茎に付きます。どちらもこの近在の山間部でよく見かける花です。
根茎が地中を横に走り、彼岸頃にそこから芽を出してたくさんの茎を直立させるので、地味な花ですが、名前に惹かれる方に株分けしてあげています。

一人静ここだく咲ける静かさよ     富安 風生
  ※ここだく(幾許く) ここだ(幾許)と同じ  数量の多いさまを表す。たくさん。多く。