石油製品が国際市況商品である以上、上げもあれば下げもある。
昨今の暖冬による急激な市況下落が減販ともあいまってリテール業者に深刻な影響を及ぼしている。特にガソリンに関しては泥沼状態ともなっている。
昨年度の暴騰から一転して、ジェットコースターのような急速な下落である。
系列玉と業転玉。特に販売店レベルの中小業者が一斉に業転市場の安値情報に傾くため中間流通市場はさらに混乱してくる。系列との二重構造化が完全に定着してきたようだ。
瞬間的な利ざやを求めて、下落では一斉に業転市場に傾き、玉が締まれば一斉に系列調達に引き戻る。まるで遭難する難破船で生き残りのために混乱する乗組員のような状況となっている。ほとんどの業者が後手に回っているようである。
例えば、灯油を例に取ると、
昨シーズンでは「業転」による仕入れ調達が中心の業者の場合では仕入調達価格の暴騰と末端転嫁の遅れで利幅が縮小し「豊作貧乏」であった。
今年も下落をリードしているのは業転市場である。しかし、前年の学習効果で末端価格については比較的安定しており大幅な収益確保ができている。
何度も繰り返すが、閉鎖やセルフ化の影響で配送灯油マーケットの高収益構造はほぼ確立されてきた。優勝劣敗が明確化してきたという事は灯油マーケットでは「格差」がついてきたということである。
自社の販売スタンスとデータが確立されている企業では仕入れ調達の手法が確立されていて非常に上手なのである。しかし、いかにも「場当たり的」な目先の市況を追いかける仕入れ調達が下手な業者も多い。これが「格差」となっていることに気付いていないようである。
自分も商品を販売している人間なら、消費量が少ないのに常に価格にうるさい客の取り扱いには苦労しているはずでなのある。人間は感情の動物です。担当者だって選別販売になります。ビジネスは「感情」と「勘定」が重なり合って成立します。どちらに偏っても旨くはいきません。
今では、システム屋となっている自分であるが、これでも昔は石油流通真っ只中で過激に生きてきた人間なので、気になって仕方がない。
『利は元にあり』は商売の原則ですが、「売って喜び、買って喜ぶ」という事もあります。
流通の部外者となってから初めて見えてくることもある。
石油業界はビジネススタンスで収益格差が明確につく時代です。
SS店頭オペレーション中心でガソリン収益と油外収益だけに頼る販売業者にとっては非常に売りにくい厳しい状況になるはずです。
これからのエネルギー産業は総合力の時代です。
規模にとらわれず、掛売り中心でも地域に根ざして顧客を囲い込み、エネルギー販売ビジネスの基本に忠実な販売業者が値取りもできて大健闘しているようです。
毎日毎日、篭の中のハツカネズミのように忙しくクルクル回りながら目先の収益ばかりを追いかける素人のビジネスでは結果が出せない時代に入っています。
業転市況の上げや下げだけでは有効な情報の『質』についての見極めもできません。こんな時代だからこそ経営者にとってのビジネススタンスが問われます。
以前も申し上げました。『建て前の餅まき』のような状況なのです。
新築の屋根を見あげながら大騒ぎをして餅(安い玉)を追いかける者は人を押しのけてでも飛んでくる餅(その時点の安い玉)に飛びついて先に受け取ろうとしますが、餅は受け取りにくいため下に落としますなかなか上手く取れません。
年寄りのおばあさんはゆっくりと下に落ちた餅をエプロンに一つづつ拾い集めます。たまには。汚れた餅でも土を払いながら決して慌てません。
石油ビジネスは本当に難しい。
今後、石油市況は確実に反転して再び急上昇する事になるはずです。
こんな暖冬が来年も来るという保証は誰にもできません。
来シーズンには来シーズンの収益パターンがあるはずです。
現に、一般SS業者が店頭ガソリン販売収益激減で悲鳴をあげている中、着実な努力の積み上により配送灯油で大幅な収益向上を実現している業者が多いのです。
灯油については、SS業者がテレビ宣伝までして積極展開できる収益ビジネスです。「勝ち組企業」にとって灯油は確実な安定収益として定着しています。
いつの時代でも、自分の型を持ち確固とした経営スタンスを持っている販売業者が安定していて強いようです。
さあ、週末ですが東北出張です。
志のある経営者の方と有意義な商談ができるようにがんばります。
昨今の暖冬による急激な市況下落が減販ともあいまってリテール業者に深刻な影響を及ぼしている。特にガソリンに関しては泥沼状態ともなっている。
昨年度の暴騰から一転して、ジェットコースターのような急速な下落である。
系列玉と業転玉。特に販売店レベルの中小業者が一斉に業転市場の安値情報に傾くため中間流通市場はさらに混乱してくる。系列との二重構造化が完全に定着してきたようだ。
瞬間的な利ざやを求めて、下落では一斉に業転市場に傾き、玉が締まれば一斉に系列調達に引き戻る。まるで遭難する難破船で生き残りのために混乱する乗組員のような状況となっている。ほとんどの業者が後手に回っているようである。
例えば、灯油を例に取ると、
昨シーズンでは「業転」による仕入れ調達が中心の業者の場合では仕入調達価格の暴騰と末端転嫁の遅れで利幅が縮小し「豊作貧乏」であった。
今年も下落をリードしているのは業転市場である。しかし、前年の学習効果で末端価格については比較的安定しており大幅な収益確保ができている。
何度も繰り返すが、閉鎖やセルフ化の影響で配送灯油マーケットの高収益構造はほぼ確立されてきた。優勝劣敗が明確化してきたという事は灯油マーケットでは「格差」がついてきたということである。
自社の販売スタンスとデータが確立されている企業では仕入れ調達の手法が確立されていて非常に上手なのである。しかし、いかにも「場当たり的」な目先の市況を追いかける仕入れ調達が下手な業者も多い。これが「格差」となっていることに気付いていないようである。
自分も商品を販売している人間なら、消費量が少ないのに常に価格にうるさい客の取り扱いには苦労しているはずでなのある。人間は感情の動物です。担当者だって選別販売になります。ビジネスは「感情」と「勘定」が重なり合って成立します。どちらに偏っても旨くはいきません。
今では、システム屋となっている自分であるが、これでも昔は石油流通真っ只中で過激に生きてきた人間なので、気になって仕方がない。
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これからのエネルギー産業は総合力の時代です。
規模にとらわれず、掛売り中心でも地域に根ざして顧客を囲い込み、エネルギー販売ビジネスの基本に忠実な販売業者が値取りもできて大健闘しているようです。
毎日毎日、篭の中のハツカネズミのように忙しくクルクル回りながら目先の収益ばかりを追いかける素人のビジネスでは結果が出せない時代に入っています。
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以前も申し上げました。『建て前の餅まき』のような状況なのです。
新築の屋根を見あげながら大騒ぎをして餅(安い玉)を追いかける者は人を押しのけてでも飛んでくる餅(その時点の安い玉)に飛びついて先に受け取ろうとしますが、餅は受け取りにくいため下に落としますなかなか上手く取れません。
年寄りのおばあさんはゆっくりと下に落ちた餅をエプロンに一つづつ拾い集めます。たまには。汚れた餅でも土を払いながら決して慌てません。
石油ビジネスは本当に難しい。
今後、石油市況は確実に反転して再び急上昇する事になるはずです。
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いつの時代でも、自分の型を持ち確固とした経営スタンスを持っている販売業者が安定していて強いようです。
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