ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

SSを起点とする新たなビジネスフォーム

2009年07月02日 05時15分05秒 | Weblog
最近、何処へ行っても話題になるのがSSからどんなビジネスを派生させるか、
または、ビジネス転換をどのように図るか、といった新たなビジネスモデルのアイデアなども求められます。

ガソリンスタンドという業態自体が最初のFCビジネスの原点だといわれます。
そのせいなのか、SS業界の経営者は中古車販売、板金業、洗車、レンタカーなどのビジネスを開業する場合でもFCを利用することに抵抗がないようです。

しかし、今挙げたビジネスは「自動車」というものを切り口にしたビジネスモデルです。

そして、ある方は「SS業界人は、人真似をしていれば、たとえ赤字でも心が安心しているようだ」と皮肉を言われます。

新規分野のビジネスモデルを成功させるアイデアのきっかけや視点は人によってさまざまだと思いますが、
意外と足元や身近に転がっているものです。

私自身の経験を申しあげましょう。
私は、人口1万人ほどの群馬のド田舎の郊外でSSを経営していたわけですが、
長野や軽井沢などの観光地への国道でした。
当時は高速道路もなくて週末や休日になると前の国道は凄い渋滞でした。

当然、ガソリンの現金売りは急増するわけですが、
その際、観光客から「どこか、食事をするところはありますか?」という質問をよく受けました。
そこで、SSの近くの土地を600坪ほど買収して「焼肉レストラン」を開業しました。
駐車場が広く清流に沿った景色のよい立地でしたので、田舎町にしては驚くほどの大盛況。
地元の飲食店会の皆さんは、既存の街の中で地元のマーケットを対象としたビジネスでしたので、郊外ビジネスの成功で町が一気に活性化したわけです。

SSで給油しながら、お客様のニーズを拾い上げて成功したケースです。
焼肉ならお客様が肉を焼いてくれるから、調理も楽だろうという、
今考えたら胆略的発想でしたから、焼肉の鉄板を手洗いデ磨くことがあれほど大変な作業であるとは・・・、
外食産業は初めてで、素人でしたので実際に開業してみてどんな仕事でも大変なことがよく判りました。

ところで、「焼肉レストラン」のヒットしたのが20歳代です。
もっと付加価値のある、客単価の高いビジネスをしてみたいと考え、
店舗施設にお金をかけた「鉄板焼きステーキハウス」を軽井沢の郊外に開業しました。
これも、ヒットしました。

今考えれば、若くして、お金儲けをして、
年にそぐわない金額を持つと、ロクなことはありません。
その後は、お決まりの、外車に女にゴルフに不動産などバブル街道一直線。

ベンツにBMW、ジャガーに大型キャンピングカーなんて風呂付きでした。
国産車のシ―マやクラウンなんて、下駄代わりでしたね。
あれが、バブルというものです。

そんな訳で、バブル崩壊、金融崩壊で、私自身の一敗地に塗れ、人生の大敗北を体験することとなれました。
資産を失い、仕事を失い、家庭を失い、すべて失い。
再度、奮起して現在があります。
まさに、不死身のフェニックス。

しかし、ゴルフ場の造成燃料、ダムや高速道路、新幹線などの公共事業のパトロール給油では他の追従を許さないシェアと実績を誇ったものです。
そこで生まれたのが、石油製品の「配送システム」、いまの「雪ん子」の原点というわけです。

内陸の石油流通基地は凄い需要がありまして、業転ビジネスも大盛況。
長野オリンピックの整備などでも稼がせていただきました。

そんな、石油業転流通の中で米国の石油業界システムなどを勉強して、
日本の石油ビジネスの土壌に合ったソリューションの開発に取り組んでいました。
アメリカの独立系ジョバーは優秀な流通システム、ローリーや独自の貯蔵施設などを保有して機動的なビジネスを展開していました。
憧れましたね。

そんな訳で、
私の石油ビジネスキャリアは小手先のSSを運営をしながら、そのことでSS業界を餌にしている周辺ビジネス業者とは違います。筋金入りです。

魅力あるビジネスモデルには成功の裏の「影」というものがあります。
ロジックとして、必然性のあるものは成功の確率が高いはずです。
これは、私自身の実体験に基づく考え方なのです。

サラリーマンが、上司や会社に安易に提案する、
「借りてきたような」ビジネスモデルではありません。

私自身が膨大な予算と時間をかけて試行錯誤の末、
ようやく動き出した直売システムが現在の「ペトロマスター」の原点なのです。
当時は、まだ、ウィンドウズなんてない時代ですから、開発に苦労しました。

おわかりですか、
自分の失敗や成功のキャリアは汗と涙の結晶で、一番大きな私の資産なのです。
実際にその体験をしてみたら、痛みも、喜びも、悲しみも、全て心と精神に沁みて、絶対に忘れることはありません。
我々の石油ソリューションをご覧ください、他社の製品と比較してみてください。
どこが、どのように違うか、とにかく「魂」が入っています。

本で読むようなビジネス知識とはちがいます。
本で読むようなビジネスキャリアは、数千円出せば本屋で売っています。
ビジネスは本を読んだだけで成功できるほど甘いものではありません。

ですから、FCビジネスなんて大嫌いなのです。

先日、南の島のガリバーディラーさんのシステム部と話しました。
地方の大手企業は、企業が少ないせいか自分たちのエリー意識出しです。
「自社の開発」も考えていますが、買ったほうが安いから。。。
ひどい、ですね。
社員がそんな意識でいたら、何年か先にはGM、クライスラーと同じ事です。

そんな訳で、諸国武者修行の旅はまだまだ続いています。
新たな、ビジネスモデルの企画もかなり固まってきました。
ご期待ください、九州のiさん・